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第一章 黒曜の姫御子×白銀の御子=?
第9話 二人であってもかしましい
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「「失礼致します。」」
パタンッ…コツコツコツ………
執務室のドアが閉まり、ミコトのであろう足音が徐々に小さく遠のいて行く。
室内に残された三人は、何処となく気まずそうな雰囲気を醸し出している。
口火を切ったのはやはりというかカティアであった。
「ウフフ…二人共ミコトちゃんを見た瞬間、ビックリしていたみたいね?」
「それはそうですよ。あの黒髪に瞳ですからね…それにあれ程の器量ですから…ここにお連れするまでは誰の目にも触れない様、極力注意しながら来たんですよ?」
「そうね~全身頭まで深々とフードを被っていたわねぇ……それにしてもバラちゃん?」
カティアはほのぼのとした表情から真剣味を帯びた表情へと次第に変化させていく。その変化に合わせて、周囲に緊張感が生まれる。
「師匠!?」
「カティア様!?」
カティアの鋭い視線がバラとタフに向けられた後、ゆっくりと二人へと向けられる右手。
“ビッ”握り締めた拳から親指が勢いよく立てられたのだ。
「グッジョブ!よバラちゃん!何あの純白のワンピース!スッゴク似合ってたわぁ~スッゴク可愛かった~~」
「流石です師匠!わかりますか!?」
「勿論よぉ~~でもあれ結構お値打ち物よねぇ確かな品質、気品も感じたわぁ~」
「そうなんです!あれは私のとっておきなんですが、これしかない!と思って着せちゃいました~~」
“キャッキャ”と二人は女性特有のお話に大いに花を咲かせるのだが。
ここにまたもや置いてけぼりを食って、空気になってしまった困り顔のタフさんが佇んでいるのでした…。
□□□□□□□□
コツコツコツコツ…
周囲を照らす灯火は、メイドさん二人が持つ蝋燭の灯のみ。…ちょっと怖いです。
深夜の廊下に私の歩く足音のみが反響しております。
流石メイドさんです。
皆さんがこうなのでしょうか。それともこのお二人が群を抜いているのか…所作が綺麗なだけはありますね…修練の賜物なのでしょうね!と感心しているとお部屋に着いたみたいです。
「こちらのお部屋でございます。」と教えてくれた後、部屋の扉を開け一人が中に入り蝋燭台に順に灯をともしていきます。すると室内の様子が明らかになりました。
『ご、豪華過ぎないでしょうか。』ここ村ですよね?ここ村長宅ですよね?
そこにはおおよそ一見すると二十畳程のお部屋がございました。
そこにはさもお貴族様が住まわれる様な豪奢なお部屋がございました。
「準備が整いました。どうぞお入り下さいませ。」もう一人に声を掛けられ、おずおずと中に入りました。
「あの、この部屋で間違いありませんか?」
「?…ハイ、間違いございません。」
「あの豪華過ぎないでしょうか?」
「問題はございませんかと。お客様には相応しいお部屋かと存じます。」
「そ、そうですか。ありがとうございます。」そう答えると、視線の先に存在するアレ、そうです大型の天幕付きベット!いやお姫様ベットと言うべきか!?に腰を下ろし二人に視線を向けました。
『『ドキリッ』』
ん?
「コ、コホン。改めまして、ご挨拶させていただいます。私は副メイド長を務めさせていただいております“エラ”と申します。」そう言うと深々とお辞儀をする。
「私は“メナ”と申します。」続いて深々とお辞儀をする。
私は慌てて立ち上がり、挨拶を返した。
「ご丁寧にありがとうございます。私は“ミコト”と申します。こちらこそよろしくお願い致します。」そう言うと私もペコリとお辞儀した。
どうしよう…言っておいた方がいいのかな…変に誤解させるのもね……よし。
「聞いていただけますか?私は森で遭難しているところを助けていただいただけで、御大層な高尚な身分の者でもないのですから、そんなに畏まらないで下さい。」
『『!?』』
『『……』』
二人は目配せ合うと意を決した様にエラさんが口を開いた。
「いえ…その様な筈がございません。お隠しになられずとも大丈夫でございます。私共も弁えてございますので。…どうか御安心を。安心してお寛ぎ下さいませ。」
え~…ん~…これはどうしたものかな…。
「そ、そうですか。」取り敢えず…とりあえずね?先送りにしました。
□□□□□□□□
パタンッ…コツコツコツ………
執務室のドアが閉まり、ミコトのであろう足音が徐々に小さく遠のいて行く。
室内に残された三人は、何処となく気まずそうな雰囲気を醸し出している。
口火を切ったのはやはりというかカティアであった。
「ウフフ…二人共ミコトちゃんを見た瞬間、ビックリしていたみたいね?」
「それはそうですよ。あの黒髪に瞳ですからね…それにあれ程の器量ですから…ここにお連れするまでは誰の目にも触れない様、極力注意しながら来たんですよ?」
「そうね~全身頭まで深々とフードを被っていたわねぇ……それにしてもバラちゃん?」
カティアはほのぼのとした表情から真剣味を帯びた表情へと次第に変化させていく。その変化に合わせて、周囲に緊張感が生まれる。
「師匠!?」
「カティア様!?」
カティアの鋭い視線がバラとタフに向けられた後、ゆっくりと二人へと向けられる右手。
“ビッ”握り締めた拳から親指が勢いよく立てられたのだ。
「グッジョブ!よバラちゃん!何あの純白のワンピース!スッゴク似合ってたわぁ~スッゴク可愛かった~~」
「流石です師匠!わかりますか!?」
「勿論よぉ~~でもあれ結構お値打ち物よねぇ確かな品質、気品も感じたわぁ~」
「そうなんです!あれは私のとっておきなんですが、これしかない!と思って着せちゃいました~~」
“キャッキャ”と二人は女性特有のお話に大いに花を咲かせるのだが。
ここにまたもや置いてけぼりを食って、空気になってしまった困り顔のタフさんが佇んでいるのでした…。
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コツコツコツコツ…
周囲を照らす灯火は、メイドさん二人が持つ蝋燭の灯のみ。…ちょっと怖いです。
深夜の廊下に私の歩く足音のみが反響しております。
流石メイドさんです。
皆さんがこうなのでしょうか。それともこのお二人が群を抜いているのか…所作が綺麗なだけはありますね…修練の賜物なのでしょうね!と感心しているとお部屋に着いたみたいです。
「こちらのお部屋でございます。」と教えてくれた後、部屋の扉を開け一人が中に入り蝋燭台に順に灯をともしていきます。すると室内の様子が明らかになりました。
『ご、豪華過ぎないでしょうか。』ここ村ですよね?ここ村長宅ですよね?
そこにはおおよそ一見すると二十畳程のお部屋がございました。
そこにはさもお貴族様が住まわれる様な豪奢なお部屋がございました。
「準備が整いました。どうぞお入り下さいませ。」もう一人に声を掛けられ、おずおずと中に入りました。
「あの、この部屋で間違いありませんか?」
「?…ハイ、間違いございません。」
「あの豪華過ぎないでしょうか?」
「問題はございませんかと。お客様には相応しいお部屋かと存じます。」
「そ、そうですか。ありがとうございます。」そう答えると、視線の先に存在するアレ、そうです大型の天幕付きベット!いやお姫様ベットと言うべきか!?に腰を下ろし二人に視線を向けました。
『『ドキリッ』』
ん?
「コ、コホン。改めまして、ご挨拶させていただいます。私は副メイド長を務めさせていただいております“エラ”と申します。」そう言うと深々とお辞儀をする。
「私は“メナ”と申します。」続いて深々とお辞儀をする。
私は慌てて立ち上がり、挨拶を返した。
「ご丁寧にありがとうございます。私は“ミコト”と申します。こちらこそよろしくお願い致します。」そう言うと私もペコリとお辞儀した。
どうしよう…言っておいた方がいいのかな…変に誤解させるのもね……よし。
「聞いていただけますか?私は森で遭難しているところを助けていただいただけで、御大層な高尚な身分の者でもないのですから、そんなに畏まらないで下さい。」
『『!?』』
『『……』』
二人は目配せ合うと意を決した様にエラさんが口を開いた。
「いえ…その様な筈がございません。お隠しになられずとも大丈夫でございます。私共も弁えてございますので。…どうか御安心を。安心してお寛ぎ下さいませ。」
え~…ん~…これはどうしたものかな…。
「そ、そうですか。」取り敢えず…とりあえずね?先送りにしました。
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