夢の中でもつかまえて~会社の先輩の強引な罠から逃れられません~

haru

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4.落とし物

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「あっ・・・」
(そっか、私そのまま 仮眠室で、寝ちゃったんだ・・・)
 昨夜のことが脳裏にいくつも浮かんできて、徐々に顔が赤くなる。
(うわっ、私・・・なんつー夢を・・・)

「はぁっ・・・なんか、リアルな感じだったな・・・」
 上半身だけ起こして、数秒固まってしまう――――
(なんかボーッとしちゃうけど、いかんいかん、早く準備しなくっちゃ)

 バッグの上に置いてたメガネケースから黒縁メガネを取り出し、
 ベッドから立ち上がると、パラっと何かが足元に落ちる。
「んっ?・・・なに、これ?」
 床から拾い上げると、濃紺のハンカチ。
 『25℃』の ブランド名が入ってるけど、これって、男性用・・・だよね?
 な、なんでこのベッドに・・・・?

 まさか、昨日・・・

 いやいやいや・・・そんな・・・
 別日に利用した人の忘れ物、だよ、きっと、うん。

 右手でハンカチをつまみ上げ
「み、見なかったことにしよう・・・」
 畳んだハンカチをベッドの端に置いて、静かに部屋から退出した。

「おはようございまーす・・」
 お手洗いで身支度を済ませ、デザイン室に入ると、
 すでに何人かの人が仕事を始めていた。
(さ、私も気持ち切り替えて、仕事の続きしなくちゃ・・)
 デスクトップ横のスタンドに立てられかけた指示書を見ながら、パソコンを立ち上げる。

 ずっと作業に集中してて、気がつくと、外も暗くなってきて―――
 フロアの時計を見上げると、すでに午後7時を指していた。
(あ、今日は早めに上がれそう・・・)

 素早く、帰り支度を済ませ、下りのエレベーターに乗ろうとした時、
 遅れて人が入ってきた。


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