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未来の息子がやってきた!?

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 防御魔法でソフィアに助太刀したのはパトリックだった。
 そこに投げ飛ばされたソフィアが戻ってくる。

「パトリックが助けてくれたの?ありがとう。」
「おい。弱っちい奴が甘えんな。パトリックも邪魔すんじゃねぇ。」
「…だって、パパが…。」
「はぁ…。俺が何だよ。弱い者いじめしているみたいに言うなや。」
「実際発言がそれに近いけどね。」
「うるせっ!…良いか、パトリック。俺らは力をつけなきゃられちまう。だから訓練は本気でやるんだよ。痛い目見て学んで身体で覚える方が早いんだ。それに、俺らは治癒魔法も出来るし死にさえしなきゃ傷なんて治る。」

 心配そうに顔を臥せるパトリックにクリフ、アニッサが目線を合わせる様にしゃがみこんだ。

「…まぁ、…子どもに見せるのは早かったかもね。」
「大丈夫よパトリック。これでも相手を死なせないように手加減してやってるから。ね?ソフィア。」
「…!う、うん!」

 話を振られたソフィアが一瞬で傷を消し、パトリックを抱き上げた。



「ほら、私は大丈夫だから!…ごめんね、びっくりした、よね?……あれ?」

「―…パパ、ぼくとも手合わせして。」


 パトリックが顔を上げた瞬間、闘争意識を燃やしたような瞳が現れ、皆の顔がポカンとなった。

(泣いてんのかと思ったじゃねぇかっ!!!) 













「…で?いつになく楽しんだようだな。」
「はは…。」


 3時間ぶっ続けでの戦闘訓練が終了し、オデッセがグラウンドへやってきた頃にはソフィア以外の全員が屍となっていた。
 未来の俺に鍛えられたとか言うパトリックの実力は見事だった。年齢の割には良く動けているし、攻撃魔法・防御魔法の質もかなり良い。しかし、それを見ていたクリフ、アニッサが悪乗りしてパトリック側についたため、かなり大規模な戦闘が始まったのだ。3対1って狡いだろ。


「午後は課外実習行くぞ。」
「おい鬼畜教師!これ見てそんなこと良く言えるな!」
「私お腹すいた…。」
「久しぶりに疲れたよ…。」
「声が出るなら元気だな。ホラ、あと3秒でお前ら現地飛ばすぞ。」

「「「…っ!」」」

 教師とは思えない暴挙に絶句していると、ソフィアが治癒魔法を一気にかけてくれた。マジであの教師すぐに魔獣の居る場所に飛ばしやがった。10秒は待ってくれたけど。サンドイッチくれたけど!そこじゃねぇから!!
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