そうせいの御子は異世界をたのしむ??

大川 孝一

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第一章 黒曜の姫御子×白銀の御子=?

第3話 あれぇ………?

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 「グゥ…キュルルルゥ~~」

 頭を下げた状態の自分の下腹部から、緊張感を破壊する音が鳴り響いた。

 『ああぁ…』

 カァッと顔が熱くなるのを感じると共に、身体から力が抜けていきヘナヘナペタンという感じに座り込んでしまった。

 助けてもらえる。自分以外にも人がいる一人では無いという安心感からか、緊張の糸が切れた為と考えられる。

 『恥ずかしい…』

 そう思いつつもお腹が減って動けないという気持ちと、喉が渇いてどうしようも無いという欲求が急にこみ上げてきてしまい困ってしまう。

 ここにきてやっと、目の前にいるはずの二人が何も言わずにたたずんでいる状態に気がつく。

 私は恐る恐る二人の方へと顔を上げた。

 二人は困った様なしょうがないなという様な表情をしており、バラさんは何かしらの固形食品を「ハイッ」と微笑ほほえんで手渡してくれた。

 タフさんは水?の入った皮袋の水筒を差し出して「飲めっ」と手渡してくれたので、ここは遠慮なくご馳走になる事にした。

 いつから食べていなかったのか、ゴクゴクゴク。ハグハグハグ。とペロッと平らげました。そりゃもう気持ちよくペロッとね。

 「ごちそうさまでした」とお礼を言いつつ二人を見ると、二人は周囲を警戒していました。

 「ん?あぁ食事中は特に周囲を警戒しとかないとな」と私の視線に気付いたタフさんは教えてくれました。あぁ…確かにそうですよね。

 「バラ、これは思ったよりマズイ状況かもしれないぜ」

 「そうね…急ぎ戻りましょうか」

 二人の会話に気になるところがあったけれど、ここは何も言わず移動する事を、村に戻る事を最優先としました。





□□□□□□□□





 闇に包まれる月夜の晩。
 ドカカッドカカッと、二頭の馬のひづめの音が闇夜に響く。
 私は“バラ”という名の、女性冒険者に背後から抱かれ二人乗りで帰路を急ぐ。
 時折ぎゅうっと強くいだかれるが、気のせいでしょうか?正直温かくも心地よい…安心する。…甘いイイ匂いもします。
 顔があかくなってはいないか心配です。

 「ンフフ…」

 「あねさん、ご機嫌ですね…」

 「別にぃ」

 「ンフ…」

 無事森を抜けました。ここにいたるまでで、私は気持ちが落ち着いてきたので、そこで改めて二人を考察してみる事にした。

 まず『タフ』という名の冒険者、見た目は十代後半金髪碧眼のやんちゃな明るいお兄さん。結構凛々りりしくてスリムでいて流石というかガッチリとした筋肉の持ち主。
 長剣を携えた戦士タイプで、一見私の事はまだ信用してないぞ?というスタンスをしていながら、森を抜ける時にはあれやこれやと世話を焼いてくれた実はイイ人。たぶんそうなんだろうなぁと思う。

 そして、私を時折ぎゅうっと抱き締める?後ろの女冒険者『バラ』という名のお姉さん。
 見た目は二十代前半赤毛に碧眼、ソバカスがチャームポイントの美人さん。なんだけど、とても快活な見た目に反してカワイイ印象を受ける女性。
 パッと見、姐さんって感じなんだけど、その性格?からかお姉ちゃんという感じになってます…。
 その実、両手剣による凄腕の双剣使いみたいです。うん。彼女もイイ人だと思うのだけど…。

 「ンフフフ…」

 そういう事にしよう。私の直感がそういっている。
 そう、自分を納得させるのでした。

 ………そう言えば、森を抜ける途中小さな小川近くで休憩をとった際、顔を洗いたくて洗顔をした時の事なのですが、“ビックリ”しました。

 ええ…何故か驚きました。

 それは、自分の容姿に関してです。

 その様子を見ていたバラさんとタフさんは、苦笑いしながら記憶の混濁こんだくがあるからだろうと、取り敢えず村に戻って暫く静養する事が必要だろうと言ってくれました。

 …正直、私は自分は十代でも後半位に思っていました。何でそう思っていたのかは…何ででしょうね?でも、川面かわもに映る自分の姿は十代でも前半位に感じます。しかも、自分の髪の色が銀色?に近くその瞳は緑色?あれ?違和感が…それに女の子?いえいえ……ハイ…私でした。

 『あれぇ………?』 

 「「「…」」」

 そうこう思い出ししつつ、考察しつつ自分を納得させている間に、遠く地平線の先に小さな明かりがチラホラと、やっと村?が見えてきました。





□□□□□□□□





 ………その頃、少年がいた森の奥さらに奥にてズル…ズルリ…とうごめく影が存在した。
 今にも倒れ崩れ落ちそうになりながらも、強い意思の“ソレ”は歩みを続ける。
 魔獣の巣窟そうくつであるはずの森はとても静かだった。
 いや静か過ぎる位であったと言えるかもしれない。
 ソレが原因であったのであろうか、今はまだ誰も知らない。
 ソレが何であったのか…。





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