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幕間 ルダス
幕間 5
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ーー
そこから先の記憶は、ひどく曖昧だった。
「日中あなたは信心深い教徒になります。慈愛に満ち、たくさんの方に笑顔を振りまくあなたは、疑うことを知りません。」
無骨な指が瞼を柔らかく撫で、唇のふちをぐっとなぞる。何か、香油でも塗っているのだろうか、花のにおいがした、
「しかし、エルフに対してだけあなたの態度は急変します。兄の仇、全世界の敵。あなたの憎しみや悲しみは、周囲に哀れみを抱かせます。あなたは沢山の憐憫を受けることでしょう。」
目じりから、頬骨の上。ゆっくりなぞるように別のにおいの香油が伝い落ちていく。泣いてないのに涙のように頬にまとわりついて鬱陶しい。私は、エルフを憎いだなんて思っていない、兄様が死んだのは母上のせいで。アザリア義兄さまが悲しむのはエルフを人間が殺戮しているからで。だから、私の心にルニカ神はいない。ガゼラ、お前しかいないのに。
「ーーそして、わたくしを嫌いになる」
「ーーっ」
嫌だと寝台から跳ね起きようとしたが、体が動かない。なんで、いやだ。しないで。おいていかないで。
ーー
神にいくら祈りをささげようとも、死んだ兄様は帰ってこないし、エルフは死なない。ああ、イライラする。あのいやらしい耳長を根絶やしにしたい。
「ルダス様、お帰りなさいませ。」
視界の中に入り込んできたのは、私が所有している耳長だ。汚い、黒い、耳長。目障り、目障りだ。くん、と香りがする。私の信仰心がこの黒い耳長を許せない、
「耳長のくせに遅い。貴様のひょろ長い脚は飾りか?」
「ーー申し訳ありません。明日から進軍ですね」
「私がいなくなっても、耳長の貴様が神に許されないことを覚えていろ」
「ふふ、そう、ですね」
黒い瞳がすうと細くなり、その笑顔に心拍が上がる。人を陥れるために、顔だけはよいのだから本当に卑しい耳長だ。
「何がおかしい、耳長。」
「いいえ。失礼しました、明日の準備を整えております、聖者隊のマントに刺繍が終わりまして、採寸の最終確認をと……」
「ふん、仕事の遅いやつめ。それで、どこに置いてあるんだ」
「ルダス様の自室に。」
「さっさとこい」
ーー
自室に入ると、後ろからいきなり水をぶちまけられた、
「ガゼラお前何するんだ!」
「まじないは解けましたか、ルダス様。」
「何を…、あ」
先ほどまで靄がかかっていた意識が鮮明になった。そして、数々の大人気ない蛮行、エルフに対する侮蔑の気持ちを、恨みを思い出す。
「ガゼラ、お前……私に何をしたんだ」
自分の知らない自分の思考行動に目を白黒していると、ガゼラは目を細めて笑った。その頬には私が、憎悪に突き動かされ手を挙げた跡が、痛々しい白い包帯があった。なぜ、そんなことをしたんだろう。なぜ、ガゼラを……、私のものだと、大切にしなければと…思ってたのに。頬の包帯をなぞり、すまない、痛かっただろうとつぶやく。
「エルフを嫌ってるふりでよろしいのに、わたくしにお優しくなさいますから…少しおまじないをしただけです。」
「それはエルフ全体が持つ力か?」
「わたくし個人が持つ力だと、思います。同じ能力を持っているエルフに会う前に…わたくしはあの檻にいましたので断言はできませんが」
「……そうか。ならいい。」
人間の…いや、私の罪に、押しつぶされそうになる。ガゼラのことを本当に思うのならば、エルフの森に返してやらねばならないのに。あの奴隷商人と私に違いはない。人間の理や勝手な礼儀を教え込んで…がんじがらめに、して……、宝石のように飾り立てて。それでも、そばに置きたくて。あさましい自分に嫌気がさす。
「すまないな」
「っいいえ!」
ガゼラが珍しく、大きな声を上げる。
「わたくしは、ルダス様のそばにいられて幸せです。ルダス様にあうために、必要だったことなのなら耳を切られたことも、奴隷商人に鞭を打たれたことも…すべてが、正しいことだったのだと思っています」
「ガゼラ……」
「…喜んでもらうためのおべっかではない、わたくしが本心で思っていることです。ですから…お願いです、そんな悲しい顔をなさらないでください。」
「…でも、お前の選択肢を狭めたのは私たちだ。その少ない選択の中で結果的にマシだったというだけ、もっと、他の幸せがあったはずだ。」
「っわたくしは。…いえ、やめましょう、もしもの話ほど不毛です。わたくしには、ルダス様がいる今が全てです。だから、必ず、帰ってきてください。」
ーー
「これは……?」
可憐なスズランにも似た花と大ぶりな葉が沈んだ瓶が10個並んでいる。開けると、ガゼラがいつも身にまとっている花の香りがした。
「わたくしができる最後のおまじないです。襲い掛かってきたものに対してぶつけてください。足をしびれさせる毒がある薬です。…絶対に帰ってきてください。」
「…わかった。ありがとうな。」
ーーー
ダリアの花言葉 裏切り
アセビの花言葉 献身 あなたと二人旅をしましょう
アセビの葉,花,茎には毒性(グラヤノイド)があり、毒による血圧低下、腹痛、下痢、嘔吐、呼吸麻痺、神経麻痺が見られる。ガゼラの魔力がこもった薬品のため、粘膜接種でなくとも効果がある。
そこから先の記憶は、ひどく曖昧だった。
「日中あなたは信心深い教徒になります。慈愛に満ち、たくさんの方に笑顔を振りまくあなたは、疑うことを知りません。」
無骨な指が瞼を柔らかく撫で、唇のふちをぐっとなぞる。何か、香油でも塗っているのだろうか、花のにおいがした、
「しかし、エルフに対してだけあなたの態度は急変します。兄の仇、全世界の敵。あなたの憎しみや悲しみは、周囲に哀れみを抱かせます。あなたは沢山の憐憫を受けることでしょう。」
目じりから、頬骨の上。ゆっくりなぞるように別のにおいの香油が伝い落ちていく。泣いてないのに涙のように頬にまとわりついて鬱陶しい。私は、エルフを憎いだなんて思っていない、兄様が死んだのは母上のせいで。アザリア義兄さまが悲しむのはエルフを人間が殺戮しているからで。だから、私の心にルニカ神はいない。ガゼラ、お前しかいないのに。
「ーーそして、わたくしを嫌いになる」
「ーーっ」
嫌だと寝台から跳ね起きようとしたが、体が動かない。なんで、いやだ。しないで。おいていかないで。
ーー
神にいくら祈りをささげようとも、死んだ兄様は帰ってこないし、エルフは死なない。ああ、イライラする。あのいやらしい耳長を根絶やしにしたい。
「ルダス様、お帰りなさいませ。」
視界の中に入り込んできたのは、私が所有している耳長だ。汚い、黒い、耳長。目障り、目障りだ。くん、と香りがする。私の信仰心がこの黒い耳長を許せない、
「耳長のくせに遅い。貴様のひょろ長い脚は飾りか?」
「ーー申し訳ありません。明日から進軍ですね」
「私がいなくなっても、耳長の貴様が神に許されないことを覚えていろ」
「ふふ、そう、ですね」
黒い瞳がすうと細くなり、その笑顔に心拍が上がる。人を陥れるために、顔だけはよいのだから本当に卑しい耳長だ。
「何がおかしい、耳長。」
「いいえ。失礼しました、明日の準備を整えております、聖者隊のマントに刺繍が終わりまして、採寸の最終確認をと……」
「ふん、仕事の遅いやつめ。それで、どこに置いてあるんだ」
「ルダス様の自室に。」
「さっさとこい」
ーー
自室に入ると、後ろからいきなり水をぶちまけられた、
「ガゼラお前何するんだ!」
「まじないは解けましたか、ルダス様。」
「何を…、あ」
先ほどまで靄がかかっていた意識が鮮明になった。そして、数々の大人気ない蛮行、エルフに対する侮蔑の気持ちを、恨みを思い出す。
「ガゼラ、お前……私に何をしたんだ」
自分の知らない自分の思考行動に目を白黒していると、ガゼラは目を細めて笑った。その頬には私が、憎悪に突き動かされ手を挙げた跡が、痛々しい白い包帯があった。なぜ、そんなことをしたんだろう。なぜ、ガゼラを……、私のものだと、大切にしなければと…思ってたのに。頬の包帯をなぞり、すまない、痛かっただろうとつぶやく。
「エルフを嫌ってるふりでよろしいのに、わたくしにお優しくなさいますから…少しおまじないをしただけです。」
「それはエルフ全体が持つ力か?」
「わたくし個人が持つ力だと、思います。同じ能力を持っているエルフに会う前に…わたくしはあの檻にいましたので断言はできませんが」
「……そうか。ならいい。」
人間の…いや、私の罪に、押しつぶされそうになる。ガゼラのことを本当に思うのならば、エルフの森に返してやらねばならないのに。あの奴隷商人と私に違いはない。人間の理や勝手な礼儀を教え込んで…がんじがらめに、して……、宝石のように飾り立てて。それでも、そばに置きたくて。あさましい自分に嫌気がさす。
「すまないな」
「っいいえ!」
ガゼラが珍しく、大きな声を上げる。
「わたくしは、ルダス様のそばにいられて幸せです。ルダス様にあうために、必要だったことなのなら耳を切られたことも、奴隷商人に鞭を打たれたことも…すべてが、正しいことだったのだと思っています」
「ガゼラ……」
「…喜んでもらうためのおべっかではない、わたくしが本心で思っていることです。ですから…お願いです、そんな悲しい顔をなさらないでください。」
「…でも、お前の選択肢を狭めたのは私たちだ。その少ない選択の中で結果的にマシだったというだけ、もっと、他の幸せがあったはずだ。」
「っわたくしは。…いえ、やめましょう、もしもの話ほど不毛です。わたくしには、ルダス様がいる今が全てです。だから、必ず、帰ってきてください。」
ーー
「これは……?」
可憐なスズランにも似た花と大ぶりな葉が沈んだ瓶が10個並んでいる。開けると、ガゼラがいつも身にまとっている花の香りがした。
「わたくしができる最後のおまじないです。襲い掛かってきたものに対してぶつけてください。足をしびれさせる毒がある薬です。…絶対に帰ってきてください。」
「…わかった。ありがとうな。」
ーーー
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