クトゥルフの雨

海豹ノファン

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喧華の罠

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ーーー喧華SIDE、ラマドン戦。

「私の出来心です!どうか許してください!!」

私はラマドンと戦っていたが到底敵わず、命乞いをした。

「うむ、それよりルルイエ皇帝がお前に話があるそうだ」

「私に?」

ルルイエ皇帝、名はデジェウス、彼は私に一体何の用があるんだろう…。まあ良いわ、長いものには巻かれよう、ラマドンに敗れた私はラマドンが入っていった光のホールに吸い込まれるように入っていった。

ラマドンに招かれた場所は海の中の都市を見たような風景だった。珊瑚から光が灯り、濃い緑の山がそびえ、高層の建物ではあるが何かの鉱石で出来たようなビル郡がそびえ建つ。

そして天上には地球にもあったような太陽なものも熱を帯びてルルイエを照らしていた。

それでいてルルイエの向こう側は暗闇の海の世界っぽいのが映っていた。

私は皇帝と対峙する。

長い銀髪にワイルドな感じの美形、逞しい身体をはだけた白い服。小麦色の肌、神話に出てくる戦の神のような男の人が私を睨んでいた。

ぐふふこれからデジェウスと言う皇帝は私の手を掴み、顔を私の前に近づけて『お前、俺のモノになれ』と囁いたりしそう。

そういった妄想を私は膨らませていたが見当違いだったようだ。

「インスマスの力を過信して乱暴狼藉をして来たのは貴様か?」

え?私何故こんな事言われてるの?

「な、何の事ですか?」

私はデジェウス皇帝にたずねる。

「今地上は混沌としている、その混沌が今ルルイエへも迫ってきておるのだ、私は確かにインスマスの素質あるものを集めてきた。しかし地上の混沌をここルルイエへも持ち込めとは一切言っていない!」

なぜか怒り心頭なデジェウス。
しかし私は正義の為に悪い奴をやっつけてきた。何も言われる覚えはない。それともこれは私がトバッチリを食らう的なものなのだろうか。だとすれば…。

「お待ちください!!」

私は近づいてくるデジェウス皇帝を止まらせる。

「なんじゃ?申してみよ!」

デジェウス皇帝は再び玉座に座る。

「この混沌は海溝潤実の仕業にございます!」

「誰じゃそのものは?」

デジェウス皇帝は聞く。
すぐ浮かんだ名前が飛んできたが何とか私がトバッチリを食らう確率は減ったようだ。

「はっ、奴こそ地上を脅かす疫病神でございます。彼女の力で不幸に陥れられた者多数…この江戸華喧華も被害者の一人でございます。彼女はトラテツという猫っぽい少年とサキュラという少女と一緒にいる女でございます」

デジェウスは顔色を変える。下手な芝居だったかしら?海溝潤実のせいにしとけば私は処罰を回避出来ると思ったのだけれど…。

「サキュラじゃと…!?」

ん?展開は予想外の方向に進みそうね、ま、良いわ。これで私の命が繋がれば…しかしデジェウス様はサキュラって小娘を知ってるようね。

「わかった、貴様には試してもらう!海溝潤実という女を倒し、その首を持って来るのだ!さすればお前を認めよう!」

デジェウス様は私に指を指し、指令を渡した。
海溝潤実か…あの小娘を倒すくらいなんて事ないわ、あのトラテツとサキュラてガキもショボいし、私が一捻りで潰してやろうじゃないの!

そして私はルルイエの地上に降りる。
しかし私は奴らの居場所を知らない、その為にアイツを呼ぶしかない。

私は新たに部下に加えた「アンドレ」というガキをスキル召喚《サモン》というスキルを使いアンドレを呼び寄せた。

トラテツSIDEーーー

このババア化け物とちゃうん?わいの稲妻が効かん…。

わいは喧華をひたすら睨む。喧華も睨み据える。
このまま睨み合いの状態で時間稼ぎ出来ればと思っていたが喧華が突っ込んできた。

「おおりゃーーー喧嘩百砲!!!」

無数の拳がわいめがけて飛んでくる。
ババババババババババババ!!!

わいはそれらを受け流し間合いに攻め込もうとした。しかし喧華は手の平にエネルギーを溜めていて、それが顔の前に飛んできたかと思えばわいの目の前に目が潰れるほどの光が襲ってきた。

「ぐわああああぁっ!!!」

わいはそのエネルギーに直接顔面やられ、後方に吹き飛ばされる

喧華の突き出した手の平から煙が沸き立つ。

「悪いわね、せっかくのハンサム台無しにしちゃったわ…」

わいは1回転して大地に着地する。ほなけど目の前に煙が沸いとってよう見えん…息が出来ん…このままじゃ戦闘に不利やわ…わいもここまでかもしれん…。

「トラテツッ!」

そんな時サキュラの声がした。
サキュラ来てくれたんか!?まさかサキュラが援軍に来てくれるとは思わんかった。

その途端喧華が目を見開く。

「アンドレっ!お前裏切ったのか!!」

あれ?もう一人おるん?

現れたのはなんと魔物だった。

「こうなる事だろうと思ってたわ、江戸華喧華、貴女刺客を放ってたのね」

サキュラは喧華を見据えこう放つ。その魔物は喧華を睨んでいた。

「アンドレ!貴方は騙されているのよ!こっちにいらっしゃい!」

喧華はアンドレに情を寄せるかのように言い聞かしだす。

「嘘だ!もうお前の口車になんか乗らない!」

魔物、いやアンドレと言う奴は怒気を露わに放った。

「ちいっ、このクソどもが…」

喧華の闇のオーラが激しさを増す。喧華の体にはパープル色の闘気が激しく燃える炎のように蠢き、筋肉質となり、ババアの顔がおっさんの顔になりだした。

「もう容赦はしねえ!裏切り者も含めて全員皆殺しにしてやる!」

喧華は180センチを超える長身となり、わいらを見下ろしてズンズンと歩み寄っていく。喧華の踏んだ大地はしっかりと足跡がつき、煙が沸き立った。その魔人のような姿に流石のわいもド肝抜かれる。

その瞬間、喧華の姿が消えた。しかしその後わいはものすごいスピードで喧嘩が小さくなっていくのが見える…いやわいは殴り飛ばされとる!?やがて大地に身体を打ちつけられる。

「私に刃向かう者は皆ああなるのよ!」

喧華はギロっとした目でサキュラ達を睨みつけていた。

江戸華喧華SIDEーーー

可哀想に、私を怒らせたばかりにあの子はぶっ飛ばされていったわ。もう確実に死んでいる事でしょう…そう思っていたがなんとトラテツは立ち上がり出した。

「何っ!?良くて全治半年くらいの傷は負っているはずなのに!!」

私はたまげた。あのガキどれだけ丈夫なの!?しかしよく見るとあのトラテツには黄色い光の膜《まく》が張られているのが見える。

「あれは白魔法のプロテクション!?」

コイツらの中で白魔法使える奴がいるの??私は白魔法を放っている奴を気配で探る。すると白い石がアンドレの首にかけられているのが見えた。

「アンドレ…お前!?」

「そう、これはお姉さんの魂だ!今の俺と姉さんは一心同体!そして姉さんのお前への恨みだ!!」

アンドレは怒声を放った。

「恨み!?一体私に何の恨みがあるの!?」

「しらばっくれるな!俺の姉さんの命を奪った奴はお前が放った刺客である事はもう見当がついてるんだ!!」

な、なんて事…こんな事まで知られるとは…しかし私は正義の為にしたまでのこと、何も恨まれる理由は無いわ!

「そのガキは私が悪を成敗している間に割り込んできて啖呵を切ってきたのよ!」

私は負けじと声を上げる。

しかしサキュラが変に増せたような態度で言い放つ。

「だからって小さい子を自分の手下に手を汚させてまで殺してしまうなんて度が過ぎているわ!」

私はそれこそ腹わたが煮えくり返る。遥か年下のガキにこんな事言われたら平静でいられるわけないじゃない!

「どいつもこいつも私の正義を否定しやがって!年下だから見逃そうと思ってたけどもう我慢できねえ!お前ら全員ブッ殺してやる!!」
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