3 / 6
3
しおりを挟む
王都の大通りを少し外れると、賑やかな市場が広がっていた。
露店が並び、果物や焼きたてのパン、色鮮やかな布や陶器が所狭しと並んでいる。人々の笑い声、客引きの声、香ばしい匂い。
「……懐かしい」
思わず呟く。
子どもの頃、母に連れられて訪れたことがあった。貴族の娘が市場を歩くなど滅多にないことだから、周囲の視線を集めてしまったけれど、それでも楽しかった。
「君が笑っている。ここへ来て正解だったな」
隣を歩くレオンの声音が、やけに嬉しそうで胸が熱くなる。
彼の軍服は目立ちすぎるのではと心配していたが、今日は黒の外套に柔らかな布の服を纏っていた。威圧感が薄れ、凛々しいのに少し砕けた雰囲気が新鮮だ。
果物を売る露店で、赤く熟した林檎が目に入る。
見つめていると、店主が声を掛けてきた。
「お嬢さん、今日は甘い林檎が入ってるよ。どうだい?」
「あの、はい……」
財布を持っていないことに気づいて戸惑うと、レオンが迷わず銀貨を差し出した。
「これを二つ」
「毎度あり!」
店主から林檎を受け取った彼は、片方を私に差し出す。
「はい、アリシア」
「あ……ありがとうございます」
受け取って一口かじると、果汁が口いっぱいに広がった。甘酸っぱさに頬が緩む。
「美味しい……!」
自然に零れた言葉に、レオンの瞳が細められる。
「その笑顔が見られて良かった」
不意に告げられ、顔が熱くなる。
彼は自分の林檎をかじりながら、目を逸らさずに私を見ている。
「……そんなに見ないでください」
「見ていたいんだ。君の笑顔を」
真っ直ぐな言葉に、心臓が暴れる。
周囲の喧騒の中、二人だけの世界に取り残されたように感じてしまった。
布地の店を覗けば、彼は当然のように私の好みを尋ねる。
焼き菓子の屋台では、私の口元にそっと差し出して「食べさせたい」と笑う。
「……レオン様、自分で食べられますから」
「だが、私が食べさせたいんだ」
子どもみたいな言い方なのに、あまりに堂々としていて逆らえない。
焼き菓子を一口かじらされ、頬が真っ赤になる。周囲の人々の視線が集まり、囁き声が聞こえてきた。
『あれ、ヴァルガードの将軍様じゃないか?』
『隣にいるのは……誰だ?』
『随分仲睦まじいな』
噂が瞬く間に広がっていくのを感じて、心臓が縮こまる。
けれどレオンは全く気にする様子もなく、堂々と私の肩に手を添えて歩き続けた。
「……人目が」
「構わない。私は君を隠すつもりはない」
そう言い切る彼の横顔はあまりにも頼もしくて、私の頬はさらに熱を増した。
昼過ぎ、広場で大道芸を眺めていると、不意に冷たい視線を感じた。
振り返ると、そこに立っていたのは――エドワード殿下とルチアだった。
……また、出会ってしまった。
殿下の目が鋭く細められる。
「市場で逢引とは、随分と軽薄なことだな、アリシア」
低い声。
周囲の人々がざわつく。元婚約者からの侮蔑に、胸がずきりと痛んだ。
だが次の瞬間、レオンの腕が私の腰を引き寄せた。
強く、しかし優しい抱擁。
「彼女は私の婚約者だ。軽薄とは何のことだ?」
「なっ……!」
殿下の顔が怒りと驚きに染まる。ルチアが青ざめた顔で周囲を見回す。
「そ、それは……」
「言葉を選べ、王太子殿下。民の前で自らの浅はかさを晒すのは得策ではない」
レオンの鋭い声が響き、広場はしんと静まり返った。
殿下は口を開きかけたが、周囲の視線に気づき、苦々しげに唇を噛んで踵を返す。ルチアを連れて、足早に去っていった。
――ざまあみろ。
心の奥底で、初めてそう思った。
彼に見下され続けた日々。価値がないと言われた私。
けれど今、私の隣には誰よりも強く誇らしい英雄がいてくれる。
広場に残った私たちを、人々が好奇の目で見つめていた。
囁き声があちこちから上がる。
『婚約破棄された公爵令嬢が、ヴァルガードの将軍と……?』
『いや、今の言い方はもう婚約者って……!』
『なんて展開だ……!』
噂はあっという間に広がっていくだろう。
でも不思議と、怖くはなかった。
レオンが隣で堂々と腕を回してくれている。その事実だけで、胸が温かく満たされる。
「……私、もう平気です」
顔を上げて微笑むと、彼が優しく目を細めた。
「強いな、アリシア」
「いいえ、レオン様がいてくださるからです」
そう告げた瞬間、彼の表情がわずかに揺らぎ――次の瞬間、そっと私の額に唇が触れた。
「っ……!」
柔らかく温かな感触に、全身が熱くなる。
市場のざわめきも、視線も、もう何も気にならなかった。
「君の勇気に、心から敬意を」
囁くような言葉に、胸が甘く締めつけられた。
夕暮れ。市場を後にする馬車の中で、私は林檎を抱えながら窓の外を眺めていた。
赤く染まる空。沈む太陽。
「……今日、忘れられない一日になりました」
ぽつりと呟くと、レオンが私の手を取る。
「私もだ。君と過ごす時間は、何よりの宝だ」
その声音の温かさに、胸がいっぱいになる。
彼に寄りかかりたい衝動に駆られたけれど、まだ恥ずかしくてできなかった。
それでも、ほんの少しだけ――彼の肩に身体を傾けると、すぐに大きな掌が私の手を包み込み、そっと支えてくれた。
「……ありがとう、レオン様」
囁くと、彼は微笑んで答える。
「私を名で呼んでほしい。レオン、と」
不意を突かれて、心臓が跳ねた。
「れ……レオン」
頬が熱く染まる。
彼は満足げに目を細め、私の手をさらに強く握った。
「その呼び方が嬉しい。これからも、ずっと」
その言葉に、胸の奥で静かに何かが芽吹いていくのを感じた。
もしかしたら――私はもう、彼に心を奪われ始めているのかもしれない。
露店が並び、果物や焼きたてのパン、色鮮やかな布や陶器が所狭しと並んでいる。人々の笑い声、客引きの声、香ばしい匂い。
「……懐かしい」
思わず呟く。
子どもの頃、母に連れられて訪れたことがあった。貴族の娘が市場を歩くなど滅多にないことだから、周囲の視線を集めてしまったけれど、それでも楽しかった。
「君が笑っている。ここへ来て正解だったな」
隣を歩くレオンの声音が、やけに嬉しそうで胸が熱くなる。
彼の軍服は目立ちすぎるのではと心配していたが、今日は黒の外套に柔らかな布の服を纏っていた。威圧感が薄れ、凛々しいのに少し砕けた雰囲気が新鮮だ。
果物を売る露店で、赤く熟した林檎が目に入る。
見つめていると、店主が声を掛けてきた。
「お嬢さん、今日は甘い林檎が入ってるよ。どうだい?」
「あの、はい……」
財布を持っていないことに気づいて戸惑うと、レオンが迷わず銀貨を差し出した。
「これを二つ」
「毎度あり!」
店主から林檎を受け取った彼は、片方を私に差し出す。
「はい、アリシア」
「あ……ありがとうございます」
受け取って一口かじると、果汁が口いっぱいに広がった。甘酸っぱさに頬が緩む。
「美味しい……!」
自然に零れた言葉に、レオンの瞳が細められる。
「その笑顔が見られて良かった」
不意に告げられ、顔が熱くなる。
彼は自分の林檎をかじりながら、目を逸らさずに私を見ている。
「……そんなに見ないでください」
「見ていたいんだ。君の笑顔を」
真っ直ぐな言葉に、心臓が暴れる。
周囲の喧騒の中、二人だけの世界に取り残されたように感じてしまった。
布地の店を覗けば、彼は当然のように私の好みを尋ねる。
焼き菓子の屋台では、私の口元にそっと差し出して「食べさせたい」と笑う。
「……レオン様、自分で食べられますから」
「だが、私が食べさせたいんだ」
子どもみたいな言い方なのに、あまりに堂々としていて逆らえない。
焼き菓子を一口かじらされ、頬が真っ赤になる。周囲の人々の視線が集まり、囁き声が聞こえてきた。
『あれ、ヴァルガードの将軍様じゃないか?』
『隣にいるのは……誰だ?』
『随分仲睦まじいな』
噂が瞬く間に広がっていくのを感じて、心臓が縮こまる。
けれどレオンは全く気にする様子もなく、堂々と私の肩に手を添えて歩き続けた。
「……人目が」
「構わない。私は君を隠すつもりはない」
そう言い切る彼の横顔はあまりにも頼もしくて、私の頬はさらに熱を増した。
昼過ぎ、広場で大道芸を眺めていると、不意に冷たい視線を感じた。
振り返ると、そこに立っていたのは――エドワード殿下とルチアだった。
……また、出会ってしまった。
殿下の目が鋭く細められる。
「市場で逢引とは、随分と軽薄なことだな、アリシア」
低い声。
周囲の人々がざわつく。元婚約者からの侮蔑に、胸がずきりと痛んだ。
だが次の瞬間、レオンの腕が私の腰を引き寄せた。
強く、しかし優しい抱擁。
「彼女は私の婚約者だ。軽薄とは何のことだ?」
「なっ……!」
殿下の顔が怒りと驚きに染まる。ルチアが青ざめた顔で周囲を見回す。
「そ、それは……」
「言葉を選べ、王太子殿下。民の前で自らの浅はかさを晒すのは得策ではない」
レオンの鋭い声が響き、広場はしんと静まり返った。
殿下は口を開きかけたが、周囲の視線に気づき、苦々しげに唇を噛んで踵を返す。ルチアを連れて、足早に去っていった。
――ざまあみろ。
心の奥底で、初めてそう思った。
彼に見下され続けた日々。価値がないと言われた私。
けれど今、私の隣には誰よりも強く誇らしい英雄がいてくれる。
広場に残った私たちを、人々が好奇の目で見つめていた。
囁き声があちこちから上がる。
『婚約破棄された公爵令嬢が、ヴァルガードの将軍と……?』
『いや、今の言い方はもう婚約者って……!』
『なんて展開だ……!』
噂はあっという間に広がっていくだろう。
でも不思議と、怖くはなかった。
レオンが隣で堂々と腕を回してくれている。その事実だけで、胸が温かく満たされる。
「……私、もう平気です」
顔を上げて微笑むと、彼が優しく目を細めた。
「強いな、アリシア」
「いいえ、レオン様がいてくださるからです」
そう告げた瞬間、彼の表情がわずかに揺らぎ――次の瞬間、そっと私の額に唇が触れた。
「っ……!」
柔らかく温かな感触に、全身が熱くなる。
市場のざわめきも、視線も、もう何も気にならなかった。
「君の勇気に、心から敬意を」
囁くような言葉に、胸が甘く締めつけられた。
夕暮れ。市場を後にする馬車の中で、私は林檎を抱えながら窓の外を眺めていた。
赤く染まる空。沈む太陽。
「……今日、忘れられない一日になりました」
ぽつりと呟くと、レオンが私の手を取る。
「私もだ。君と過ごす時間は、何よりの宝だ」
その声音の温かさに、胸がいっぱいになる。
彼に寄りかかりたい衝動に駆られたけれど、まだ恥ずかしくてできなかった。
それでも、ほんの少しだけ――彼の肩に身体を傾けると、すぐに大きな掌が私の手を包み込み、そっと支えてくれた。
「……ありがとう、レオン様」
囁くと、彼は微笑んで答える。
「私を名で呼んでほしい。レオン、と」
不意を突かれて、心臓が跳ねた。
「れ……レオン」
頬が熱く染まる。
彼は満足げに目を細め、私の手をさらに強く握った。
「その呼び方が嬉しい。これからも、ずっと」
その言葉に、胸の奥で静かに何かが芽吹いていくのを感じた。
もしかしたら――私はもう、彼に心を奪われ始めているのかもしれない。
44
あなたにおすすめの小説
「お前の代わりはいくらでもいる」と笑った婚約者が、翌日から報告書一枚書けなくなった件
歩人
ファンタジー
子爵令嬢リーゼロッテの取り柄は、文章を書くことだけ。
華やかさのかけらもない彼女は、婚約者アルベルトの政務報告、外交書簡、
演説原稿——その全てを代筆していた。
「お前の代わりはいくらでもいる」
社交界の花形令嬢に乗り換えたアルベルトは、笑ってそう言った。
翌日から、彼の机の上には白紙の報告書だけが積み上がっていく。
——代わりは、いなかった。
私だけが愛して1度も笑ったことの無い夫が、死んだはずの息子を連れてもどってきた
まつめ
恋愛
夫はただの一度も私に笑いかけたことは無く、穏やかに夫婦の時間をもったこともない。魔法騎士団の、騎士団長を務める彼は、23年間の結婚生活のほとんどを戦地で過ごしている。22歳の息子の戦死の知らせが届く。けれど夫は元気な息子を連れて私の元に戻って来てくれた。
地味で役に立たないと言われて捨てられましたが、王弟殿下のお相手としては最適だったようです
阿里
恋愛
「君は地味で、将来の役に立たない」
そう言われ、幼なじみの婚約者にあっさり捨てられた侯爵令嬢の私。
社交界でも忘れ去られ、同情だけを向けられる日々の中、私は王宮の文官補佐として働き始める。
そこで出会ったのは、権力争いを嫌う変わり者の王弟殿下。
過去も噂も問わず、ただ仕事だけを見て評価してくれる彼の隣で、私は静かに居場所を見つけていく。
そして暴かれる不正。転落していく元婚約者。
「君が隣にいない宮廷は退屈だ」
これは、選ばれなかった私が、必要とされる私になる物語。
【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました
丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、
隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。
だが私は知っている。
原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、
私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。
優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。
私は転生者としての知識を武器に、
聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、
王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。
「婚約は……こちらから願い下げです」
土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。
私は新しい未来を選ぶ。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。
救国の代償で白髪になった聖女、一度のミスを理由に「無能の戦犯」として追放される ~隣国の覇王に拾われ、愛され、奇跡の力を見せつける~
スカッと文庫
ファンタジー
聖女アリシアは、百年に一度の大氾濫から国を守るため、禁忌の魔力全解放を行い、単身で数万の魔物を殲滅した。その代償として、彼女の美しい金髪は真っ白な「白雪色」に染まり、魔力は一時的に枯渇してしまう。
しかし、その功績はすべて現場にいなかった「偽聖女セシリア」に奪われ、アリシアは「結界を一部損壊させた戦犯」「魔力を失った役立たず」として、婚約者の王太子ギルバートから国外追放を言い渡される。
「失敗したゴミに、この国の空気は吸わせない」
泥の中に捨てられたアリシア。しかし、彼女を拾ったのは、敵対国として恐れられていた帝国の「武徳皇帝」ラグナールだった。彼はアリシアの白髪が「高純度の神聖魔力による変質」であることを瞬時に見抜き、彼女を帝国の宝として迎える。
数ヶ月後。アリシアが帝国の守護聖女として輝きを取り戻した頃、王国では「一度きりの奇跡」だったセシリアの魔力が尽き、本当の滅亡が始まっていた。
「今さら結界が解けたと泣きつかれても、もう私の魔力は一滴も残っていません」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる