13 / 85
13※
しおりを挟む
「はあああ?てめえ、何寝ぼけたこと言ってるんだ?キスしていいかぁ?何が取り敢えずだぁ?よくもそんな恥ずかしい台詞が言えたもんだな」
三十路の男に向かって、何を考えてるんだ、こいつ。
「いちいち、うるさいな。お前が緊張してるから、気を使ってやったんだろうが」
「俺は処女じゃねえ」
「じゃあ、するぞ。いいのか。本当にするぞ」
「お、おお。来い」
俺はぎゅっと瞼を閉じ、両方の拳を握って胸を逸らせた。ついでに息も止めた。
あれ?俺、何やってんだ?これって、来いってどんと構えるところか?もしかして対応間違えた?
などと急に冷静になった脳味噌は、重なった唇によってあっさりと煙幕が張られた。
「ん……」
重なったかと思えば、たちまち舌で唇の引き結びを割られる。自分の舌の上に火種を乗っけられたように熱い。火傷しそうにヒリヒリした感覚。痺れるようなそれに驚いて舌を引くと、やつが逃すまいと追いかけてきた。後頭部を掴まれ、引き寄せられる。絡み合い、ぴちゃぴちゃと音を立てる。逃げても逃げても追いかけてくる。とうとう俺は掴まった。諦めて相手の歯の裏を舐めてやると、相手の唇の端から熱っぽさが細い吐息となって漏れた。こいつ、一丁前に反応してやがる。色恋に手馴れているはずの日浦が、俺の繰り出すキスで陶酔していることに、何故か心が弾んだ。それじゃあ、次は粘膜を舐ってやる。どんな反応を示すのか。俺は新しい遊びを覚えた子供のように、夢中になっていた。
日浦の指先が、俺の項を頂点として、背骨の筋を辿って行く。下着のゴムを弾くと、その中へと直に滑り込んだ。さらに下へと進む。
微睡みの霧が晴れた。
骨が抉れたかと思うほどの軋み方。俺の拳は日浦の頬に見事にヒットを決めていた。
「て、てめえ。キスだけで終わるんじゃねえのか」
「誰もそんなこと言ってない」
「ふざけんな……うっ」
会心の一撃が通じない。そればかりか、報復だと言わんばかりにマットレスに背中を押しつけられ、脛に負荷が掛かる。組み敷かれ、動きを封じられた。
「どうせご無沙汰だろ。大人しく俺に任せとけよ。あっちゃん」
「その呼び方、やめろ」
「じゃあ、篤司」
耳朶噛んで囁くな。鳥肌が仙骨をぞぞっと揺すった。
三十六の今まで女が途切れたことがないと自慢しているやつだ。あっちの方も俺の経験を凌駕している。日浦の巧みな指遣いは、俺から拒絶をあっさり奪った。どたばたとベッドで取っ組み合いになりながらも、やつは俺の股間を直で握ると、虫が這うように撫でて擦って軽く弾いて、確実に官能を煽っていく。
「篤司。気持ち良い?」
「う……う……るせえ……」
「素直じゃないなあ」
現に握って確かめてんだから、聞かなくてもわかるだろうがよ。
ぱんぱんに腫れ上がった部分から、すっと手が滑って後ろの窄まりへと指が伸びる。風俗でいたした悪い遊びが脳裏を過った。まさか。俺の良過ぎる直感は、時として恨めしい。日浦の中指が後肛の襞をぐるりと撫で回した。
「ちょっ……俺はまだ……するって……言って……ねえ」
「往生際が悪いぞ。一緒に新世界に行こうじゃないか」
「て、てめえ……一人で……行っ……とけ……ぁあ」
「喘ぎながら言われても、説得力ないぞ」
三十路の男に向かって、何を考えてるんだ、こいつ。
「いちいち、うるさいな。お前が緊張してるから、気を使ってやったんだろうが」
「俺は処女じゃねえ」
「じゃあ、するぞ。いいのか。本当にするぞ」
「お、おお。来い」
俺はぎゅっと瞼を閉じ、両方の拳を握って胸を逸らせた。ついでに息も止めた。
あれ?俺、何やってんだ?これって、来いってどんと構えるところか?もしかして対応間違えた?
などと急に冷静になった脳味噌は、重なった唇によってあっさりと煙幕が張られた。
「ん……」
重なったかと思えば、たちまち舌で唇の引き結びを割られる。自分の舌の上に火種を乗っけられたように熱い。火傷しそうにヒリヒリした感覚。痺れるようなそれに驚いて舌を引くと、やつが逃すまいと追いかけてきた。後頭部を掴まれ、引き寄せられる。絡み合い、ぴちゃぴちゃと音を立てる。逃げても逃げても追いかけてくる。とうとう俺は掴まった。諦めて相手の歯の裏を舐めてやると、相手の唇の端から熱っぽさが細い吐息となって漏れた。こいつ、一丁前に反応してやがる。色恋に手馴れているはずの日浦が、俺の繰り出すキスで陶酔していることに、何故か心が弾んだ。それじゃあ、次は粘膜を舐ってやる。どんな反応を示すのか。俺は新しい遊びを覚えた子供のように、夢中になっていた。
日浦の指先が、俺の項を頂点として、背骨の筋を辿って行く。下着のゴムを弾くと、その中へと直に滑り込んだ。さらに下へと進む。
微睡みの霧が晴れた。
骨が抉れたかと思うほどの軋み方。俺の拳は日浦の頬に見事にヒットを決めていた。
「て、てめえ。キスだけで終わるんじゃねえのか」
「誰もそんなこと言ってない」
「ふざけんな……うっ」
会心の一撃が通じない。そればかりか、報復だと言わんばかりにマットレスに背中を押しつけられ、脛に負荷が掛かる。組み敷かれ、動きを封じられた。
「どうせご無沙汰だろ。大人しく俺に任せとけよ。あっちゃん」
「その呼び方、やめろ」
「じゃあ、篤司」
耳朶噛んで囁くな。鳥肌が仙骨をぞぞっと揺すった。
三十六の今まで女が途切れたことがないと自慢しているやつだ。あっちの方も俺の経験を凌駕している。日浦の巧みな指遣いは、俺から拒絶をあっさり奪った。どたばたとベッドで取っ組み合いになりながらも、やつは俺の股間を直で握ると、虫が這うように撫でて擦って軽く弾いて、確実に官能を煽っていく。
「篤司。気持ち良い?」
「う……う……るせえ……」
「素直じゃないなあ」
現に握って確かめてんだから、聞かなくてもわかるだろうがよ。
ぱんぱんに腫れ上がった部分から、すっと手が滑って後ろの窄まりへと指が伸びる。風俗でいたした悪い遊びが脳裏を過った。まさか。俺の良過ぎる直感は、時として恨めしい。日浦の中指が後肛の襞をぐるりと撫で回した。
「ちょっ……俺はまだ……するって……言って……ねえ」
「往生際が悪いぞ。一緒に新世界に行こうじゃないか」
「て、てめえ……一人で……行っ……とけ……ぁあ」
「喘ぎながら言われても、説得力ないぞ」
10
あなたにおすすめの小説
もう一度言って欲しいオレと思わず言ってしまったあいつの話する?
藍音
BL
ある日、親友の壮介はおれたちの友情をぶち壊すようなことを言い出したんだ。
なんで?どうして?
そんな二人の出会いから、二人の想いを綴るラブストーリーです。
片想い進行中の方、失恋経験のある方に是非読んでもらいたい、切ないお話です。
勇太と壮介の視点が交互に入れ替わりながら進みます。
お話の重複は可能な限り避けながら、ストーリーは進行していきます。
少しでもお楽しみいただけたら、嬉しいです。
(R4.11.3 全体に手を入れました)
【ちょこっとネタバレ】
番外編にて二人の想いが通じた後日譚を進行中。
BL大賞期間内に番外編も完結予定です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる