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序章 憧れの志望校へ
3話 黄昏時
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『弓木ぃ、このままだと志望校はまず無理だぞ』
私は先生から告げられた内容に絶句。
その反応に先生も絶句。
『言ってたよね?このままだと危ないよって』
……たしかに、
思い起こせば何度か言ってくれてた気がする。
『弓木は勉強以外は良いんだけどな……』
――褒められてるのか、けなされてるのか。
『志望校以外なら、推薦取れる高校も結構あるんだぞ?』
正直、魅力的な響きだった。
スポーツに重点を置いた学校なら悪い成績でも行けると。
でも……、最大の問題は通学時間だった。
推薦校までは最低でも片道1時間、場所によっては一時間半はかかる。
低血圧の私にとって、起床が極早朝は拷問でしかない。
起きてからも何かとやる事は多くて、一番重要で大変なのがお弁当作り。
前日に作り置きすれば良いかもしれないけど、そこまでしないといけないのは想定外。
たまには夜更かしもしちゃうし、寝坊なんてしたら間違いなく遅刻。
このまま行くと待ってるのは苦痛から始まる高校生活。
全部自業自得だけど……。
「――部活、辞めます」
結局、
こうするしかなかった。
顧問の前で涙が止まらなかったよ、それぐらい部活がたのしかったから。
でも、このまま勉強をせずに進めば後悔以外何もない。
妥協も出来ないのなら、最善の手をつかみ取るしかなかった。
――勉強不足はうすうす感じてたけど、
面と向かっていわれると結構ショックだったな――。
それから遅れを取り戻すために勉強漬けの毎日が始まった。
そうまでして入りたかったんだ蘭北女子に――。
――室蘭市立蘭北女子高等学校。
胆振地区の女子中・高を統合して出来た学校で、
もとは完全中高一貫校だったのが私の代から受験可能になった。
15年くらい前に出来た新しい学校で建物はとても綺麗。
全校生徒は約2000人、俗にいうマンモス校だった。
学業も部活動も力の入れ方が豪快で学校の魅力は満点。
設備も最新鋭ってパンフレットで見た。
なにより、家からとても近くて徒歩15分圏内ってのは破格。
最近は、進学校としても力を入れ始めたから、一気に敷居が高くなっちゃた。
学校が近い以外にも思うところはあったんだよ?
それをどうするかは自分次第だけどね。
志望校を目指し全力で進み始めた私は、
中間テストが終わってから、ずーっと家と塾の往復。
夏期講習、特別講習、冬期講習……、その苦しさには涙も枯れ果てたよ。
何とかの毛も抜かれて鼻血も出ねぇやってやつ。
勉強がキツくて何度も諦めようとしたけど、やっていく内に慣れていくもんだね。
後半は勉強する事にそこまで苦痛は感じなかった。
苦労した分の見返りを貰う気すら芽生えるくらいだから。
そして、迎えた試験当日。
実はあまり覚えてないんだ。
ただひたすらこなしていったと思う、目の前の用紙を見つめながら――。
私は先生から告げられた内容に絶句。
その反応に先生も絶句。
『言ってたよね?このままだと危ないよって』
……たしかに、
思い起こせば何度か言ってくれてた気がする。
『弓木は勉強以外は良いんだけどな……』
――褒められてるのか、けなされてるのか。
『志望校以外なら、推薦取れる高校も結構あるんだぞ?』
正直、魅力的な響きだった。
スポーツに重点を置いた学校なら悪い成績でも行けると。
でも……、最大の問題は通学時間だった。
推薦校までは最低でも片道1時間、場所によっては一時間半はかかる。
低血圧の私にとって、起床が極早朝は拷問でしかない。
起きてからも何かとやる事は多くて、一番重要で大変なのがお弁当作り。
前日に作り置きすれば良いかもしれないけど、そこまでしないといけないのは想定外。
たまには夜更かしもしちゃうし、寝坊なんてしたら間違いなく遅刻。
このまま行くと待ってるのは苦痛から始まる高校生活。
全部自業自得だけど……。
「――部活、辞めます」
結局、
こうするしかなかった。
顧問の前で涙が止まらなかったよ、それぐらい部活がたのしかったから。
でも、このまま勉強をせずに進めば後悔以外何もない。
妥協も出来ないのなら、最善の手をつかみ取るしかなかった。
――勉強不足はうすうす感じてたけど、
面と向かっていわれると結構ショックだったな――。
それから遅れを取り戻すために勉強漬けの毎日が始まった。
そうまでして入りたかったんだ蘭北女子に――。
――室蘭市立蘭北女子高等学校。
胆振地区の女子中・高を統合して出来た学校で、
もとは完全中高一貫校だったのが私の代から受験可能になった。
15年くらい前に出来た新しい学校で建物はとても綺麗。
全校生徒は約2000人、俗にいうマンモス校だった。
学業も部活動も力の入れ方が豪快で学校の魅力は満点。
設備も最新鋭ってパンフレットで見た。
なにより、家からとても近くて徒歩15分圏内ってのは破格。
最近は、進学校としても力を入れ始めたから、一気に敷居が高くなっちゃた。
学校が近い以外にも思うところはあったんだよ?
それをどうするかは自分次第だけどね。
志望校を目指し全力で進み始めた私は、
中間テストが終わってから、ずーっと家と塾の往復。
夏期講習、特別講習、冬期講習……、その苦しさには涙も枯れ果てたよ。
何とかの毛も抜かれて鼻血も出ねぇやってやつ。
勉強がキツくて何度も諦めようとしたけど、やっていく内に慣れていくもんだね。
後半は勉強する事にそこまで苦痛は感じなかった。
苦労した分の見返りを貰う気すら芽生えるくらいだから。
そして、迎えた試験当日。
実はあまり覚えてないんだ。
ただひたすらこなしていったと思う、目の前の用紙を見つめながら――。
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