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のぞのぞのサバイバル生活
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ーーー
「沢山採れましたー♪」
「じゃあ帰ってご飯にしましょうか♪」
一方のぞのぞはカガリと一生懸命オカズになりそうなのを採取していた(変な意味じゃないよ)
(電気は使えないしスマホは使えないし不便のぞが一応スローライフらしい事は出来てる出来てる………あんまり遠くに行ったら熊が出るから駄目と言われてるけど……)
その辺一帯は温暖であるものの熊が普通に出没する。
熊は縄張り意識が強く、人里と離れて森の中で過ごしているが人が一旦そのエリアに入ると餌を奪いに来たと感じ、襲ってしまうのである。
そして人の味を覚えた熊は癖になるらしく、また人を付け狙って人里に現れるらしい。
だからあまり遠くに行くなと知らないのぞのぞに金助はキツく言ったのだった。
のぞのぞは籠に山菜をいっぱい積んで帰宅する。
グツグツグツ…鍋で煮込む食欲をそそる音がまた溜まらない。
「へえー、希さんも苦労なされたんですねー」
『へん、空海さんなんかもっと苦労してるんだい!』
カガリ達はのぞのぞの過去の話を聞く。
ちょっと金助一言多い。
この一帯は畑は無数に作られているものの電気も通らずインフラも整っていない。
因みにのぞのぞのいた世界は電気で何でも動いていたみたいな話はしていない。
けど実際に連れて行ったらどんな反応するだろうとか想像しては楽しくなる自分がいた。
「……でもこうして過ごしていけてるのはみんなのおかげのぞよ……真奈ちゃん、まりりん、そしてりおりお君……」
のぞのぞは湯呑みに入った熱いお茶を眺めながらかつての友達や、自身を新しい生活に導いてくれた人達の事を思い浮かべた。
「……りなっしーさん、ノフィンさん、潤実さんは元気かな?」
カガリも愛おしそうな眼差しののぞのぞに「大切な人達だったんですね…」と囁いた。
(きっと私の事を心配しているに違いない……ここが何処なのかわからないけど…せめて手紙でも書いて無事だと伝えたいな……)
ーーーその頃。
「ノフィン…ぐすん…」
りなっしーはノフィンがいない事に落ち込んでいる。
「水竜さんにノフィンさんと希ちゃん探させているけど見つからないの……」
「そうか……強気なりなっしーさんがあんなだとこっちも気が滅入っちゃうよ…」
と潤実と葵。
ちょっと進むと「のぞのぞの部屋」と札がかけられたドアがあった。
「希ちゃん…もっと私がちゃんとしていたら…」
のぞのぞの部屋を目にした途端、潤実はうずくまり嗚咽をあげだした。
葵はただそんな潤実を見守っている事しか出来なかった。
ピンポーン!!!
その時インターホンが鳴った。
「はーいどなたって真奈ちゃん!?」
「お邪魔します、遊希《ゆうのぞみ》ちゃんはいますか?」
かつての友達、真奈が潤実に尋ねる。
「ごめんなさい、今留守にしているの」
潤実は平謝りした。
「それとこれこれ、希ちゃんが帰ってきたら渡してください、一体なんに使うかはわかりませんが…」
真奈は潤実にハサミを手渡した。
「う、うん帰って来たら渡しておくね…」
「では、上手くやるんだぞと伝えてください!」
こう言うと真奈は帰って行った。
「葵君…この場合、どうしたら良いのかな…?」
「わからない…でも、俺達は俺達で出来る限りの事をするしかないよ…」
アパートには物悲しい空気が流れた。
ーーー翌日
「今日も仕事仕事♪」
「明日には町に遊びに行きましょう♪」
のぞのぞとカガリは今日も仕事に勤しむ。
…。
バシャバシャバシャ…!!
金助は水遊びをしていた。
「ちょっと金助こんな所でバシャバシャさせないで!!」
「だって面白いんだもんっ!」
のぞのぞはそんな様子を見て(あーこれが本当のスローライフなんのぞね♪)
と清々しい気持ちになった。
しかしのぞのぞは気づいていなかった。
そのスローライフが無に帰される程の危機が今刻々と迫っている事に…。
暫く畑仕事をしているのぞのぞ達。
……とそんな時。
のぞのぞの上空に黒い影が覆う。
「…あれ?曇って来たのぞか?天気予報見れないからわからないのぞ…」
ついた泥を拭いのぞのぞは呟くがその奥で「キャーーッ!!」と少女の悲鳴が聞こえた。
「今の声は…!」
『助けてくれぇ!!』
奥から金助がこちらに向かってやって来た。
「どうしたの!?」
『カガリさんが拐われちまった!!』
「なんですって!?」
カガリがいたとされる所まで駆けると、籠が落ちていて中に積まれた山菜が散乱していた。
『カガリさんが拐われちまった……空海さんがいれば……』
金助は鳴き崩れる。
「大丈夫よ、カガリちゃんは私が助けてみせるわ!」
のぞのぞは気丈に励まし金助に優しく触れようとするが金助はそれを払い除け、そして吼えた。
『アンタみたいな弱そうな女の子に何が出来るんだよ!!』
(弱そうな女の子…そうね…確かに私は弱い…でも真奈ちゃんと約束したんだ、強くなるって!)
のぞのぞは一瞬顔が曇るが持ち直して気丈に微笑みかけた。
「大丈夫!私に任せて!」
こう言いのぞのぞはカガリの家に戻っていく。
『何するつもりなんだろう?』
金助は思いのぞのぞについて行った。
カガリの家にもハサミのような器具はあった。でものぞのぞに使えるとは限らない。
「あれ…?」
『何がしたいの?』
それはハサミと言っても剪定《せんてい》ハサミだった。
(普通の図工かなんかで使うハサミでないと使えないのぞ!!!)
のぞのぞはパニックに陥る。
金助ははぁーっとため息をついた。
「大丈夫!カガリちゃんは絶対助けるから!」
『とりあえず熱意だけはあるって事は認めるよ』
必死になるのぞのぞに金助はそうあしらった。
その時カガリの家の中に異形の生物が上がり込んできた。
「キシャーーー!!!」
(これは…あの時と被るのぞ!!)
そう、ノフィンの失態で辺りが巨大化してしまった事による。
しかし目の前の存在は巨大になった昆虫や植物とはまた違う種類の存在のようだ。
『出たな物怪《もののけ》!これでも喰らえ!!』
金助は物怪に木の葉乱舞を浴びせる。
しかしこれでは相手に大したダメージは与えられない。
のぞのぞは固まっているままだったが真奈の言葉を思い出し「何か出来ないか何か出来ないか何か出来ないか……!」と祈りまくった。
そしてその時、真奈ののぞのぞに買ってあげたハサミが輝きだす。
「え?」
「一体何が…?」
蹲《うずくま》り泣き崩れる潤実を見守っていた葵だったが突然ハサミが眩い光を放ったのに気を奪われる。
そしてそれはピシュンッ!と音を立ててその場から消えてしまったのだ。
「一体何が起こったの?」
「…さあ…」
潤実と葵は今の状況に茫然自失とした。
「沢山採れましたー♪」
「じゃあ帰ってご飯にしましょうか♪」
一方のぞのぞはカガリと一生懸命オカズになりそうなのを採取していた(変な意味じゃないよ)
(電気は使えないしスマホは使えないし不便のぞが一応スローライフらしい事は出来てる出来てる………あんまり遠くに行ったら熊が出るから駄目と言われてるけど……)
その辺一帯は温暖であるものの熊が普通に出没する。
熊は縄張り意識が強く、人里と離れて森の中で過ごしているが人が一旦そのエリアに入ると餌を奪いに来たと感じ、襲ってしまうのである。
そして人の味を覚えた熊は癖になるらしく、また人を付け狙って人里に現れるらしい。
だからあまり遠くに行くなと知らないのぞのぞに金助はキツく言ったのだった。
のぞのぞは籠に山菜をいっぱい積んで帰宅する。
グツグツグツ…鍋で煮込む食欲をそそる音がまた溜まらない。
「へえー、希さんも苦労なされたんですねー」
『へん、空海さんなんかもっと苦労してるんだい!』
カガリ達はのぞのぞの過去の話を聞く。
ちょっと金助一言多い。
この一帯は畑は無数に作られているものの電気も通らずインフラも整っていない。
因みにのぞのぞのいた世界は電気で何でも動いていたみたいな話はしていない。
けど実際に連れて行ったらどんな反応するだろうとか想像しては楽しくなる自分がいた。
「……でもこうして過ごしていけてるのはみんなのおかげのぞよ……真奈ちゃん、まりりん、そしてりおりお君……」
のぞのぞは湯呑みに入った熱いお茶を眺めながらかつての友達や、自身を新しい生活に導いてくれた人達の事を思い浮かべた。
「……りなっしーさん、ノフィンさん、潤実さんは元気かな?」
カガリも愛おしそうな眼差しののぞのぞに「大切な人達だったんですね…」と囁いた。
(きっと私の事を心配しているに違いない……ここが何処なのかわからないけど…せめて手紙でも書いて無事だと伝えたいな……)
ーーーその頃。
「ノフィン…ぐすん…」
りなっしーはノフィンがいない事に落ち込んでいる。
「水竜さんにノフィンさんと希ちゃん探させているけど見つからないの……」
「そうか……強気なりなっしーさんがあんなだとこっちも気が滅入っちゃうよ…」
と潤実と葵。
ちょっと進むと「のぞのぞの部屋」と札がかけられたドアがあった。
「希ちゃん…もっと私がちゃんとしていたら…」
のぞのぞの部屋を目にした途端、潤実はうずくまり嗚咽をあげだした。
葵はただそんな潤実を見守っている事しか出来なかった。
ピンポーン!!!
その時インターホンが鳴った。
「はーいどなたって真奈ちゃん!?」
「お邪魔します、遊希《ゆうのぞみ》ちゃんはいますか?」
かつての友達、真奈が潤実に尋ねる。
「ごめんなさい、今留守にしているの」
潤実は平謝りした。
「それとこれこれ、希ちゃんが帰ってきたら渡してください、一体なんに使うかはわかりませんが…」
真奈は潤実にハサミを手渡した。
「う、うん帰って来たら渡しておくね…」
「では、上手くやるんだぞと伝えてください!」
こう言うと真奈は帰って行った。
「葵君…この場合、どうしたら良いのかな…?」
「わからない…でも、俺達は俺達で出来る限りの事をするしかないよ…」
アパートには物悲しい空気が流れた。
ーーー翌日
「今日も仕事仕事♪」
「明日には町に遊びに行きましょう♪」
のぞのぞとカガリは今日も仕事に勤しむ。
…。
バシャバシャバシャ…!!
金助は水遊びをしていた。
「ちょっと金助こんな所でバシャバシャさせないで!!」
「だって面白いんだもんっ!」
のぞのぞはそんな様子を見て(あーこれが本当のスローライフなんのぞね♪)
と清々しい気持ちになった。
しかしのぞのぞは気づいていなかった。
そのスローライフが無に帰される程の危機が今刻々と迫っている事に…。
暫く畑仕事をしているのぞのぞ達。
……とそんな時。
のぞのぞの上空に黒い影が覆う。
「…あれ?曇って来たのぞか?天気予報見れないからわからないのぞ…」
ついた泥を拭いのぞのぞは呟くがその奥で「キャーーッ!!」と少女の悲鳴が聞こえた。
「今の声は…!」
『助けてくれぇ!!』
奥から金助がこちらに向かってやって来た。
「どうしたの!?」
『カガリさんが拐われちまった!!』
「なんですって!?」
カガリがいたとされる所まで駆けると、籠が落ちていて中に積まれた山菜が散乱していた。
『カガリさんが拐われちまった……空海さんがいれば……』
金助は鳴き崩れる。
「大丈夫よ、カガリちゃんは私が助けてみせるわ!」
のぞのぞは気丈に励まし金助に優しく触れようとするが金助はそれを払い除け、そして吼えた。
『アンタみたいな弱そうな女の子に何が出来るんだよ!!』
(弱そうな女の子…そうね…確かに私は弱い…でも真奈ちゃんと約束したんだ、強くなるって!)
のぞのぞは一瞬顔が曇るが持ち直して気丈に微笑みかけた。
「大丈夫!私に任せて!」
こう言いのぞのぞはカガリの家に戻っていく。
『何するつもりなんだろう?』
金助は思いのぞのぞについて行った。
カガリの家にもハサミのような器具はあった。でものぞのぞに使えるとは限らない。
「あれ…?」
『何がしたいの?』
それはハサミと言っても剪定《せんてい》ハサミだった。
(普通の図工かなんかで使うハサミでないと使えないのぞ!!!)
のぞのぞはパニックに陥る。
金助ははぁーっとため息をついた。
「大丈夫!カガリちゃんは絶対助けるから!」
『とりあえず熱意だけはあるって事は認めるよ』
必死になるのぞのぞに金助はそうあしらった。
その時カガリの家の中に異形の生物が上がり込んできた。
「キシャーーー!!!」
(これは…あの時と被るのぞ!!)
そう、ノフィンの失態で辺りが巨大化してしまった事による。
しかし目の前の存在は巨大になった昆虫や植物とはまた違う種類の存在のようだ。
『出たな物怪《もののけ》!これでも喰らえ!!』
金助は物怪に木の葉乱舞を浴びせる。
しかしこれでは相手に大したダメージは与えられない。
のぞのぞは固まっているままだったが真奈の言葉を思い出し「何か出来ないか何か出来ないか何か出来ないか……!」と祈りまくった。
そしてその時、真奈ののぞのぞに買ってあげたハサミが輝きだす。
「え?」
「一体何が…?」
蹲《うずくま》り泣き崩れる潤実を見守っていた葵だったが突然ハサミが眩い光を放ったのに気を奪われる。
そしてそれはピシュンッ!と音を立ててその場から消えてしまったのだ。
「一体何が起こったの?」
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潤実と葵は今の状況に茫然自失とした。
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