美少女クレーマー探偵と夢殺し完全犯罪論信者

夜野舞斗

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第二節 女子高生VS超絶美少女AI

Ep.3 不確かなもの

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「しっかし、まさか、あれが原因かな?」

 僕が考え事をしているとチラチラこちらを見てくる理亜。スルーしようと思うも、ナノカが先に聞いてしまう。

「何か思い当たる節でもあるの?」

 余計なことをしてしまったのではないかと心の中でツッコミを入れておく。理亜の方はまるで主人が構ってくれた仔犬のように嬉しそうな顔で語り始めた。

「いやなぁ、この前AIに一足す一はって、問題を出したんだ」
「何出してんのよ……」
「で、二って答えるからそこは田んぼの田だろってやってな」
「悪質極まりないズル問題ね」
「で、もう一度問題を出したんだ。同じ問題でな」
「何で!?」
「で、今度は田って来たから、二って返した。そしたら何かバグっちゃってさぁ。ううん、あの恨みなのか?」

 ナノカは聞いた自分が馬鹿だったと揶揄するかの如く、腕をだらんとさせて僕の元に戻ってくる。

「相変わらず、マイペースな子よね、理亜ちゃんって」

 今、理亜がぼそっと「ナノカには負けるがな」と言ったのを聞き逃さなかった。一瞬その言葉がナノカに届いていないかとハラハラしてしまう。途端にナノカから「どうしたの」の一言。生憎、彼女には聞こえていなかったようだから安心はしておいた。
 一応、話をまとめておこうではないか。これ以上、理亜が変なことを言わないように。

「理亜、で何が結局言いたいんだ?」
「機械とは一番信用しているものでありつつ、一番不確かなものだなぁ、と」

 意味が分からない。時々、こんな発言をする理亜のことが僕は遠くにいる人にも見える。
 ただ、そこから引っ張ってきてくれるのがナノカだ。彼女をブランコに乗りなさいと命令する。

「理亜ちゃん、ちょっとブランコ押してあげるから、乗りなさいな」
「えっ?」
「そんな伝わりにくい発言をするってことは、頭がこんがらがってんでしょ。ブランコに乗って風を浴びて、頭冷やしなさい」
「伝わりにくいってハッキリ言うな……」
「どんなことでもしっかり伝えないと……!」

 ブランコに乗せられた理亜はあまりにナノカが背中を押す力が強いものだから、「ちょっと止まれ止まれ」と半笑いで叫んでいる。
 ナノカの発言から一つ確認したいことができた。理亜のことよりも重要なことだと、ナノカの方に相談させてもらう。

「で、そういや、どうする? 今回の誹謗中傷についての話はみんなにする?」
「ええ。サークルの人達には知っておいてもらいたい状況だから……!」
「で、アヤコさんの件についてはどうする?」
「蹴ったってことに関してはまだ不確定よ。もしかしたら事故で蹴り倒しちゃったのを、他の人が見間違えたって可能性もゼロじゃないと思いたいし……それはちゃんと疑いが固まったらってことにしましょ。それまで言うのは禁止!」
「了解」

 話に置いてかれた理亜が気付けば、ヘロヘロになっていた。ブランコから降りて、ナノカにアドバイスをしてきた。

「これ……近所の子供にやってたりは……しないよな……?」
「大丈夫よ。弟にしかやってないから……小さい子はもっとゆっくりがいいみたいだし」
「大人だからって、大丈夫な訳じゃ……ないんだぞ……後、弟にやってんのかよ……これ……」

 ニヤニヤして余裕を見せているかと思いきや、肌の方は少し青くなっている。ナノカも少しやりすぎなのを感じてから、ベンチに座らせた。
 二人がベンチに座っているのを見ながら、僕が次にやるべきことを相談する。

「で明日から土日に、入る訳だけど。何かできることってないかなぁ。まぁ、とにかくアヤコさんが土日ずっと変な奴に纏わりつかれるのもクレーマー……サポーターとしては見ていられないから」

 するべきことは何か。理亜がスマートフォンを手にして、案を出してくれた。

「じゃあ……集まって相談すんのが一番だな。サークルメンバーへのメールは……」
「ああ、メールとか交換してないんだよね……し忘れた」

 ナノカの方も言いづらそうに「ワタシも……聞く時間より、ついつい活動の方を優先しちゃって」と。彼女は校則の問題であまり学校でスマートフォンを出したくないだろうから、なかなかチャットのアドレス交換などもできないみたい。

「んな……じゃあ、SNSのメッセージで送ればどうだ?」

 なんて発言に今度はナノカが食いついた。

「ちょっとちょっと! 集合場所とか書いたら、住所とか特定されるでしょ! 特にその嫌がらせしてくる相手に!」
「いや、そうじゃない。ダイレクトメッセージなら他の人は見れないだろ」

 今度は僕は反論してしまった。

「いや、ダイレクトメッセージの方開いてないみたいなんだよね。互いにフォローしてないと送れないみたい」
「じゃあ、フォローして返してくれるか……?」

 理亜の提案に僕は何度も首を横に振ってしまう。今回ばかりは理亜に案を出させて否定するという状態で申し訳がない。

「ごめん……僕からは無理だ。まず、彼女が仲間と企業以外フォローとかはしていないみたいだから……たぶん返してはもらえないな」

 今度はナノカが口を出す。

「じゃあ、知り合いって言ったらどうかしら……?」
「残念ながら……知り合いって言うと……うん、彼女のプロフィールに個人情報を公開する人、お断りって……なってるから、無理だ。僕、まず名前が違うし、ちょっとこの辺の状況を知れるような内容を発信したこともあるから……逆に新しく作っても、それはもう怪しいアカウントでしかないんだよね」

 そう返した時、ふとナノカがまた何か疑問を思い付いたらしい。眉根を寄せて、唸り始めた。

「あれ……そういや、アヤコちゃん達って……あれ? 最初、SNSで学校が近いってことが判明してとか言ってなかった? 確か、そう。古戸くんに教えてもらったじゃない」
「そういや……。でもまぁ、ダイレクトメッセージで話すようになって……ってあれ? 一応は歌う人と作る人じゃ別ジャンルだよな……逆に一緒になるとしたら……元々はここに自分の住んでる場所とか書いてたのかな……?」
「その可能性が高いかも。同じ住所で似たような活動をしている人ってなれば、一緒に話す理由にもなるでしょ。それでなら、お互いまぁ、フォローって言うの? そうするのが普通じゃないかしら?」
「人によって、そこは違うかもだけれども」

 もしかしたら、住所を公開していたのではないか。まぁ、してなくとももっと個人情報に関しての規制は緩かったのではないか。
 何が彼女のネットリテラシーなるものを強めたのか。事件に関係しているかもしれないし、無関係かもしれない。
 一つ疑問が生まれた状態で話は進んでいく。
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