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第二章 妃選び
29.雨の夜の訪問者
しおりを挟む雨粒が窓を叩いている。薄暗い部屋の中にはどこかねっとりとした重たい空気で満たされていて、奇妙な花の香りがその空間を支配していた。
「どうして……!?」
何かが割れる音がして、愛らしい花の装飾がほどこされた鏡台の大きな鏡にヒビが入った。神秘的な薄緑色の髪を振り乱し、フィアレンセはずるずると床に座り込んだ。その傍らには投げ捨てられた“妖精の雫”が奇妙な光をたたえたまま転がっていた。
「どうしてよ!!」
フィアレンセは両手で顔を覆った。“白い庭”の前であの美しいドラゴンと顔を合わせる直前、フィアレンセは“妖精の雫”に願ったのだ――彼の大切な人になりたいと。言い伝え通り、彼の魔力をかすめ取って。
彼は確かに動揺していた。印象付けられたのを覚り、部屋に戻って見た姿はどこにでもいそうな平凡な人間の女だった。一体この姿のどこに彼をとらえる力があったのかと肩を落としたが、それでも最終的に彼のとなりに立つのが自分になれば本来の美しい姿を捨ててもかまわないと思っていたので無理やり納得をした。
それなのに――
茶会で彼は冷たく、他の魔族の候補者たちの方がむしろ動揺していた。それに疑問を覚えながら部屋に戻って鏡をのぞいたフィアレンセの瞳に映ったのは、彼女も見覚えのあるこの国の亡くなった王妃の姿だった。かつて、アルディモアから嫁いだ聖女――……。
部屋に戻ってからどのくらいの時間がたっただろうか? 鏡をのぞくたびに、フィアレンセの姿は変わっていた。最初の平凡な人間の女の姿に戻ることもあれば、また知らない人間の女になることもあった。気味が悪くなり“妖精の雫”を髪から外して鏡に向かって投げ捨てても、その現象が終わることはない。
どうして、どうしてとくり返すフィアレンセの姿を、窓ガラスにはりついた小さな蜘蛛だけが見つめていた。
***
第三区の石畳が雨に濡れて光っていた。まだそれほど夜の遅い時間ではなかったが、この雨のせいで行き交う者たちもまばらだ――と言っても、第三区は第二区と違って遅くまでやっているような店が並んだ場所もないため夜はいつも比較的静かではあるが。
その濡れた石畳の上を闇が素早く駆けて行った。それを追いかけるように、金色の狼がつづいて行く。二色の影はやがて第三区にある大きな屋敷の前で止まった。平屋の建物は石造りだが、それを囲むのは塀ではなく生い茂った木々だった。門だけが鉄製で、軋んだ音を立てて開かれたそこに二色の影は吸い込まれるようにして入っていく。
生い茂った木々を抜けるとそこは広い庭になっていて、小さな川が流れていた。金色の影――シトロンは、屋敷の玄関までたどり着くと普段の人間に近い姿に戻り、さっと魔法で濡れた体や服を乾かした。分厚い木製の扉についた呼び鈴の紐を引いてしばらくすると中から扉が開き、詰襟のかっちりとしたデザインの制服を着た使用人が現れ、シトロンにあいさつを――しようとして、彼の背後に目を止めると固まってしまったのだった。
「まさか陛下がお越しになるとは」
そう言って苦笑いを浮かべたのはこの屋敷の主であるケンタオアだった。
「使用人たちが驚くのでこれからは事前に来るとおっしゃってください」
ガーディアは鼻で笑い、用意された口当たりはいいが度数の強い果実酒の入ったグラスを手に取った。
広さの割に部屋数が少ないケンタオアの屋敷の一室に通され、二人はくつろいでいた。応接室か談話室らしいその部屋にはテーブルやソファのような家具はなく、部屋の中央の床にはやわらかな敷物が敷かれ、いくつものクッションがおかれていた。その中心にはテーブル代わりにクロスがかかった五角形の板があり、テーブル代わりのその上に今は果実酒の瓶やつまみが並べられていた。
王国軍の長であるケンタオアはがっしりとした人間の上半身と、同じく立派な青毛の馬の下半身を持っているケンタウロスだ。軍部などでは人型の多い周囲に合わせて下半身も人型を取っているが、家を含めたプライベートでは元の姿で過ごしている。それに合わせて屋敷も彼が過ごしやすい形をしていた。
「それで――まさか酒を飲むためにこんな夜分に雨の中やって来たわけではないでしょう? ご用件は?」
「お前の妻は妖精だったな」
「ええ、輝きの湖の出身の妖精です」
ケンタオアの妻は、可憐な容姿の妖精で夫のとなりに立つとまるで少女のようだと中枢区でもよく話題になる。と言っても魔族の見た目は実年齢と一致しない。事実、見かけは年上に見えるケンタオアよりガーディアの方がずっと年上だったし、ケンタオアの妻もケンタオアより少しだけ年上らしい。
「聞きたいことがある」とガーディアが告げると、ケンタオアは手元にあったベルを鳴らして使用人を呼び、その可憐な妻を呼んでくるようにと告げた。それなりに遅い時間だったため、私室でくつろいでいたようだ。
「お呼びとうかがいました」
使用人を向かわせてすぐにケンタオアの妻であるプリュイがやって来た。突然の来訪だったにも関わらずガーディアとシトロンに愛想よくあいさつをし、ケンタオアのとなりに座った彼女は近くで見るとますます少女のようで、ケンタオアの年上の妻だとは信じられない。
「陛下が君に聞きたいことがあるそうだ」
「わたくしにですか? お答えできることでしたら何でもお聞きください」
「“妖精の雫”について知りたい」
ガーディアの言葉にプリュイは目を丸くした。
「よくご存知ですね」
「名前だけだ」
「妖精族でもおとぎ話のような物ですのよ」
プリュイの話ではあくまで静かの森の妖精族に伝わる宝で、輝きの湖ではあまり広まっておらず、実物を見たことはないそうだ。シトロンがミモザたちから聞いた“妖精の雫”の情報はもちろんガーディアにも共有してあった。
「どうして突然“妖精の雫”のことを?」
「妃候補の一人が持っているんです。それで――」
ガーディアをちらりと見上げながらシトロンは口ごもった。
「俺の魔力が使われているようだ」
「陛下の?」
ケンタオアの声が低くなり、「気にするな」とガーディアは少し面倒そうに手を振った。ガーディアは一応この国の王で、ケンタオアは国を守る軍人だ。ガーディアに何かあれば――実際にガーディアを害することができるかは別にして――黙ってはいられない。
「別に問題が起きたわけじゃない。ただ不快なだけだ」
「陛下の魔力を使えばそれこそどんな願いも叶いそうですわね」
プリュイはそう言って夫に“妖精の雫”の作り方について簡単に説明した。
「それで、“妖精の雫”で何が起こっているのですか?」
「あの女は俺の幸いの姿をしていた」
夫婦はそろって目を丸くし、それから何とも複雑そうな顔をした。あきれや同情が浮かんでいる。おそらく、フィアレンセに対してのものだろうとシトロンは思った。
ガーディアが彼の最愛をどれだけ大切にしているか、シトロンよりもガーディアと付き合いの長いこの夫婦はよくわかっているだろう。フィアレンセがその姿を勝手に利用しているとなればガーディアが彼女に対してどういう態度を取るか考えるまでもない。ガーディアの気性も合わせて、フィアレンセに同情を覚えるのは条件反射のようなものだ。
「ただ、最初にあの女を見た時は彼女も一番最初の姿だったのに今日の茶会でまた姿が変わった」
「母上の姿になったんです。その候補者は一人だけ立候補なので陛下の気を引くための願いをしたと思うのですが……」
シトロンは眉を下げた。
「ではその候補者の妖精は、陛下の大切な方になりたいと願ったのかもしれませんね」
「それって――」
「“妖精の雫”は一つにつき叶えられる願いは一つだけです。姿を変えたいと願って、姿が変わるのがそう何度も起きるのはおかしいのです。ですが陛下の大切な方になりたいという願いなら、姿が変わるのもそうおかしくはないのでは?」
「なるほど――」
「“妖精の雫”が何度もその力を発揮している、という点ではそう変わらないかもしれません――願いを叶えたらその輝きも失われそうなもののような気もしますが……」
「陛下の魔力は強すぎる。想像できないようなことが起きても不思議ではない」
「それならその妖精は、すぐにでも“妖精の雫”に頼るのをやめた方がいいかもしれませんわ」
プリュイは静かに告げた。
「そういう身の丈に合わない力を持った物を使うと、大抵は手痛いしっぺ返しがありますから」
冷ややかな視線と声だった。ざわりと毛皮が揺れるのを感じ、シトロンはガーディアを思わず見上げたが、彼は特に何の反応もなくグラスに口をつけていた。
「使うのをやめるのを待つのではなく、こちらから効果を消すことはできないのか?」
「できます――簡単なことですわ。“妖精の雫”を壊せばいいのです。ただ、元が朝露だからか物理的な力では壊せないと聞いたことがあります」
「陛下ならどちらにしろ難しいことではないでしょう」
ケンタオアの言葉にプリュイは「それもそうですね」と同意した。確かにガーディアなら物理にしろ魔力を使うにしろどうにでもできるだろう。しかし――
「ですが彼女はいつも髪飾りとして“妖精の雫”を身につけています」
「むしり取ればいいだろう」
「陛下……」
あきれた視線を向けるシトロンに、ガーディアは肩をすくめてグラスの中身を煽った。
「ですが“妖精の雫”を作るのはとても難しいらしいのに、わざわざ作って願いを叶えようとするなんて、その妖精はよほど陛下にご執心なのですね――妖精族らしいといえばらしいのですが」
「見た目だけ俺の幸いの姿になったところで意味はないが」
「お慕いしている相手を手に入れるためならどんなことでもしたくなるのが妖精の性ですわ」
ガーディアの空になったグラスに酒を注ぐシトロンが眉をひそめるのを見ながらガーディアは淡々と答えた。
「だからと言っていつまでも彼女の姿を勝手に使うのを許すわけにはいかない」
「そうは言っても懐かしい姿に思うところがあったのではないのですか?」
「プ、プリュイ!」
からかうようなプリュイの口調にガーディアは苦虫をかみつぶした顔をした。ケンタオアが慌ててなだめても彼の妻はにこにこと笑うばかりだ。
「驚きはしたが――」
ガーディアはそんなプリュイの態度に不満そうな顔をしながら口を開いた。
「それだけだ――彼女もとなりにいたし……」
「彼女というのはまさか――候補者の中にいたのですが?」
「いや、王宮で使用人として働いている。俺と同じドラゴンだ」
「まあ、そうなのですね」
ケンタオアとプリュイがどこか微笑ましそうにガ―ディアを見るのに対し、シトロンは心配そうにとなりに座るガーディアを見上げた。「彼女とどうなるかはわからないが」と低い声でつづけたガーディアの表情はどこか冴えない。
“白い庭”ではじめてフィアレンセと顔を合わせた時のミモザの顔がふと浮かび、ガーディアは心臓が重くなったような気がした。あの時彼女は、どこか傷ついたような瞳をしていた。そうさせたのが自分だと思うと、のどを噛みちぎりたい気持ちになる。
同時に、ミモザが自分を少しでも気にかけてくれているのだろうかという希望も胸に過った。
「折角同じ種族になったのですから、うまくいくといいですわね」
果実酒の瓶が空になり、ガーディアとシトロンは王宮へ帰ることにした。雨はまだ降りつづいている。少なくとも夜が明けるまではやみそうになかった。
「ミモザは――」
夜の街を駆けるために狼の姿に戻ったシトロンの耳に、ガーディアが雨粒と共に落とした声が届いた。見上げた彼の横顔は夜の暗闇に溶け込んでいるようだった。
「俺のことを何か言っていたか?」
「“白い庭”で、あの妖精と会った時のこと?」
「ああ」
「……特には。ただ、陛下は動揺していたって」
「誤解をさせていなければいいんだが……」
「それは大丈夫だと思うけど――仮にそうだったとしても、今日の茶会での陛下の態度を見たら誤解だったって気づくよ」
「それより――」と声を低くしたシトロンに、ガーディアの夜の闇にも溶け込まない金色の瞳が向けられた。
「どうやって“妖精の雫”を奪うか考えないと」
「そうだな」
「なんだか不安なんだ――もし母上が……ミモザが母上の生まれ変わりだってあの妖精が知ったら、母上に何かしてきそうで」
妖精族は執着心が強い。先ほどまで話していたプリュイだって、可憐な容姿をしているがケンタオアを振り向かせるのに幻術を使ったと聞いたことがある――笑い話としてだが。しかし、フィアレンセはそうはいかないだろう。
「若くてもミモザはドラゴンだ。妖精がどうにかできる相手ではないが……」
表情はやはり夜の闇のせいで見づらかったが、その声にははっきりとミモザに対する心配の色が浮かんでいた。
「ミモザのことは、ちゃんと守る」
白銀の角がきらめいた気がした。それをもう一度確かめるようにシトロンが瞬きをする間に、ガーディアの姿は夜の闇に本当に溶けてしまった。闇がまた王都の街並みの合間を駆け抜けていくのを、シトロンは慌てて追いかけて行ったのだった。
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