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第120話「少年は新たな仲間と出会う」
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「ば、ばぶぅ……」
隣で後金が、引きつった笑みでよちよち歩いていく。
目の前では木梨さんが両手を広げ、俺を待っていた。
「ほ、ほら、おいで~……マ、ママでちゅよぉ~」
震える木梨さんの声、対照的に、下田先生は溌溂とした声を上げる。
「さぁ、嵐山くん! 君も存分に甘えなさい!」
一同の視線を集める嵐山は、小さく口を開き……。
「ば…ば…」
……なんでだっけ?
なんで、こうなったんだっけ?
六月五日(日)十時十四分 真希老獪人間心理専門学校・一年教室
「神室、昨日何で抜いた?」
「足コキ特化AⅤ。後金は?」
「中学の同級生、マユコちゃんの太ももコキ妄想。」
「ふーん。」
後金との不毛な会話に終焉を告げるように授業開始のチャイムが鳴った。
「さぁ諸君! 席に着きたまへ!」
もうみんな座ってますよ。
勢いよく教室へ駆け込んできたのは下田先生……と、女の子?
一人の少女が先生の後を静かに付いて歩いていた。
恐らく同い年。背は俺より低そうだが、それでも子供らしさを一切感じないのは理知的な印象を受けるからだろう。
赤縁の眼鏡がよく映えている。
電灯の光を暗く薄い緑色に反射させるショートヘア。白い半袖シャツに、青いデニムスカートとその下に黒いレギンスを履いている。
そばかすを携えた頬の上に連なる二つの瞳からは、どうしてだろう……酷く冷めた温度を感じる。
……誰?
「我が愛すべき生徒諸君よ!」
先生は相も変わらずテンションだけの勢い任せで教卓を思いっきり叩く。
「今日は君たちに朗報がある!」
「イリエっちのことですか?」
頭の後ろで手を組んだ木梨さんが謎の少女に視線を向ける。
「え?」
糸目のまま、先生もその視線の先に顔を向け、
「うおっとぉ‼ アンナカさん、いつの間に入ってきてたの⁉」
オーバーリアクション気味に両手を広げて驚く先生。
わざとなのか判別できないところがこの人の凄いところだ。
てか、気付けよ。
「駄目じゃないかー。折角のサプライズなのに」
「そういうのいらないんで、もう席に着いていいですか?」
やはり冷たい印象を受ける両の目で、先生を見据える少女——アンナカ イリエさん(イリエ アンナカじゃ変だよな?)。
「まぁそう言わずにさー。初めて会う人もいるんだし、自己紹介でも…って、もう歩いてっちゃったよ……」
先生の話を聞きもせずただ流して、アンナカさんは俺の左前、嵐山の正面の席まで歩いてきた。
ふと、冷たい眼差しと目が合う。
「は、はじめま」
「あなたが噂の神室くんね。」
俺の挨拶を遮って、アンナカさんが切り出す。
声に抑揚がなさすぎる! この人怖いっ!
「噂……?」
嫌な予感がする。
「窒息プレイで陰茎を反り立たせてビニールを突き破ったって聞いたわ。」
「早速いらんこと吹き込んだの誰だ⁉」
あ、先生がそっぽ向いて口笛吹き始めた! わかりやすっ!
つーか、そうなるように仕向けたのあんただろ!
話盛って面白おかしく言いふらすな!
「大層な趣味をお持ちなのね。」
皮肉ってきた!
アンナカさんは言いたい放題言うと、よろしくもなにも無くそのまま席に座ってしまった。
……なんか嵐山と同じ匂いがするぞ、この子。
「まぁ、そんなわけで今日からアンナカさんが復学することになったから、みんな、よろしくねー。」
「そんなわけ」で片付けるな!
「じゃあ早速授業に入ろっかー。」
授業に入るな!
おい、こっち見ろ!
隣で後金が、引きつった笑みでよちよち歩いていく。
目の前では木梨さんが両手を広げ、俺を待っていた。
「ほ、ほら、おいで~……マ、ママでちゅよぉ~」
震える木梨さんの声、対照的に、下田先生は溌溂とした声を上げる。
「さぁ、嵐山くん! 君も存分に甘えなさい!」
一同の視線を集める嵐山は、小さく口を開き……。
「ば…ば…」
……なんでだっけ?
なんで、こうなったんだっけ?
六月五日(日)十時十四分 真希老獪人間心理専門学校・一年教室
「神室、昨日何で抜いた?」
「足コキ特化AⅤ。後金は?」
「中学の同級生、マユコちゃんの太ももコキ妄想。」
「ふーん。」
後金との不毛な会話に終焉を告げるように授業開始のチャイムが鳴った。
「さぁ諸君! 席に着きたまへ!」
もうみんな座ってますよ。
勢いよく教室へ駆け込んできたのは下田先生……と、女の子?
一人の少女が先生の後を静かに付いて歩いていた。
恐らく同い年。背は俺より低そうだが、それでも子供らしさを一切感じないのは理知的な印象を受けるからだろう。
赤縁の眼鏡がよく映えている。
電灯の光を暗く薄い緑色に反射させるショートヘア。白い半袖シャツに、青いデニムスカートとその下に黒いレギンスを履いている。
そばかすを携えた頬の上に連なる二つの瞳からは、どうしてだろう……酷く冷めた温度を感じる。
……誰?
「我が愛すべき生徒諸君よ!」
先生は相も変わらずテンションだけの勢い任せで教卓を思いっきり叩く。
「今日は君たちに朗報がある!」
「イリエっちのことですか?」
頭の後ろで手を組んだ木梨さんが謎の少女に視線を向ける。
「え?」
糸目のまま、先生もその視線の先に顔を向け、
「うおっとぉ‼ アンナカさん、いつの間に入ってきてたの⁉」
オーバーリアクション気味に両手を広げて驚く先生。
わざとなのか判別できないところがこの人の凄いところだ。
てか、気付けよ。
「駄目じゃないかー。折角のサプライズなのに」
「そういうのいらないんで、もう席に着いていいですか?」
やはり冷たい印象を受ける両の目で、先生を見据える少女——アンナカ イリエさん(イリエ アンナカじゃ変だよな?)。
「まぁそう言わずにさー。初めて会う人もいるんだし、自己紹介でも…って、もう歩いてっちゃったよ……」
先生の話を聞きもせずただ流して、アンナカさんは俺の左前、嵐山の正面の席まで歩いてきた。
ふと、冷たい眼差しと目が合う。
「は、はじめま」
「あなたが噂の神室くんね。」
俺の挨拶を遮って、アンナカさんが切り出す。
声に抑揚がなさすぎる! この人怖いっ!
「噂……?」
嫌な予感がする。
「窒息プレイで陰茎を反り立たせてビニールを突き破ったって聞いたわ。」
「早速いらんこと吹き込んだの誰だ⁉」
あ、先生がそっぽ向いて口笛吹き始めた! わかりやすっ!
つーか、そうなるように仕向けたのあんただろ!
話盛って面白おかしく言いふらすな!
「大層な趣味をお持ちなのね。」
皮肉ってきた!
アンナカさんは言いたい放題言うと、よろしくもなにも無くそのまま席に座ってしまった。
……なんか嵐山と同じ匂いがするぞ、この子。
「まぁ、そんなわけで今日からアンナカさんが復学することになったから、みんな、よろしくねー。」
「そんなわけ」で片付けるな!
「じゃあ早速授業に入ろっかー。」
授業に入るな!
おい、こっち見ろ!
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