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一時は一酸化炭素中毒で本気で危なかった日浦だが、二週間の入院の末、退院して職員寮に戻ったときには、もういつものやつに戻っていた。
日浦の部屋はありきたりなワンルームで、中央にダブルベッドが置かれ、部屋の隅に箪笥が二棹並んでいる以外、何もない。ベッドシーツやカーテンといった類は、茶系で統一はされているものの、雑誌の特集にあるような洒落た内装を想像していた俺は、正直驚きを隠せなかった。これでは、単に寝るためだけの部屋だ。ラブホテルの方が、まだ生活感がある。
「よくも、そんな盛大に勘違い出来たもんだな」
ダブルベッドの上で、俺の態度が一変した理由を素直に述べて土下座すると、日浦は呆れて声を裏返らせた。
ひょいっと肩を竦めるそのわざとらしさに、カチンときた。
てめえの普段の行いのせいだろうがよ。この女ったらしが。衝動的に頬を張り倒したくなったが、我慢我慢。俺の早とちりのせいで、危うく日浦を失いかけたのは、間違いのない事実だ。
「本当にしょうがない男だな」
完全に上から目線だ。
むかっとこめかみに筋を浮かせたとき、腹に物凄い風圧を受けた。日浦が頭から飛び込んで来た。咄嗟の受け身は間に合わず、真後ろに引っ繰り返る。それでも日浦の手は離れない。ごろごろと四方に転がり回った。がっちりと固定され、密着がより強まる。皮膚の擦れ合う部分がじっとりと汗ばむ。その生々しさに、改めて、日浦が蝋人形ではなく生身の人間であることを肌で感じた。脳裏にこびりついた、火事場での記憶が遠退く。
男二人でも狭いベッドの上で、俺達は縺れるように抱きしめ合った。心臓の動く音を互いに確認し合うためだ。
日浦の頬はまだ腫れが引いていない。丁寧に言葉を選んで別れ話をしたおよそ五人の女性から、それぞれ報復として平手を食らった結果だ。ポンプ隊の瀬戸さんからの鉄槌が、抜きん出て凄まじかったとか。
俺は顎に生えた日浦の不精髭にそっと手を伸ばす。ざらざらした感触は久し振りだ。消防官で髭を生やしているやつは珍しい。かくいう俺も髭剃りは毎朝の習慣となっていた。理由は簡単。面体が巧く装着出来ないから。でないと、隙間から煙やガスが入り込み、命の危険があるからだ。
指の腹が受ける感触を楽しんでいると、日浦は何やら勘違いしたらしく、俺の唇に吸い付いてきた。
無事に生還したため、お預け撤回で、キス魔に変貌してやがる。髭が当たって痛いってば。
「笠置が噂で聞いたって。お前が人妻らしき女性とホテルに入っていくのを見たって」
これ以上のザリザリは勘弁。俺は顔を引いてキスから逃れると、そもそもの発端を口に出す。
火のないところに煙は立たぬ。さあ、言い訳するならしてみやがれ。
俺はやつの顎髭を摘まみながら、挑む目つきとなる。
それに対する日浦は、ああ、と気のない返事だ。
「それは姉ちゃんだ」
何ともあっさりした種明かし。
確かに日浦のお姉さんは最上階のバーで働いている。
いやいやいや、騙されるもんか。従業員なら、従業員通用口を使うだろうが。何で人の目に触れるところで馴れ馴れしくしてるんだ。
「俺が姉ちゃんを恐れてるのは、あっちもわかってるし。俺が引き返さないように、わざわざエントランスまで迎えに来たんだよ。あの人、家の反対押し切ってアメリカに渡っただろ。まず俺を手始めに自分の腕を披露したくて堪らないんだよ」
あの豪傑には敵わないよ。そう付け加えながら、再び日浦の唇が迫ってきた。寸でのところで俺は手を口と口の間に差し入れる。掌に当たる柔らかさ。
「美和子と随分親しそうにしてたじゃねえか」
「いつ?」
不満そうに日浦が唇を尖らせ、掌を避けて顔の角度を変えると、再度のキスを試みる。させるか。
「俺をお姉さんに紹介するって言った日だよ。回転扉の向こうで」
それに対しても、日浦はああ、と呑気に呟いた。
「そりゃあ、同僚の元奥さんだろ。何回か、顔は合わせてるし。無視する方がどうかしてるだろ」
尤もな言い分ではある。
そういえば、美和子は面食いだった。
授かり婚だとか仕出かしてしまった俺は例外として、いい男を見ると常にポーッと逆上せていたっけ。
「そ、そもそも、てめえがそんな女に甘ったるい顔しやがるから悪いんだ」
あと、婚約者がいながら、男前に現を抜かす美和子も。と、こっそりと付け加える。紛らわしいったらありゃしない。
「心外だな」
唇へのキスを諦めた日浦は、首筋に吸い付いてきた。くすぐったいってば。
「ちょっと、威嚇したんだよ。曲がりなりにも、恋人の元奥さんだろ」
「え?」
きょとん、とした。このフェミニストと威嚇という文字が結びつかない。
そんな俺の内心を見抜いた日浦は、照れ臭そうに頬を染め、続けた。
「だから、あっちゃんはもう俺のもんだって。宣言しといた」
こいつは。開いた口が塞がらない。
美和子にばれてんじゃねえか。
先手を打つ俺ってカッコいいとか何とか思っているであろう目の前の男に、憎悪さえ抱く。美和子にも春花にも、時期を見計らって説明する段取りだったのに。こいつ、台無しにしやがって。
「そんな目をするな。昔に戻ったみたいだ」
ヤクザでも逃げ出す威圧的な目を、日浦は真正面から捕らえ、逸らすどころか挑みにかかる。
「大黒谷の元締めか。巧く言ったもんだ」
ニタリ、と悪そうな笑みを浮かべ、言ってのけた。
まさか。十三年も前の話だぞ。俺はポカンと口を開けて、惜しみなく阿保面を晒してしまう。
「覚えてたのか?」
こっちは助けられた身分だから覚えているが、日浦は何百回と出動を繰り返し、何百人もの命を救ってきた。いちいち、そんな古い話を覚えていたなんて。
「当然だろ」
日浦は得意満面にふふんと笑う。
「まだ二十代の若くてカッコいい俺に向かって、『おっさん』だからな。あの頭真っ黄色のクソガキが、俺の部下で恋人だなんて……これは、もう」
一旦、言葉を区切った。
「……運命だな!」
うれしそうに弾んだ声が三オクターブほど上がったかと思えば、すでにその声の持ち主に組敷かれていた。俺の膝に体重が掛けられ、馬乗りになられる。脛に負荷が掛かり、動きを封じられた。明らかに日浦の目の色が変わっている。欲望でギラギラと輝くその双眸はまさしく凶悪そのもの、畏怖さえ感じる。
「ちょっ……待っ……」
「待たない」
「ま、まだ心の準備が」
「今更、必要ないだろ」
シャツの下から直に這い回す手は、緩慢に上へと伸び、仕舞に乳首を摘まんだ。こら、引っ張るな。捏ね繰り回すな。じわりと肌が汗ばむ。だんだん息が乱れていく。
「日浦!」
声を荒げると、渋々といったふうに動作が止んだ。
「じゃあさ、一つ質問に答えてよ」
熱い息を耳朶に吹き掛けるな。何でもない台詞なのに、低めた声音で妙にいやらしく聞こえる。
「俺のこと、いつから好きだったの?きっかけは?」
十三年前のあの日が蘇る。
「い、今更いいだろ。そんなこと」
「言ってよ」
「しつけーな」
絶対に言うつもりはなかった。悪さばっかりしてた俺の唯一の綺麗な思い出として、胸の奥に仕舞込んでおくつもりだったのに。
あまりにも日浦が真摯な眼差しを向けてきて、俺の心の鍵をビームで一瞬にして破壊したから、とてもじゃないが隠しておける事態ではなくなった。負けだ、負けだ。根負けした。真っ直ぐな目には勝てないよ。
「……事故で救助されたとき」
訥々と語り始めた俺に、日浦は黙って耳を傾ける。普段やかましい男が大人しくなるほど、やりにくいものはない。
「怒鳴られて、死んだ爺ちゃんが降臨したかと思った。それ以来、何かあんたのことが強烈に印象に残って」
日浦の目がこれでもかと見開く。
「爺ちゃん!降臨!」
優男がたちまち仁王様のような憤怒に豹変し、ヒステリックに復唱した。
「ひどいよ!あっちゃん!」
頸動脈に噛みつかれ、そのまま強く吸われる。ヒリヒリと痛い。皮膚を裂いて血液を啜られるかと錯覚するくらい、日浦は唇を離さない。吸血鬼なんてロマンチックなものじゃない。これはまさに蛭だ。人の生き血を吸う生命体。
俺の首筋に青痣が出来たのは確実な、たっぷりした時間の後、ようやく吸いついていた個体が離れた。
「確かに俺は年上だけど。爺ちゃんはないだろ、爺ちゃんは!」
突っ込むところは、そこかよ。
「うるせえな。だから例えだよ、例え」
「俺はこれでもまだ絶倫で通ってるんだよ。爺さんって何だよ。まだ枯れてないぞ、俺は」
「だから例えだって。しつけえな」
好きになるきっかけが、爺さんを彷彿させたということに、かなり憤慨している。
理由は何であれ、好きになっちまったもんはしょうがない。きっかけなんて、別に拘る必要なんてないとは思うんだが。
日浦は、そういう細かいところにいちいち重点を置く。
別に、爺ちゃんと日浦を重ね合わせて、好きだとか言っているんじゃない。
確かに爺ちゃんは好きだが、日浦への気持ちとは別物だ。っていうか、何で爺ちゃんに恋愛感情を抱くんだ。気色悪い。
やってられるか。俺は膝上を陣取るやつの体を押し退けると、すぐさまゴロンと寝返りを打ち、日浦に背を向けた。
日浦の部屋はありきたりなワンルームで、中央にダブルベッドが置かれ、部屋の隅に箪笥が二棹並んでいる以外、何もない。ベッドシーツやカーテンといった類は、茶系で統一はされているものの、雑誌の特集にあるような洒落た内装を想像していた俺は、正直驚きを隠せなかった。これでは、単に寝るためだけの部屋だ。ラブホテルの方が、まだ生活感がある。
「よくも、そんな盛大に勘違い出来たもんだな」
ダブルベッドの上で、俺の態度が一変した理由を素直に述べて土下座すると、日浦は呆れて声を裏返らせた。
ひょいっと肩を竦めるそのわざとらしさに、カチンときた。
てめえの普段の行いのせいだろうがよ。この女ったらしが。衝動的に頬を張り倒したくなったが、我慢我慢。俺の早とちりのせいで、危うく日浦を失いかけたのは、間違いのない事実だ。
「本当にしょうがない男だな」
完全に上から目線だ。
むかっとこめかみに筋を浮かせたとき、腹に物凄い風圧を受けた。日浦が頭から飛び込んで来た。咄嗟の受け身は間に合わず、真後ろに引っ繰り返る。それでも日浦の手は離れない。ごろごろと四方に転がり回った。がっちりと固定され、密着がより強まる。皮膚の擦れ合う部分がじっとりと汗ばむ。その生々しさに、改めて、日浦が蝋人形ではなく生身の人間であることを肌で感じた。脳裏にこびりついた、火事場での記憶が遠退く。
男二人でも狭いベッドの上で、俺達は縺れるように抱きしめ合った。心臓の動く音を互いに確認し合うためだ。
日浦の頬はまだ腫れが引いていない。丁寧に言葉を選んで別れ話をしたおよそ五人の女性から、それぞれ報復として平手を食らった結果だ。ポンプ隊の瀬戸さんからの鉄槌が、抜きん出て凄まじかったとか。
俺は顎に生えた日浦の不精髭にそっと手を伸ばす。ざらざらした感触は久し振りだ。消防官で髭を生やしているやつは珍しい。かくいう俺も髭剃りは毎朝の習慣となっていた。理由は簡単。面体が巧く装着出来ないから。でないと、隙間から煙やガスが入り込み、命の危険があるからだ。
指の腹が受ける感触を楽しんでいると、日浦は何やら勘違いしたらしく、俺の唇に吸い付いてきた。
無事に生還したため、お預け撤回で、キス魔に変貌してやがる。髭が当たって痛いってば。
「笠置が噂で聞いたって。お前が人妻らしき女性とホテルに入っていくのを見たって」
これ以上のザリザリは勘弁。俺は顔を引いてキスから逃れると、そもそもの発端を口に出す。
火のないところに煙は立たぬ。さあ、言い訳するならしてみやがれ。
俺はやつの顎髭を摘まみながら、挑む目つきとなる。
それに対する日浦は、ああ、と気のない返事だ。
「それは姉ちゃんだ」
何ともあっさりした種明かし。
確かに日浦のお姉さんは最上階のバーで働いている。
いやいやいや、騙されるもんか。従業員なら、従業員通用口を使うだろうが。何で人の目に触れるところで馴れ馴れしくしてるんだ。
「俺が姉ちゃんを恐れてるのは、あっちもわかってるし。俺が引き返さないように、わざわざエントランスまで迎えに来たんだよ。あの人、家の反対押し切ってアメリカに渡っただろ。まず俺を手始めに自分の腕を披露したくて堪らないんだよ」
あの豪傑には敵わないよ。そう付け加えながら、再び日浦の唇が迫ってきた。寸でのところで俺は手を口と口の間に差し入れる。掌に当たる柔らかさ。
「美和子と随分親しそうにしてたじゃねえか」
「いつ?」
不満そうに日浦が唇を尖らせ、掌を避けて顔の角度を変えると、再度のキスを試みる。させるか。
「俺をお姉さんに紹介するって言った日だよ。回転扉の向こうで」
それに対しても、日浦はああ、と呑気に呟いた。
「そりゃあ、同僚の元奥さんだろ。何回か、顔は合わせてるし。無視する方がどうかしてるだろ」
尤もな言い分ではある。
そういえば、美和子は面食いだった。
授かり婚だとか仕出かしてしまった俺は例外として、いい男を見ると常にポーッと逆上せていたっけ。
「そ、そもそも、てめえがそんな女に甘ったるい顔しやがるから悪いんだ」
あと、婚約者がいながら、男前に現を抜かす美和子も。と、こっそりと付け加える。紛らわしいったらありゃしない。
「心外だな」
唇へのキスを諦めた日浦は、首筋に吸い付いてきた。くすぐったいってば。
「ちょっと、威嚇したんだよ。曲がりなりにも、恋人の元奥さんだろ」
「え?」
きょとん、とした。このフェミニストと威嚇という文字が結びつかない。
そんな俺の内心を見抜いた日浦は、照れ臭そうに頬を染め、続けた。
「だから、あっちゃんはもう俺のもんだって。宣言しといた」
こいつは。開いた口が塞がらない。
美和子にばれてんじゃねえか。
先手を打つ俺ってカッコいいとか何とか思っているであろう目の前の男に、憎悪さえ抱く。美和子にも春花にも、時期を見計らって説明する段取りだったのに。こいつ、台無しにしやがって。
「そんな目をするな。昔に戻ったみたいだ」
ヤクザでも逃げ出す威圧的な目を、日浦は真正面から捕らえ、逸らすどころか挑みにかかる。
「大黒谷の元締めか。巧く言ったもんだ」
ニタリ、と悪そうな笑みを浮かべ、言ってのけた。
まさか。十三年も前の話だぞ。俺はポカンと口を開けて、惜しみなく阿保面を晒してしまう。
「覚えてたのか?」
こっちは助けられた身分だから覚えているが、日浦は何百回と出動を繰り返し、何百人もの命を救ってきた。いちいち、そんな古い話を覚えていたなんて。
「当然だろ」
日浦は得意満面にふふんと笑う。
「まだ二十代の若くてカッコいい俺に向かって、『おっさん』だからな。あの頭真っ黄色のクソガキが、俺の部下で恋人だなんて……これは、もう」
一旦、言葉を区切った。
「……運命だな!」
うれしそうに弾んだ声が三オクターブほど上がったかと思えば、すでにその声の持ち主に組敷かれていた。俺の膝に体重が掛けられ、馬乗りになられる。脛に負荷が掛かり、動きを封じられた。明らかに日浦の目の色が変わっている。欲望でギラギラと輝くその双眸はまさしく凶悪そのもの、畏怖さえ感じる。
「ちょっ……待っ……」
「待たない」
「ま、まだ心の準備が」
「今更、必要ないだろ」
シャツの下から直に這い回す手は、緩慢に上へと伸び、仕舞に乳首を摘まんだ。こら、引っ張るな。捏ね繰り回すな。じわりと肌が汗ばむ。だんだん息が乱れていく。
「日浦!」
声を荒げると、渋々といったふうに動作が止んだ。
「じゃあさ、一つ質問に答えてよ」
熱い息を耳朶に吹き掛けるな。何でもない台詞なのに、低めた声音で妙にいやらしく聞こえる。
「俺のこと、いつから好きだったの?きっかけは?」
十三年前のあの日が蘇る。
「い、今更いいだろ。そんなこと」
「言ってよ」
「しつけーな」
絶対に言うつもりはなかった。悪さばっかりしてた俺の唯一の綺麗な思い出として、胸の奥に仕舞込んでおくつもりだったのに。
あまりにも日浦が真摯な眼差しを向けてきて、俺の心の鍵をビームで一瞬にして破壊したから、とてもじゃないが隠しておける事態ではなくなった。負けだ、負けだ。根負けした。真っ直ぐな目には勝てないよ。
「……事故で救助されたとき」
訥々と語り始めた俺に、日浦は黙って耳を傾ける。普段やかましい男が大人しくなるほど、やりにくいものはない。
「怒鳴られて、死んだ爺ちゃんが降臨したかと思った。それ以来、何かあんたのことが強烈に印象に残って」
日浦の目がこれでもかと見開く。
「爺ちゃん!降臨!」
優男がたちまち仁王様のような憤怒に豹変し、ヒステリックに復唱した。
「ひどいよ!あっちゃん!」
頸動脈に噛みつかれ、そのまま強く吸われる。ヒリヒリと痛い。皮膚を裂いて血液を啜られるかと錯覚するくらい、日浦は唇を離さない。吸血鬼なんてロマンチックなものじゃない。これはまさに蛭だ。人の生き血を吸う生命体。
俺の首筋に青痣が出来たのは確実な、たっぷりした時間の後、ようやく吸いついていた個体が離れた。
「確かに俺は年上だけど。爺ちゃんはないだろ、爺ちゃんは!」
突っ込むところは、そこかよ。
「うるせえな。だから例えだよ、例え」
「俺はこれでもまだ絶倫で通ってるんだよ。爺さんって何だよ。まだ枯れてないぞ、俺は」
「だから例えだって。しつけえな」
好きになるきっかけが、爺さんを彷彿させたということに、かなり憤慨している。
理由は何であれ、好きになっちまったもんはしょうがない。きっかけなんて、別に拘る必要なんてないとは思うんだが。
日浦は、そういう細かいところにいちいち重点を置く。
別に、爺ちゃんと日浦を重ね合わせて、好きだとか言っているんじゃない。
確かに爺ちゃんは好きだが、日浦への気持ちとは別物だ。っていうか、何で爺ちゃんに恋愛感情を抱くんだ。気色悪い。
やってられるか。俺は膝上を陣取るやつの体を押し退けると、すぐさまゴロンと寝返りを打ち、日浦に背を向けた。
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