【R18】俺は悪くねえ! ~愛しのお姫様が女騎士に変化しているのを知らずに後ろの穴を穿ってしまいました~

ももちく

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第23章:魔皇

第10話:自爆魔術連打のソフィア

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(エクレア姐さん。あちきはおちんこさんサイズに快感のコアが肥大化したら、とてもじゃないけど、正気を保てる気がしませんニャン)

(あたしも無理だと思うのです~~~。イキ狂いのリリベル様ならワンチャン、どうにかなりそうですけど~~~)

(無理。絶対に無理っ! 指で軽く摘ままれるだけで、失禁してるのよ、わたしだって! あの部分は刺激が強すぎて、おちんこさんサイズにされたら、イクじゃなくて『逝く』わよっ!!)

 リリベル=ユーリィたちはひそひそと小声で、快感のコアがおちんこさんサイズになったら、自分は耐えられるのか? と議論を交わすことになる。しかし、そんな女性陣に対して、魔皇がちらりとこちらに顔を向けてきて、右眼でウインクしてみせる。

(うぅ……。魔皇様の今のサインって、冗談に決まっているだろって意味に決まっていますニャン。あちきは魔皇様にもオモチャにされる薄幸の少女ですニャン)

(ちょっと、今のはイラっときましたのです~~~。レオン様を焚きつけて、魔皇様と喧嘩してもらうのです~~~)

(普段、温厚なわたしでも、さすがに今のはカチンときたわねっ。レオを魔皇の寝所に送りこみましょ!)

 レオナルト=ヴィッダーの後ろに控えるリリベル=ユーリィたちはレオナルト=ヴィッダーにどうにかやり返してほしいと小声で議論しつづける。その小声はレオナルト=ヴィッダーの耳にも届き、彼は右手で後頭部をボリボリと掻くことになる。

「ソフィア。魔皇様におちんこさんをつけてもらうことはやめておいてもらえ」

「ちょっと待ってください!? わたくしがいつ、おちんこさんを欲しいと言いました!?」

「いや、割と真剣に魔皇様の話を聞いてるじゃねえか……。魔皇様、ソフィアをからかうのはそこまでで止めてください」

「からかう!? わたくしは魔皇様にからかわれていたのですか!? 魔皇様はおちんこさんをわたくしにつけれないのですか!? わたくしを騙したのですか!?」

 ソフィア=グレイプが語気を強めて、魔皇を非難すればするほど、魔皇のニヤニヤ顔は止まらない。魔皇は舐めるようにソフィア=グレイプの足先から頭のてっぺんを見た後に、こう告げる。

「とりあえず、落ち着くのである。われは出来ぬと言ったわけではない。そなたには『欲望』と『覚悟』が足らぬのだ。男性経験のある女なら、快感のコアがおちんこさん形状になることがどれほどの快楽と苦痛を伴うかを知っているのである。未だに聖女おとめのお前では、それに耐えることは出来ないのである」

「わ、わたくしだって、自分で自分を慰めることくらい知っていますわっ! 男の手なぞで、そんなに違うのでしょうか!?」

 ソフィア=グレイプは魔皇の台詞を売り言葉だと思い、買って出る発言をしてしまうことになる。トーマス=ロコモーティブ団長が施した催眠術で、トーマス=ロコモーティブ団長のことを想いながら、自分自身を慰めた経験があるソフィア=グレイプである。それゆえに自分の手が、レオナルト殿に代わったところで、感じる快感の差など無いと思ってしまったのだ。

「ちょっと待って!? なんでわたくしはレオナルト殿に快楽のコアをいじり倒されることを想定してしまったの!? 今のは無しですっ!!」

 ソフィア=グレイプは盛大に自爆することになる。ソフィア=グレイプは自覚が足りなかった。トーマス=ロコモーティブ団長への想いを段々と上書きする男が存在することを失念していた。そして、つい、自分にそうした相手の指が自分の快楽のコアを触ってくれることを想定してまった。

「あのォ。ソフィア様って、意外と抜けていますねェ?」

「うん。わたしもそう思ったところよ」

「抜けてるキャラは、あたしの特権なんですけど~~~?」

「エクレア姐さんのは、演技ってバレバレなので、あまり効果は発揮できて無いと思いますニャン……」

 4人娘は初期のソフィア=グレイプの印象がガラリと変わっていくのを自覚するに至る。裏表の無さそうな人物だろうという印象はこれまで通りであるが、それが行き過ぎて、ポンコツ男装騎士だという烙印を彼女に押しそうになってしまう。

 そして、慌てふためく彼女はさらにそのポンコツ度合いを強めていく。

「レオナルト殿! わたくしを見ないでくださいっ! あなたの眼から、いやらしい視線を感じ取ってしまいますっ!」

「おいおい……。俺はソフィアにまだ指一本触れてないだろうが?」

「な、な、何をとぼけているのですかっ! 大浴場で、わたくしの何も知らない尻穴に指をつっこんだじゃないですかっ! あなたはわたくしをけがしておいて、知らぬ存ぜぬな態度に出るのですか!? 責任を取るという、男としての最低限の言動も出来ないのですか!?」

「なあ、リリベル……。俺はどうしたら良いんだ?」

 ソフィア=グレイプに下手にツッコミを入れると、その100倍近くの熱量で彼女は自爆魔術を唱えてしまう。ことの発端となった魔皇は終始、ニヤニヤとしぱなしであり、そんな彼を止めるべく動かなければならない教皇も微笑ましい表情である。

「いやはや、若いというのは羨ましいことじゃ。マロがレオナルト=ヴィッダー殿とソフィア=グレイプ殿の仲にお墨付きを与えても良いのじゃぞ?」

「そ、そ、それは教皇様がわたくしとレオナルト殿が夫婦だという証拠人になってくれると言うことなのですか!? ちょっと待ってほしいのです!! わたくしはまだレオナルト殿と接吻せっぷんもしたことも無い仲ですわよ!?」

 ソフィア=グレイプの暴走は止まることを知らなかった。彼女の頭の中は混乱の極地となっており、レオナルト=ヴィッダーとの交際だけでなく、その先のベッドの上での交わり。さらに、その行為の果てによって産まれる子供たち。さらには大家族となり、仲良く皆で食卓を囲むという家族計画が脳内を駆け巡ることになる。

 だが、そんな幸せな妄想の中で、ただひとつ、大きすぎる欠点があった。

「ダメですっ! レオナルト殿がまともな定職に就かず、口八丁手八丁で、わたくし以外の女性を手籠めにする姿が見えますっ!」

「ちょっと待てっ! てめえの妄想の中で、俺はどんな亭主になってやがるっ! ダメ男もダメ男すぎることになってないか!?」

「やめてくださいっ! 嫁であるわたくしに手をあげるつもりですか!? わたくしをレオナルト殿がマゾ豚と罵っても、子供たちには手をあげないでくださいっ!」

 ソフィア=グレイプは崩れ落ち、女性特有の座り方をしつつ、見えない自分の可愛い子供たちを護るかのような体勢を取り出す。さすがに妄想でも行き過ぎた行為であり、リリベル=ユーリィたちは訝し気な視線を魔皇とコッシロー=ネヅに飛ばす。

「おっと、リリベルたちにバレたのでッチュウ。魔皇よ、こいつらはソフィアみたいに間抜けじゃないでッチュウ」

「クッ。出来ることなら、コッシローとタッグを組んだ幻惑術で、他の者たちも巻き込んでやろうと思っていたのになっ!」

「あんたたち、良いかげんにしときなさいよ!? タイキックねっ!!」
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