そうせいの御子は異世界をたのしむ??

大川 孝一

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第一章 黒曜の姫御子×白銀の御子=?

第4話 黒髪?

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 ヒヒーン、ブルッブルブルル。

 「どうどうっ、ご苦労様頑張ったね」

 バラは、過度に負担を掛けたであろう愛馬に対して、優しくさすりながら声を掛ける。

 その瞳からは慈愛がかんがみてとれた…。
 
 それを見た少年ミコトも、首元を恐る恐る優しく摩りながらお礼をささやく。

 「ありがとうね…」

 ブルッ。

 イイってことよ…と言われた様な気がして、ミコトはホッと安堵あんどの溜め息を漏らすと、「クスッ」とその光景を目にしたバラからはみがこぼれるのであった…。

 「開門!」と、そこへ先行していたタフが、通常の村には似つかわしく無い今は固く閉ざされた、頑丈そうな村の門へと大きく掛け声をかける。

 ミコトは高く築かれた塀、そしてその頑丈そうな門に驚きつつも目を向け姿勢を正し、ジッと中からの応答を二人と共に待つのであった。

 「タフさん!」と、門に作られた小窓から顔をのぞかせた男性が声を上げる。

 「もう戻られたんですね。バラさんもいらっしゃいますか!?今開けますんで!」とキョロキョロと周囲を見渡した後小窓を閉め。ギギギィィィ~~という響く音と共に門はその大きな口を開いた…。

 中からは武装した村人だろうか?門番らしき数人が姿を現わし、口々に「お帰りなさい。お疲れ様です。」とねぎらいの言葉をかける。そんな中、馬上にいる私に気が付く者達がいた。

 するとその中の一人が声を上げる。「…その子供はどうしたんですか?」

 その場の空気は一変し、緊張感が張り詰める。皆の刺す様な視線が私に集中し、鼓動が早鐘の様に鳴り響く。

 「ん、道中保護した。ちょい訳ありでね…俺達が責任持つんで、部屋を用意してほしい。あと、急ぎ村長に取り次いでもらいたい。夜分すまないが…。」

 「この子は大丈夫。私達が面倒みるから心配しないで。」バラの優しくもあり強い意志を秘めたその微笑ほほえみは、その場の緊張感を一気にやわらげた。

 「あ、ハイ。…いえ!大丈夫ですよっ少々お待ち下さい」そう言って、その中の一人が村の奥へと急ぎ消えて行った。

 私はその後ろ姿を目で追いつつ物思いにふける。

 …はぁ……良かった…何とか無事辿たどり着けた…。

 私がその時その村から、見上げた初めての夜空は…驚くほど満月が美しかった。





□□□□□□□□





 「おぉ…戻られましたか。」

 「失礼します村長、夜分にすいません。」

 「失礼します。村長。」

 「…失礼します。」

 「いえいえ、こちらが頼み事をしている身なのですから、時間など気にはしません。お気になさらず。」そう言うと、村長と呼ばれた人物はにこやかに微笑み我々を室内へと迎え入れた。

 ここは村長宅の一室、執務室らしき場所。

 長椅子ながいすに座る私達三人の目の前には、先程村長と呼ばれた人物が…



 …数刻前、私はただでさえ村?ここ村?いやいやいや違うでしょう。街でしょう?暗いので全景は把握しづらいけど、規模違いますよね?ね?とバラさんに視線を向けました。すると、彼女はニッコリと大丈夫よ?安心して?気にしない気にしないという感じに視線を返してくれました。

 出来た女性です。ホント

 そしてその時、マント一枚のみ羽織りたたずむ私の姿に苦笑し、「流石にこのままでは問題ね?」と困った様につぶやいた。

 …という事で、報告に向かう前にバラさんが間借りしているお部屋へと移動し、バラさん秘蔵の純白のワンピースを手渡され…着替えさせられ。何故か再度マントを羽織らされました。来た時と同様フードまでスッポリと。

 抵抗など出来ません。出来ませんでした。助け…タフさんはいつの間にか部屋からいなくなっておりました。…タフさん…出来た方です。



 「………×××…ですね。」

 「………そう…そこまでの惨状だったのですか。…そしてその場所に…」

 「ハイ…この子・・・が…」 

 …目の前には村長と呼ばれた人物。物腰は柔らかいが女傑じょけつというべきか、妙齢みょうれいの女性が報告を聞きながらその視線を私に向ける。

 うかがい見るようなその視線、表情に緊張しドギマギしてしまう私。

 「村長、村長がそんなににらみつけるからこの子すっかり萎縮いしゅくしてしまいましたよ。あぁ…カワイソウに…」とバラさんがきゅうっと抱き寄せて抱き締める。

 むきゅっ

 「まぁ…そんな怖い顔なんてしていませんよ。とても…そう、可愛らしいお嬢さんだと思って“”てただけよぅ」と「そんなの心外しんがいよぅ」といきどおってみせる。

 いえ…お嬢さんじゃないんですけど…

 …?何かとても親しげですが、お二人はとても仲がよろしいのでしょうか?という視線を二人に、そしてタフさんにも向けるとタフさんが「ああ、二人は師弟の間柄だからな。これがだ。」とやれやれという感じにおどけてみせた。

 師弟? 

「…ねぇ、その可愛らしい御顔を綺麗な黒髪・・をもっと見せていただけるかしら?」

 「あっ!?失礼しました。」私はいまだマントのフードを被ったままである事を思い出し、慌ててフードを脱ごうとする。

 …ん?

 『黒髪?』





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