INFINITY GAMES

黒猫

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6話

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    てっきり俺はこのスキルっていうのは自動で動かしてくれるものかと思っていたが違うのか?俺のスキルは『再生』だから自動発動したとか……そういう感じなのだろうか?ここらへん調べる必要がありそうだ。

    愛子さんも無事救ったことで一段落着いたと思ったら何をすれば良いか分からない俺達は途方に暮れる。それにメイがリーダー役を買って出てくれているが、約30人もいるクラスメイトがこんな状況の中で一致団結できるかといえばそうではない。何かそういう団結できそうなきっかけはないものか………

「なぁ、あたいの案なんだけど聞いてくれるかい?」

「金田さん………?どんな案なの?」

    クラスの金髪ギャル『金田美優』さんが自信満々と様子で元気に挙手をする。派手なメイクと金髪で変な偏見がつきがちだが、単純に良い子だ。そんな彼女の案にみんなが耳を向ける。

「えーっとぉ…グループ分けした方がいいと思うんだけどどう?この人数ちょっとあたいにはきついかな…」

「なるほど!?」

    グループ分けか………確かにその案があったな!

「良い案ね!!何人に分けようかしら?」

「メイちゃんにお任せ~」

「んー……」

    実際難しいよな。この場で最適な人数分けはなんだろうか?半分に割っても15人ずつは大人数で少ししんどい……となると4分割で7人ずつに分けるのがベストか。

「なら7人ずつに分けないか?組みたい人と並んで合体するみたいな」

「珍しく冴えてるね!裕太!ならそうしましょう!」

「えっ…?珍しく?」

   全く悪気なさそうなのが憎めない……そんなことよりグループ分けだな。とりあえず俺は大輝とメイと一緒に固まっておこう。このクラスはそれぞれグループが全く違うからな………上手くいくとよいが。それにこの場で優位に働くのは運動神経が高いやつ……それを見込んで運動神経上位のやつと組むのが最適だと判断し、そいつに群がるやつは大勢いるだろう。しかし俺が思うにこのチュートリアルで一番大事なのはスキル!!

「ねぇ、裕太は誰と組みたい?候補としては『益田優希』君のグループとか『有野翔太』君のグループ、『花澤菜々子』ちゃんのグループとかあるけど?」

「うーん……」

     どれも3人や4人と俺らと合体すれば6、7人になれるグループだな。特に優希は運動神経抜群のメイと同じクラスのリーダー的存在………ん~けどなんかピンとこないんだよな。
    ーーん?あれ、愛子さんと金田さんは一人なのか?

「なぁ、愛子さんのスキルってなんだった?」

「え!えっと……確か『予知』だった気がします」

「えっ!?」

「えへへ……私の家系が占いとかそういうのやってるのでそれが影響したのかなぁ…とか思ったりして………」

    なんだか嬉しそうに顔を赤める愛子さん。なんだか可愛いな……ってまた!?っていうかなことよりスキル予知ってかなり強いかも知れない。俺の想像している通りのスキルならこのチュートリアルをクリアするキーマンになるかもしれない!

「なぁ!良かったら俺らと組まないか?」

「えぇ!いいんですか………私一緒に居ても何もできないと思うし…足でまといになっちゃうと思いますよ!」

「そんなことないよ、だから俺らと一緒に行こう」

「わ、分かりました……ありがとうございます」

     ふかふかとお辞儀をし、ちょこちょこと俺の後ろについてき、大輝とメイに愛子さんと組むことを勧めると満面の笑みで承諾してくれた。あと3人………金田さんに声を掛けてみよう。

「金田さんって組む人決まってる?」

「えーと真一と奏多で組んでんだけど人数的に大丈夫そ?」

     新田真一とはシリウスの対抗組織『ホワイト』の一員であり、幹部の一人だ。黒髪で剃り上げたリーゼントはガチガチのヤンキー感があり、見る人見る人を黙らせる。
    そして秋山奏多も『ホワイト』の一員にしてホワイトの幹部の一人だ。奏多は真一と同様に剃り上げたリーゼントだが、髪色は黄金に輝く金色だ。
    そんな2人と組んでいるなんてすごいな金田さんは………

「誰がお前なんかと組むか!!」
「そうだそうだ!」

「まぁ、嫌なら……無理には言わないよ」

     さっそくブーイングを喰らってしまった。なんでこんなに俺はこの2人に嫌われてんだ?それか単純に3人がいいとか………

「あたいは組んだ方が良いと思うなぁ~。ねぇ、組も?」

    すると真一と奏多は不貞腐れながらこう答える。

「まぁみゆ姉が言うなら………」
「そうだね…」

「よーし!賛成!!よろしくな!」

「あ、あぁ…よろしく!」

    金田さん何者なんだ!?あのホワイトの狂犬二人組に姉貴呼ばわりされてるなんて………

「それじゃぁ!あたい達で一緒に頑張ろー!!」

「おおー!!」

    まぁ良しとしよう。金田さんの元気な姿に俺は思わず笑みをこぼした。

     だがまだ俺達はこれから起こる壮絶な道を想像できていなかったーー
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