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未来の息子が生まれましたが、
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ソフィアは痛む腰に手を当て、今日も塔へと足を運んでいた。治癒魔法で癒してしまえばすぐに良くなる鈍痛は、その痛みさえも愛おしく、なんだかんだそのまま痛みを引きずりながらソフィアは目的の人物を探す。
本来ならば夫であるエイデンに先に伝えたかったが、昨夜はなんだかんだうやむやに終わり結局は伝えることが出来なかった。
いつもとは違う熱を持った飢えた瞳で見つめられ、一糸纏わぬ姿へとなってしまえば思考など無意味で。そのままなし崩しに朝を迎えてしまい羞恥と疲労で決意が揺らいだが、再び意を決して家を出た。そして今この場に居るのだが。
塔の中庭沿いの廊下を歩いていると、あの鈴を転がしたような綺麗な声が聞こえ足を止めた。視線を向けるとやはり探していた眩しい姿。そしてエイデン。
「ソフィアがそう感じたなら、それが全てだよ。女の第六感は鋭い。だから売られた喧嘩は買うべきよ。」と頭の中でアニッサの発言が蘇る。
王者の余裕だと言うが、自信はあっても余裕などない。人の気持ちは変わるもの。絶対などない。これは女の勝負だ。
「ふふふっ、エイデン様ったら…」と彼女が笑顔でエイデンの腕に触れようとしたため――、私はカリナさんの手がエイデンに触れる前にその手をとった。
本来ならば夫であるエイデンに先に伝えたかったが、昨夜はなんだかんだうやむやに終わり結局は伝えることが出来なかった。
いつもとは違う熱を持った飢えた瞳で見つめられ、一糸纏わぬ姿へとなってしまえば思考など無意味で。そのままなし崩しに朝を迎えてしまい羞恥と疲労で決意が揺らいだが、再び意を決して家を出た。そして今この場に居るのだが。
塔の中庭沿いの廊下を歩いていると、あの鈴を転がしたような綺麗な声が聞こえ足を止めた。視線を向けるとやはり探していた眩しい姿。そしてエイデン。
「ソフィアがそう感じたなら、それが全てだよ。女の第六感は鋭い。だから売られた喧嘩は買うべきよ。」と頭の中でアニッサの発言が蘇る。
王者の余裕だと言うが、自信はあっても余裕などない。人の気持ちは変わるもの。絶対などない。これは女の勝負だ。
「ふふふっ、エイデン様ったら…」と彼女が笑顔でエイデンの腕に触れようとしたため――、私はカリナさんの手がエイデンに触れる前にその手をとった。
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