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第3章 謎の味方
地下病院のダンジョンは不思議ですね
しおりを挟む「なんなんだその石は?」
「この石は生命の結晶だったものだよ。今はもう力を使い果たしてしまったためにくすんでしまっているが、本当は青白く光り輝く結晶なのだよ」
あれから、3日ほどたち。
俺のけがは、ほとんど治っていたして。
怪我が治ったということはアムネシアとの約束を果たすためにこの地下病院の奥にあるというダンジョンに行かなければいけないわけだが……
「そんな浮かない顔をして、どうかしたのかい?」
アムネシアはカヤトと話すとき、カヤトのベットの近くに置いている椅子に座る。
ここが私の所定位置であると言わんばかりに。
「けがも治ってきたし、そろそろお前からダンジョンについて聞こうかと思ってね」
「ダンジョン?」
アムネシアは小首を傾げる。
「地下病院の奥にはダンジョンがあり、その奥にある何かを取って来いとか言っていただろお前!」
「ああ、そうだったね。すっかり、忘れていたよ」
大丈夫かよ、というか俺がいま言わなければそのまま思い出さなかったのではないだろうか?そう考えると、言ったのは失敗だったかもしれない。
「私がダンジョンの奥からとってきてほしいのは、『生命の結晶』別名『ライフ・クリスタル』と言われる功績を取ってきてほしいんだよ」
アムネシアは椅子から立ち上がり、おくの薬品棚をあさりはじめる。
「何処にやったかな?──あったあった、これだこれだ」
そういってアムネシアは薬品棚からくすんだ色をした半透明の石のようなものを取り出す。
「それなのか?どうみても、薄汚れた石にしか見えないんだが」
カヤトはアムネシアの取り出した石を見て小首をかしげる。
「そんなことはないさ。力がもうこの結晶には、ほとんど無いからこんなんだけが使い道はある。ほれ、これを持っていけ」
アムネシアは手に持っていた結晶をカヤトに対して投げ渡す。
「うぉ!あぶないな」
落としそうになりながらカヤトはアムネシアから投げられた結晶をキャッチする。
「その結晶は互いに日から合う性質を持っていてね。お互いが近づくと青白く発光するのだよ。その性質を利用して君にはダンジョン内を探索してもらおうと思ってね」
「おお、ありがとうな。で、ダンジョンにはどうやって行けばいいんだ?」
「ダンジョンの入り口はここから3階降りたところ、つまり、地下20階だね。この医務室を出て右側に曲がると地下につながるエレベーターがあるから、それに乗って行くといいよ」
アムネシアはカヤトの後ろ側を指で指し示す。
「あ、エレベーターがあるんですね。てっきり地下まで歩いて行けとか思っていたからビックリした」
「それはそうでしょ、わざわざ地下から地上に、地上から地下になんて行き来するのが大変だからね」
アムネシアの至極まっとうな意見を聞いて納得するカヤト。
「それも、そうか」
カヤトはベットから降り、ベットのわきに置いていた愛刀の黑を腰に差す。
「そろそろ行くのかい?」
「ああ、面倒ごとは早く済ませたいからな」
「正直だね君は」
「嘘を言ってもしょうがないからな」
刀の鞘を握り、刀の状態を確認する。というよりも刀に心の中で語りかける。
なんじゃ?
お前様、もう傷は癒えたのかの~?
あぁ、傷は癒えたさ。
それで、何用じゃ、お前様?お前様から儂に話し掛けて来るなんて珍しいのう。
たいしたことじゃないが、これからダンジョンに行く、だからまたお前の力を借りようと思ってな。
儂の力をかの?
そうだ。
お主、ワシのちからを使うのは拒んでおらんかったかの?
ああ、だが事態が事態だ。西城やサキが死にかけている。すまないなが、力を貸してくれ、黑。
__仕方がないの。
すまないな、今までお前を避けてきたのに、急にこんなことを言ってしまって。
別に良いのじゃ。
儂はお前様の刀なのじゃからな。
「よし、それじゃ行くか」
「行くのかい?それじゃこれを持っていきなよ」
「おっと、なんだこれは」
アムネシアから重みのあるリュックを渡された。
「食料とその他もろもろだよ、君、何も持たずに行くきかい」
「あ、そっちには気が回ってなかったわ」
「まったく、しょうがないぁ~」
「ありがとうな、それじゃ、行ってくる」
カヤトはアムネシアから貰った。食料の入ったリュックを背負い、診療所の出口へと向う。
「いってらっしゃい」
アムネシアは手を軽く振って見送る。
「エレベーターは何処だ?──お!あったあった」
カヤトは診療所から出て、アムネシアが言っていた通り進むとそこには、青白いライドが特徴的なエレベーターがあった。
カヤトはエレベーターのボタンを押す。
ピンポン!
「広いな」
そのエレベーターは、そこそこ大きく、大人であっても20人ぐらいは余裕で入れそうな広さがあった。
カヤトが驚くのも無理がないであろう。
そこから、アムネシアが言っていた階まで下がるカヤト。
ピンポン!
乗る時と同じようにエレベーターから音が鳴り、エレベーターの扉が開く。
「意外と明るいな」
エレベーターを降りた先には、薄緑色に照らし出された不気味な扉が鎮座していた。
「これか、アムネシアの言っていたダンジョンの扉は──不気味だな」
そう言いつつもカヤトはダンジョンの扉に触れる。
登録完了、入場者ナンバー55000番。
無機質な声が扉に触れた瞬間に脳内に響く。
「入場者ナンバー55000番?つまり俺のほかに54999人もこのダンジョンの中に入るってことか?生きているか、死んでいるかは別としてだが」
そんなことを考えながらカヤトはダンジョンの中へと足を踏み入れた。
「暗いな」
足を踏み入れたらそこには闇が広がっていた。
「ライトがないときついな、あるかね?」
カヤトはアムネシアが渡してくれたリュックの中をあさる。
「お!あったあった、さすがだな」
リュックの奥のほうにライトが入っていた。
そのライトは、どうやら金属製のようだった。それ以上のことはカヤトにはわからなかった。
早速ライトをつけてみると、まるで洞窟の中のようだった。いや、まんま洞窟であった。
「洞窟やん、うわ濡れてるし」
足元は若干濡れていた。
「なんか何もないな~暗闇の中から出てくる~幽霊は切り伏せろ♪」
入口から歩き出して40分ほどたち、カヤトは暇になったのかよくわからない歌を歌いだす。
「切り伏せるのは俺さ──殺気?気のせいか?」
前方から殺気を感じ、歌うのをやめるカヤト。
「いや、気のせいじゃない!?」
愛刀の黑を抜き、臨戦態勢を取るカヤト。
左手で前方を照らしているとそいつは見えた。
ガウ!ガウガウ!
首を二つはやした犬のようだった。ただし普通の犬のように毛が生えていない。
ガゥア!
「危ないな!おら!」
「キャウン!」
カヤトは飛びかかってきたツインドックの攻撃をよけ、逆に斬りつける。
「チッ、浅かったか」
ツインドックの片方の頭を切り落としたカヤトは、傷が浅かったかことが不服のようである。
今にも死にそうになりながらも、明確な殺意を目に宿しているツインドック。
「グルルルル、ギャウ!!」
ガギン!
カヤトはツインドックの最後の一撃を刀で防ぐ。
「重いな」
「キャウー」
その一撃にすべての力を込めたのか、重い攻撃はそこまで長く続かなかった。
グッタリと倒れ込むツインドック。
「死んだか?」
しばらくツインドックの死体を見ていると光の粒子となって消えた。
ツインドックが光の粒子となって消えた場所には、小さな赤色の宝石が落ちていた。
「なんだこれは?赤い宝石?うん~目的の結晶じゃないな、首にかけた宝石が反応しないし、まぁ、後でアムネシアに聞いてみるか」
カヤトは赤い宝石をリュックに入れる。
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