250 / 357
潜みし脅威
再び停止する魔獣
しおりを挟む
通常、頭部がなくなった生物は絶命するだろう。
しかし今、眼前に倒れている化け物は違うのだ。
こいつは全宇宙と言う気の遠くなるような規模で破壊と殺戮を撒き散らす魔獣や超獣どもの一角なのだから。
ゆえに超合金で作り上げられた戦人は、ゆっくりと警戒しながら頭部が粉砕されたゴドルザーに近寄った。
推進装置を搭載した鉄拳の一撃は相当なものであったのだろう、周囲には魔獣の体液だけでなく肉片や骨片や脳髄が散らばっている。
「グオォン」
シキシマは倒れてピクリとも動かないゴドルザーを見下ろした。
頭の中枢器官は粉微塵になった、しかしこの暴獣の体内にある無数の中枢は今だに健在。
とても完全に死んだとは断言できない。
それを確認するべく、シキシマは機体に備わる各種センサーを作動させた。
そして、やはり反応があった。微弱ではあるが生命反応が残っている。
「おーい! 死んだのか?」
そう声が響いた方へとシキシマは視線を向けると、魔導士の少女を抱きかかえて駆け寄ってくるオボロの姿があった。
「うわぁ……きたねぇなぁ」
倒れたゴドルザーに近寄るとオボロは不愉快そうに表情をしかめる。
頭のなくなった魔獣の胴体から流れ出ている体液のせいで、広い範囲が泥沼のようになっているのだ。
一歩一歩踏み出す度にグチャグチャと不快な水音がなり、魔獣の体液をたんまりと吸った泥が体に媚りついてきた。
「……うぅ」
その場景にはミアナも堪らず小さな声をあげる。
辺りには血濡れの骨や脳の残骸と思われるものが落ちていた。
オボロは歩み緩めて、ゴドルザーを見上げる。
倒れているとは言え、その大きさは圧倒的であった。
そして頭部があった方へ回り込んだ。
首の断面は引きちぎられたかの用にささくれており、動脈とおぼしき管からは大量の赤黒い液体がこぼれ落ちている。
よく見ると頚椎と食道らしきものも見てとれた。
白い頚椎の断面からは無数のミミズのような神経繊維が垂れ下がっており、食道の奥の方は真っ暗で何も見えない。
(……食道の先が気になるのか?)
と、いきなり頭の中に言葉が浮かび上がる。あの男からだった。
「な! なんなの、声が……いえ、言葉が?」
どうやらミアナの頭の中にも言葉が響いたらしく、彼女は驚愕してオボロの腕の中でビクッと体を弾ませた。
(恐らく先にあるのは胃袋じゃない。口から摂取した補助活動源となる放射性物質を純化して貯蔵する臓器と、光線を発生させる器官があるだろうな。まあ食道と言うよりかは、ある種の砲身とも言えるだろう。内壁から電磁放射線を収束させる特殊な力場を発生させて……)
「オレが知りてぇのは、そう言うことじゃねぇ」
そう言ってオボロは、男の小難しい考察を遮った。
今、重要なのはそこではないのだ。それに科学的な話しなどされても理解できない。
(……ああ、すまん。かなり弱いが今だに生命反応がある。頭を吹っ飛ばされたぐらいでは、死なないようだな)
聞いてオボロは顔を歪めた。
「……こいつは、不死身か?」
星外魔獣との戦いは幾度か経験し、そして勝利してきた。
どのような個体も重要な器官を破壊さえしてしまえば絶命していたはずだ。
なのに、なぜこのゴドルザーは死なないのか?
そのあまりにも異常な生命力にオボロは嫌気を覚える。
(言っただろ、こいつの中枢は体の至るところにあると。その全部を潰さなくては、こいつはくたばりはしないはずだ。恐らく多大なダメージを受けて、また活動停止に至ったたけだ。完全に回復すれば再び暴れだすだろうな)
男の落ち着いたような口調が返ってきた。
(大型の魔獣や超獣は、いままでの小型な個体とは格が違いすぎる。俺も分析してはいるが、今だに大型魔獣や超獣については情報が少ない。攻撃力、耐久力、生命力、移動力、特性も個体によって大きな差があるだろうな。……いずれにせよ、こいつらを放置しとけば間違いなくあらゆる生命が死滅する。それは超常存在とて、例外ではないかもしれん)
あらゆる生命の死滅。その言葉がオボロにのし掛かる。
戦い続けてきて色々とは自覚していたつもりではいたが……。
国家や種族の問題に関わらないためにも傭兵を辞め、そしてニオンと一緒に星外魔獣を専門とする存在として石カブトを創設した。
石カブトを結成した当初は、魔獣からの領地防衛と都市発展のための派遣労働を概要とした万屋を思い浮かべていた。
……しかし、戦いが激化することで徐々に気づき始めていたのだ。
もはや領地の守りや国家存亡、惑星滅亡どころではない領域に踏み込んでいるのではないかと。
――ゴゴゴオォォォ!!
と思いに浸っていると、邪魔するがごとく上空から轟音が響きわたった。
「な、なんだ!」
見上げたオボロの視界にあったのは、縦長の飛翔する構造物であった。それも二機。
その全長は約七十メートル程にもなり、銀色の外装に覆われ、後部には巡航用の大型推進器、それと姿勢制御用の小型推進器が機体各所に備わっている。
そして、その各所に備わる推進器からプラズマを噴射しながらゆっくりと降下してきた。
(ひとまず、ゴドルザーの体は俺達が回収する)
男の言葉がオボロとミアナの頭の中に響くと、シキシマがゴドルザーから離れていく。
これから何かの作業をするようであった。
「これまた、わけの分からねぇもんが出てきたものだ」
呆れたようにオボロは呟く。
空飛ぶ巨大な揚陸艇など現状の技術で作るのは不可能だ。
また何か、とんでもないテクノロジーが用いられてるのは言わずもがなであろう。
「……な、えっ」
ミアナに至っては、もはや何が起きてるのかすらも分からないのだろう。ただただ、つぶらな瞳をパチパチさせるだけであった。
二機の揚陸艇は地表から数十メートルの高さで空中停止し、ゴドルザーを挟みこむような位置につく。
そして機体のハッチが開き、そこからワイヤーらしきものが垂れ下がる。
そのワイヤーを使っていくつもの人影が懸垂下降で大地に降り立つ。
彼等が地面に着地するたび、体液で緩んだ泥がはね上がった。
そして、その中の三人組がオボロ達に近寄ってきた。
「……お前ら、何もんだ?」
オボロが驚きながら、そう言ってしまうのは仕方のないことであった。
その三人は今まで見たこともない容姿をしているのだから。
真ん中に立つ男は、体こそ人の用ではあるが頭は蜥蜴のごとき爬虫類。
左の小柄な女性は、頭髪も皮膚も真っ白で頭部から昆虫のような触覚がはえている。
そして右にいるのは、丸々とした愛嬌がある双眸を持った体長一メートル程の頭足類のような生き物であった。
(魔獣や超獣どもによって母星を滅ぼされた者達の生き残り達だ。お前から見れば、異星人といえるな)
しかし今、眼前に倒れている化け物は違うのだ。
こいつは全宇宙と言う気の遠くなるような規模で破壊と殺戮を撒き散らす魔獣や超獣どもの一角なのだから。
ゆえに超合金で作り上げられた戦人は、ゆっくりと警戒しながら頭部が粉砕されたゴドルザーに近寄った。
推進装置を搭載した鉄拳の一撃は相当なものであったのだろう、周囲には魔獣の体液だけでなく肉片や骨片や脳髄が散らばっている。
「グオォン」
シキシマは倒れてピクリとも動かないゴドルザーを見下ろした。
頭の中枢器官は粉微塵になった、しかしこの暴獣の体内にある無数の中枢は今だに健在。
とても完全に死んだとは断言できない。
それを確認するべく、シキシマは機体に備わる各種センサーを作動させた。
そして、やはり反応があった。微弱ではあるが生命反応が残っている。
「おーい! 死んだのか?」
そう声が響いた方へとシキシマは視線を向けると、魔導士の少女を抱きかかえて駆け寄ってくるオボロの姿があった。
「うわぁ……きたねぇなぁ」
倒れたゴドルザーに近寄るとオボロは不愉快そうに表情をしかめる。
頭のなくなった魔獣の胴体から流れ出ている体液のせいで、広い範囲が泥沼のようになっているのだ。
一歩一歩踏み出す度にグチャグチャと不快な水音がなり、魔獣の体液をたんまりと吸った泥が体に媚りついてきた。
「……うぅ」
その場景にはミアナも堪らず小さな声をあげる。
辺りには血濡れの骨や脳の残骸と思われるものが落ちていた。
オボロは歩み緩めて、ゴドルザーを見上げる。
倒れているとは言え、その大きさは圧倒的であった。
そして頭部があった方へ回り込んだ。
首の断面は引きちぎられたかの用にささくれており、動脈とおぼしき管からは大量の赤黒い液体がこぼれ落ちている。
よく見ると頚椎と食道らしきものも見てとれた。
白い頚椎の断面からは無数のミミズのような神経繊維が垂れ下がっており、食道の奥の方は真っ暗で何も見えない。
(……食道の先が気になるのか?)
と、いきなり頭の中に言葉が浮かび上がる。あの男からだった。
「な! なんなの、声が……いえ、言葉が?」
どうやらミアナの頭の中にも言葉が響いたらしく、彼女は驚愕してオボロの腕の中でビクッと体を弾ませた。
(恐らく先にあるのは胃袋じゃない。口から摂取した補助活動源となる放射性物質を純化して貯蔵する臓器と、光線を発生させる器官があるだろうな。まあ食道と言うよりかは、ある種の砲身とも言えるだろう。内壁から電磁放射線を収束させる特殊な力場を発生させて……)
「オレが知りてぇのは、そう言うことじゃねぇ」
そう言ってオボロは、男の小難しい考察を遮った。
今、重要なのはそこではないのだ。それに科学的な話しなどされても理解できない。
(……ああ、すまん。かなり弱いが今だに生命反応がある。頭を吹っ飛ばされたぐらいでは、死なないようだな)
聞いてオボロは顔を歪めた。
「……こいつは、不死身か?」
星外魔獣との戦いは幾度か経験し、そして勝利してきた。
どのような個体も重要な器官を破壊さえしてしまえば絶命していたはずだ。
なのに、なぜこのゴドルザーは死なないのか?
そのあまりにも異常な生命力にオボロは嫌気を覚える。
(言っただろ、こいつの中枢は体の至るところにあると。その全部を潰さなくては、こいつはくたばりはしないはずだ。恐らく多大なダメージを受けて、また活動停止に至ったたけだ。完全に回復すれば再び暴れだすだろうな)
男の落ち着いたような口調が返ってきた。
(大型の魔獣や超獣は、いままでの小型な個体とは格が違いすぎる。俺も分析してはいるが、今だに大型魔獣や超獣については情報が少ない。攻撃力、耐久力、生命力、移動力、特性も個体によって大きな差があるだろうな。……いずれにせよ、こいつらを放置しとけば間違いなくあらゆる生命が死滅する。それは超常存在とて、例外ではないかもしれん)
あらゆる生命の死滅。その言葉がオボロにのし掛かる。
戦い続けてきて色々とは自覚していたつもりではいたが……。
国家や種族の問題に関わらないためにも傭兵を辞め、そしてニオンと一緒に星外魔獣を専門とする存在として石カブトを創設した。
石カブトを結成した当初は、魔獣からの領地防衛と都市発展のための派遣労働を概要とした万屋を思い浮かべていた。
……しかし、戦いが激化することで徐々に気づき始めていたのだ。
もはや領地の守りや国家存亡、惑星滅亡どころではない領域に踏み込んでいるのではないかと。
――ゴゴゴオォォォ!!
と思いに浸っていると、邪魔するがごとく上空から轟音が響きわたった。
「な、なんだ!」
見上げたオボロの視界にあったのは、縦長の飛翔する構造物であった。それも二機。
その全長は約七十メートル程にもなり、銀色の外装に覆われ、後部には巡航用の大型推進器、それと姿勢制御用の小型推進器が機体各所に備わっている。
そして、その各所に備わる推進器からプラズマを噴射しながらゆっくりと降下してきた。
(ひとまず、ゴドルザーの体は俺達が回収する)
男の言葉がオボロとミアナの頭の中に響くと、シキシマがゴドルザーから離れていく。
これから何かの作業をするようであった。
「これまた、わけの分からねぇもんが出てきたものだ」
呆れたようにオボロは呟く。
空飛ぶ巨大な揚陸艇など現状の技術で作るのは不可能だ。
また何か、とんでもないテクノロジーが用いられてるのは言わずもがなであろう。
「……な、えっ」
ミアナに至っては、もはや何が起きてるのかすらも分からないのだろう。ただただ、つぶらな瞳をパチパチさせるだけであった。
二機の揚陸艇は地表から数十メートルの高さで空中停止し、ゴドルザーを挟みこむような位置につく。
そして機体のハッチが開き、そこからワイヤーらしきものが垂れ下がる。
そのワイヤーを使っていくつもの人影が懸垂下降で大地に降り立つ。
彼等が地面に着地するたび、体液で緩んだ泥がはね上がった。
そして、その中の三人組がオボロ達に近寄ってきた。
「……お前ら、何もんだ?」
オボロが驚きながら、そう言ってしまうのは仕方のないことであった。
その三人は今まで見たこともない容姿をしているのだから。
真ん中に立つ男は、体こそ人の用ではあるが頭は蜥蜴のごとき爬虫類。
左の小柄な女性は、頭髪も皮膚も真っ白で頭部から昆虫のような触覚がはえている。
そして右にいるのは、丸々とした愛嬌がある双眸を持った体長一メートル程の頭足類のような生き物であった。
(魔獣や超獣どもによって母星を滅ぼされた者達の生き残り達だ。お前から見れば、異星人といえるな)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、そして政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に行動する勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、そして試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私が、
魔王討伐の旅路の中で、“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※「小説家になろう」にも掲載。(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる