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第18章:紅玉眼の蒼き竜
第2話:リリベルの攻撃
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「ほどよく痛痒イ」
紅玉眼の蒼き竜は顎の下側を思いっ切り薔薇乙女の細剣で突かれたが、強固な鱗が薔薇乙女の細剣の切っ先を防ぎきってしまった。
「くっ! 今ので鱗1枚にヒビを入れられただけっていうの!?」
「やばすぎなのですゥ! いったん、ここから離脱するのですゥ!」
リリベル=ユーリィは自分の膂力の無さを恨むしかなかった。奇襲としては最高の一手であったのにかかわらず、彼奴の鱗の一枚にヒビを入れるのが精いっぱいで終わってしまったからだ。リリベル=ユーリィの脳内のイメージでは、鱗を突き破り、下顎の肉を穿つことが出来るはずであった。イメージ通りに戦いが運ぶことは早々無いのだが、しかしながら、この結果には納得がいかないリリベル=ユーリィであった。
それゆえに、もう一度、リリベル=ユーリィが紅玉眼の蒼き竜の下顎を薔薇乙女の細剣で突こうとしたが、そうする前にビビったクルス=サンティーモが物理的に紅玉眼の蒼き竜から距離を空けるべく、背中の天使の羽根を動かしてしまう。
「ちょっと! クルス、あなた、金玉ついてるの? 男の娘でしょ!?」
「金玉はついてますけど、とっくの昔に縮み上がっているのですゥ!!」
ただでさえ、可愛らしいサイズのクルス=サンティーモの子宝袋は、紅玉眼の蒼き竜に超接近しているために、赤ん坊並みのサイズにまで縮みあがってしまっていた。ここまで子宝袋が小さくなってしまうと、男の娘であるクルス=サンティーモでも、股間に痛みを感じてしまう。そして、縮み上がった彼女の子宝袋の中にある子宝玉は生命の危機だというサインをクルス=サンティーモの脳内に送る。それを脳で受け取ったクルス=サンティーモが身体に出した命令が『逃げる』であった。
リリベル=ユーリィは歯がみする他無かった。自分の背中に直で天使の羽根が生えているのであれば、ここで撤退をすることはなかった。しかし、今、自分を空中に運んでいるのは蒼髪オカッパの可愛らしい男の娘である。負けん気の強すぎるリリベル=ユーリィでは無いのだ、クルス=サンティーモは。
クルス=サンティーモは天使の羽根を急いで羽ばたかせ、リリベル=ユーリィの身を紅玉眼の蒼き竜から遠い場所へ運ぶ。しかし、こそばゆいという表情をしている彼奴は右の前足の爪でコリコリと下顎を軽く掻いた後、自分から離れていく紅い天使に向かって、その顎を大きく開く。
「竜の凍てつく息吹……。我に心地良さを味わせてくれた褒美を与えヨウ」
紅玉眼の蒼き竜は口を大きく開き、そのぼっかり空いた黒い穴から白い息吹を吐き出す。クルス=サンティーモは上半身を軽く後ろにひねり、自分たちに向かって、白いツナミが迫ってくることに戦々恐々となってしまう。
「クルス! 逃げちゃダメ! 反転させてっ!!」
「無理ですゥ! もうおしっこ出ちゃいそなくらいに怖いんですゥ!」
「逃げようとするからダメなのっ! 奴は基本的に放射状に氷柱や氷の結晶を飛ばしてきてるのっ! だから、逃げれば逃げるほど、逃げ場所が無くなっちゃうのっ!!」
「そ、そうなんですゥ!? じゃあ、思いっ切って、上へ回り込むように飛んでみますゥ!!」
リリベル=ユーリィがクルス=サンティーモを叱り飛ばす。もちろん、そうしてはダメだという理由をつけてだ。クルス=サンティーモは聡い男の娘である。いくら恐怖心で子宝袋を震え上がらせている状態でも、リリベル=ユーリィの丁寧な説明を受け入れるだけの余地は脳内に残っていた。そして、クルス=サンティーモはより生存率の高くなる方法を的確に選ぶことに成功する。
リリベル=ユーリィはさすがは戦いの経験が豊富なだけはあり、紅玉眼の蒼き竜が放ってくる攻撃のパターンを見切りはじめていた。基本、紅玉眼の蒼き竜が氷群を使っての攻撃は、彼奴の首級周りを中心として、放射状に発射されてきている。そして、今、紅玉眼の蒼き竜が口を大きく開き、そこから白いツナミを発生させているが、それも氷群を放つパターンと酷似していたのだ。
クルス=サンティーモはリリベル=ユーリィの身体をまっすぐ上空へと運び、さらには紅玉眼の蒼き竜に近づく方向へと飛ぶ。クルス=サンティーモは眼下をうねるように広がっていく竜の凍てつく息吹を見て、おおおォ! と感嘆の声をあげる他無かった。
「す、すごいのですゥ! 今度からリリベル様のことを軍神と呼んでいいですゥ!?」
「それは彼奴を倒した後ねっ! さあ、クルス。もう一度、あいつの顔面近くまで、わたしを運んでっ!」
「えっ!? それはちょっと御免こうむりたいですゥ……、うひィ! ぼくの子宝袋をそんなに強く掴んじゃダメですゥ!」
リリベル=ユーリィは言うことを聞こうとしないクルス=サンティーモを文字通り、手玉に取る行動へと移る。力の入れ加減ひとつで、クルス=サンティーモの大事な子宝玉を潰しても良いのよと? と言わんせしめる力を左手に込める。クルス=サンティーモはただでさえ、子宝袋が縮み上がっているというのに、さらに外部から力を入れられてしまい、腰砕けになってしまう。
「わたしはクルスの子宝玉がひとつくらい潰れても問題ないって思っちゃうの?」
「ひ、ひどいのですゥ。わ、わかりましたァ。でも、リリベル様でも本気で無茶だと感じたら、竿の方を握ってください……」
「子宝袋が行けで、竿が退けねっ。わかりやすいじゃないのっ!」
「うひぃ! 子宝袋は無理して突っ込めなのですゥ! 現時点で力いっぱい掴んじゃダメですゥ!」
クルス=サンティーモはリリベル=ユーリィにそう説明し、リリベル=ユーリィは言われてみればそうよね……と妙に納得してしまう。いじらずは通常運転、子宝袋で急発進、竿を握って急旋回と認識を改めることとする。この時点でクルス=サンティーモとリリベル=ユーリィは相互に意識のズレがあったと言わざるをえなかった。リリベル=ユーリィはあくまでも徹底抗戦をし続けるつもりであり、クルス=サンティーモはどちらかと言えば、すでに逃げ腰であった。
こればかりは組み合わせが悪いとしか言いようがない。しかしながら、リリベル=ユーリィはクルス=サンティーモのおかげで、大空を舞えているだけマシだったと言えよう。
紅玉眼の蒼き竜は顎の下側を思いっ切り薔薇乙女の細剣で突かれたが、強固な鱗が薔薇乙女の細剣の切っ先を防ぎきってしまった。
「くっ! 今ので鱗1枚にヒビを入れられただけっていうの!?」
「やばすぎなのですゥ! いったん、ここから離脱するのですゥ!」
リリベル=ユーリィは自分の膂力の無さを恨むしかなかった。奇襲としては最高の一手であったのにかかわらず、彼奴の鱗の一枚にヒビを入れるのが精いっぱいで終わってしまったからだ。リリベル=ユーリィの脳内のイメージでは、鱗を突き破り、下顎の肉を穿つことが出来るはずであった。イメージ通りに戦いが運ぶことは早々無いのだが、しかしながら、この結果には納得がいかないリリベル=ユーリィであった。
それゆえに、もう一度、リリベル=ユーリィが紅玉眼の蒼き竜の下顎を薔薇乙女の細剣で突こうとしたが、そうする前にビビったクルス=サンティーモが物理的に紅玉眼の蒼き竜から距離を空けるべく、背中の天使の羽根を動かしてしまう。
「ちょっと! クルス、あなた、金玉ついてるの? 男の娘でしょ!?」
「金玉はついてますけど、とっくの昔に縮み上がっているのですゥ!!」
ただでさえ、可愛らしいサイズのクルス=サンティーモの子宝袋は、紅玉眼の蒼き竜に超接近しているために、赤ん坊並みのサイズにまで縮みあがってしまっていた。ここまで子宝袋が小さくなってしまうと、男の娘であるクルス=サンティーモでも、股間に痛みを感じてしまう。そして、縮み上がった彼女の子宝袋の中にある子宝玉は生命の危機だというサインをクルス=サンティーモの脳内に送る。それを脳で受け取ったクルス=サンティーモが身体に出した命令が『逃げる』であった。
リリベル=ユーリィは歯がみする他無かった。自分の背中に直で天使の羽根が生えているのであれば、ここで撤退をすることはなかった。しかし、今、自分を空中に運んでいるのは蒼髪オカッパの可愛らしい男の娘である。負けん気の強すぎるリリベル=ユーリィでは無いのだ、クルス=サンティーモは。
クルス=サンティーモは天使の羽根を急いで羽ばたかせ、リリベル=ユーリィの身を紅玉眼の蒼き竜から遠い場所へ運ぶ。しかし、こそばゆいという表情をしている彼奴は右の前足の爪でコリコリと下顎を軽く掻いた後、自分から離れていく紅い天使に向かって、その顎を大きく開く。
「竜の凍てつく息吹……。我に心地良さを味わせてくれた褒美を与えヨウ」
紅玉眼の蒼き竜は口を大きく開き、そのぼっかり空いた黒い穴から白い息吹を吐き出す。クルス=サンティーモは上半身を軽く後ろにひねり、自分たちに向かって、白いツナミが迫ってくることに戦々恐々となってしまう。
「クルス! 逃げちゃダメ! 反転させてっ!!」
「無理ですゥ! もうおしっこ出ちゃいそなくらいに怖いんですゥ!」
「逃げようとするからダメなのっ! 奴は基本的に放射状に氷柱や氷の結晶を飛ばしてきてるのっ! だから、逃げれば逃げるほど、逃げ場所が無くなっちゃうのっ!!」
「そ、そうなんですゥ!? じゃあ、思いっ切って、上へ回り込むように飛んでみますゥ!!」
リリベル=ユーリィがクルス=サンティーモを叱り飛ばす。もちろん、そうしてはダメだという理由をつけてだ。クルス=サンティーモは聡い男の娘である。いくら恐怖心で子宝袋を震え上がらせている状態でも、リリベル=ユーリィの丁寧な説明を受け入れるだけの余地は脳内に残っていた。そして、クルス=サンティーモはより生存率の高くなる方法を的確に選ぶことに成功する。
リリベル=ユーリィはさすがは戦いの経験が豊富なだけはあり、紅玉眼の蒼き竜が放ってくる攻撃のパターンを見切りはじめていた。基本、紅玉眼の蒼き竜が氷群を使っての攻撃は、彼奴の首級周りを中心として、放射状に発射されてきている。そして、今、紅玉眼の蒼き竜が口を大きく開き、そこから白いツナミを発生させているが、それも氷群を放つパターンと酷似していたのだ。
クルス=サンティーモはリリベル=ユーリィの身体をまっすぐ上空へと運び、さらには紅玉眼の蒼き竜に近づく方向へと飛ぶ。クルス=サンティーモは眼下をうねるように広がっていく竜の凍てつく息吹を見て、おおおォ! と感嘆の声をあげる他無かった。
「す、すごいのですゥ! 今度からリリベル様のことを軍神と呼んでいいですゥ!?」
「それは彼奴を倒した後ねっ! さあ、クルス。もう一度、あいつの顔面近くまで、わたしを運んでっ!」
「えっ!? それはちょっと御免こうむりたいですゥ……、うひィ! ぼくの子宝袋をそんなに強く掴んじゃダメですゥ!」
リリベル=ユーリィは言うことを聞こうとしないクルス=サンティーモを文字通り、手玉に取る行動へと移る。力の入れ加減ひとつで、クルス=サンティーモの大事な子宝玉を潰しても良いのよと? と言わんせしめる力を左手に込める。クルス=サンティーモはただでさえ、子宝袋が縮み上がっているというのに、さらに外部から力を入れられてしまい、腰砕けになってしまう。
「わたしはクルスの子宝玉がひとつくらい潰れても問題ないって思っちゃうの?」
「ひ、ひどいのですゥ。わ、わかりましたァ。でも、リリベル様でも本気で無茶だと感じたら、竿の方を握ってください……」
「子宝袋が行けで、竿が退けねっ。わかりやすいじゃないのっ!」
「うひぃ! 子宝袋は無理して突っ込めなのですゥ! 現時点で力いっぱい掴んじゃダメですゥ!」
クルス=サンティーモはリリベル=ユーリィにそう説明し、リリベル=ユーリィは言われてみればそうよね……と妙に納得してしまう。いじらずは通常運転、子宝袋で急発進、竿を握って急旋回と認識を改めることとする。この時点でクルス=サンティーモとリリベル=ユーリィは相互に意識のズレがあったと言わざるをえなかった。リリベル=ユーリィはあくまでも徹底抗戦をし続けるつもりであり、クルス=サンティーモはどちらかと言えば、すでに逃げ腰であった。
こればかりは組み合わせが悪いとしか言いようがない。しかしながら、リリベル=ユーリィはクルス=サンティーモのおかげで、大空を舞えているだけマシだったと言えよう。
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