吸血鬼な幼なじみと私

葛の葉

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プロローグ

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はるか昔、まだ吸血鬼と人間が争っていた時代に、秘密の恋をしていた吸血鬼の王子と人間の王女がいました。

ふたりは周りに敵対する種族と恋人であるという関係を隠して、わずかな逢瀬を楽しみ、幸せな時間ときを過ごしていました。

ある日、吸血鬼を憎んでいる人間の騎士にふたりは見つかってしまい、王子は捕らえられ、王女も幽閉されてしまいました。

ふたりは引き離されて会うことが出来ず、毎日悲しんで泣いていました。

そんなふたりが可哀想だと思った魔女が、魔法で王子と王女を知る者がいない森へと助け出し、王子と王女は魔女に感謝しながら幸せな一生を送りました。


吸血鬼と人間の王は子どもを失ったと思い、いっそう深く憎しみあいました。
しかし、王子と王女が幸せに過ごしている夢を見て、ふたりの仲を許さなかったことをお互い後悔し、何百年も争い続けることを止めて、互いに歩み寄ることを選び、ふたつの種族と国は一つの国を作って発展していき、良い関係を築くようになりました。



~吸血鬼と人間の建国神話~
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