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第二節 女子高生VS超絶美少女AI
Ep.6 謎解きハイキング
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「アヤコがそこまで言うんなら……」
「ありがと」
三葉さんにアヤコさんの思いが届いたようで、僕から足を引いていく。敵意も消えていった。
ここから少しでも話を続けて行こうとたくさんの案が出ていった。八木岡くんが犯人を見つけずとも誹謗中傷をやめさせるのはどうだろうかという考えも出していた。最初は余計なメンバーだと思ってしまったことを今は酷く後悔している。いや、最初に「分かんなーい! もう気にしないことがいいと思う! SNSやんない! 投稿する時は全部このれんかに任せて!」と言って、子犬がいるところに飛んでいった芦峯さんに関しては、その感情はないが。
理亜が通報しても出てくるのなら、これ以上に知りたくない酷い目に遭わせるべきかととんでもないことを言い出した。すぐさまナノカに否定されていたが。
他に案があるかと周りの顔を窺っていると、火村さんがウェットティッシュを持っているのに気が付いた。その視線に気付いた彼女が僕に手渡してくる。
「あっ、先輩も一枚どうですか? ほら、皆さんも!」
そこに関して僕も、ナノカも理亜も。犬を触っていたからちょうど良いと芦峯さんも。その中で彼女のお腹が響く。「お腹減っちゃったね」とかなり呑気な発言をした際、すぐ桃助くんが発言した。
「あっ、そうだ! ボクさ、サンドウィッチ持ってきたんだ! ちょうどいいし、食べようよ!」
持っていた鞄からレジャーシートを取り出した。サンドウィッチの方も用意し、回りに配り始める。と共に火村さんはウェットティッシュを桃助くんに。三葉さんにも強引に手渡していた。八木岡くんの方は手を出さず、袖の中に入れていく。
広げたサンドウィッチはとても綺麗。ハムやレタス、黄色いチーズの彩りもあり、食欲がそそられた。実際、味も美味しい。サンドウィッチのパンにも仄かな甘味が籠められていて、レタスに付けられたソースも美味しい。
ナノカや僕、古戸くんが「美味しい」と賞賛する中、三葉さんもその点について、桃助くんを褒めていた。
「やるじゃねえか。ゲームだけじゃなく、料理の方がうめぇような気もするが」
「そうか……そりゃあ、嬉しいな! まぁ、夜中ゲームをするとお腹が凄い空くからね。その時に腹を満たせるようにって、やってたら」
古戸くんが桃助くんに提案する。
「じゃあ、ゲームだけじゃなく、料理も実況したら?」
「できるかなぁ?」
「できるできる!」
このような光景は微笑ましかった。彼が心から笑えているのも分かる。以前の事件に関して解明していなければ、今のような状況はなかったのかと思うと、少しヒヤリともするが。今はそんなこと、考えない。美味しいことに集中しようかと思っていた。
ただ気になったのは、アヤコさんがサンドウィッチを手に取っていないことだった。疑問について芦峯さんが聞いていく。
「あれ? アヤコちゃん、食べないの?」
「ごめん……食べたいんだけど、今日の朝からすっごく、お腹が痛くてさ……本当、桃助くん、ごめん」
桃助くんは「いや、それを知らずにこちらこそ、ごめん」と。と同時に三葉さんの顔が曇るものの一瞬。見間違えだったか。ただ気になっていると、ナノカからツッコミが来た。それもまず先程のウェットティッシュが飛んでくる。アルコールの匂いが鼻に刺激する位顔に引っ付いた。
「ちょっと、ジロジロ見ないの……失礼でしょ」
「ご、ごめんって。でもいきなりウェットティッシュで目隠すって……」
「だって、なんか変な目なんだもん。女の子を守らなきゃ」
と言い合うものの結局は僕もナノカも互いに笑い合う。こうしたふざけた時間も楽しい。
題目は誹謗中傷を何とかするためであるが、ここに集まったことは本当に良かったのかもしれない。ハイキング気分で楽しめる。
理亜は桃助くんから袋を貰って、ゴミを集める役目も請け負っていた。理亜が自身から面白いとは無関係なことに走るとは珍しいと思ったけれども。別に理亜だって、面倒なことに関して何もしない人ではない。
「やぁ、集まった集まった十人分のDNA」
いや、今の感情は取り消そう。理亜は全員のウェットティッシュを集めて、何かやらかすつもりだ。ただ今はハイキングの雰囲気を楽しむため、気にしないことにしておこう。
サンドウィッチや会話を楽しんでいた。時にはアヤコさんが夢の話をして、皆が盛り上がっていく。火村さんも期待の眼差しを何度も彼女の方に向けていた。
気付けば、話は誹謗中傷を何とかすることから、夢に向かって頑張る方法に変わっている。
僕には到底興味があるものではない。ただ守りたい、ものではあった。夢は尊いもの。これからも彼等の火をともし続けよう。彼等が笑顔であれば、僕達もこのように楽しめる。色々食事だって美味しくできるし、同級生として鼻が高い。
講演的なものは日が傾くまで続いていく。時間が経つにつれて、解散ムードに変わっていく。まず、桃助くんが「ああ、もう帰らなきゃ!」と素早く走っていった。
そこから、あれ何も解決していないんじゃと僕の心が騒めき始めていた。ようやく危機感が主張し始めた。
しかし、アヤコさんは僕達三人の言葉を肯定してくれた。
「今日は三人共、ありがとね。二人だけじゃなくて、もう一人助っ人も来てくれたことも本当に嬉しかったし。誹謗中傷したのが誰かは分からなくても、こうやって皆で楽しむ時間ができてさ、だいぶリラックスになったな……」
「で、でも……」
悔やむ僕にアヤコさんは無理で作り上げたとびっきりの笑顔を見せてきた。
「大丈夫だって! 明日にはきっと大丈夫になってるから……! あっ、そうだ。連絡先交換しとかないとね。昨日みたいになっちゃうと大変だから! 三人共! スマホ出して!」
スマートフォンで間接的に連絡先の交換をしつつ、ずっと思っていた。何もできなくて、ごめんなさい。ただただ無力な自分が嫌だった。
今さっき夢のために頑張りたいって言っていたのに。何もできなかったのだな、と自分を責めていた。
芦峯さんもいつの間にか姿を消していた。
残ったサークルメンバーと二人は盛り上がる中、僕は淡々と空を見上げている。疲れていることを察してくれたのか、ナノカは慰めてくれた。
「情真くん」
「ナノカ……」
「まぁ、今日は頑張ったわよ。いい話も聞けたんだし。こっちだって何とかできたんだから……どうにかできるわよ。誹謗中傷するのがAIな訳ないんだしさ。後はワタシ達だけでも何とかできるかも」
そこに理亜の気の抜けた欠伸。そして残酷な一言。
「私達で、だと? 無理だな」
「ありがと」
三葉さんにアヤコさんの思いが届いたようで、僕から足を引いていく。敵意も消えていった。
ここから少しでも話を続けて行こうとたくさんの案が出ていった。八木岡くんが犯人を見つけずとも誹謗中傷をやめさせるのはどうだろうかという考えも出していた。最初は余計なメンバーだと思ってしまったことを今は酷く後悔している。いや、最初に「分かんなーい! もう気にしないことがいいと思う! SNSやんない! 投稿する時は全部このれんかに任せて!」と言って、子犬がいるところに飛んでいった芦峯さんに関しては、その感情はないが。
理亜が通報しても出てくるのなら、これ以上に知りたくない酷い目に遭わせるべきかととんでもないことを言い出した。すぐさまナノカに否定されていたが。
他に案があるかと周りの顔を窺っていると、火村さんがウェットティッシュを持っているのに気が付いた。その視線に気付いた彼女が僕に手渡してくる。
「あっ、先輩も一枚どうですか? ほら、皆さんも!」
そこに関して僕も、ナノカも理亜も。犬を触っていたからちょうど良いと芦峯さんも。その中で彼女のお腹が響く。「お腹減っちゃったね」とかなり呑気な発言をした際、すぐ桃助くんが発言した。
「あっ、そうだ! ボクさ、サンドウィッチ持ってきたんだ! ちょうどいいし、食べようよ!」
持っていた鞄からレジャーシートを取り出した。サンドウィッチの方も用意し、回りに配り始める。と共に火村さんはウェットティッシュを桃助くんに。三葉さんにも強引に手渡していた。八木岡くんの方は手を出さず、袖の中に入れていく。
広げたサンドウィッチはとても綺麗。ハムやレタス、黄色いチーズの彩りもあり、食欲がそそられた。実際、味も美味しい。サンドウィッチのパンにも仄かな甘味が籠められていて、レタスに付けられたソースも美味しい。
ナノカや僕、古戸くんが「美味しい」と賞賛する中、三葉さんもその点について、桃助くんを褒めていた。
「やるじゃねえか。ゲームだけじゃなく、料理の方がうめぇような気もするが」
「そうか……そりゃあ、嬉しいな! まぁ、夜中ゲームをするとお腹が凄い空くからね。その時に腹を満たせるようにって、やってたら」
古戸くんが桃助くんに提案する。
「じゃあ、ゲームだけじゃなく、料理も実況したら?」
「できるかなぁ?」
「できるできる!」
このような光景は微笑ましかった。彼が心から笑えているのも分かる。以前の事件に関して解明していなければ、今のような状況はなかったのかと思うと、少しヒヤリともするが。今はそんなこと、考えない。美味しいことに集中しようかと思っていた。
ただ気になったのは、アヤコさんがサンドウィッチを手に取っていないことだった。疑問について芦峯さんが聞いていく。
「あれ? アヤコちゃん、食べないの?」
「ごめん……食べたいんだけど、今日の朝からすっごく、お腹が痛くてさ……本当、桃助くん、ごめん」
桃助くんは「いや、それを知らずにこちらこそ、ごめん」と。と同時に三葉さんの顔が曇るものの一瞬。見間違えだったか。ただ気になっていると、ナノカからツッコミが来た。それもまず先程のウェットティッシュが飛んでくる。アルコールの匂いが鼻に刺激する位顔に引っ付いた。
「ちょっと、ジロジロ見ないの……失礼でしょ」
「ご、ごめんって。でもいきなりウェットティッシュで目隠すって……」
「だって、なんか変な目なんだもん。女の子を守らなきゃ」
と言い合うものの結局は僕もナノカも互いに笑い合う。こうしたふざけた時間も楽しい。
題目は誹謗中傷を何とかするためであるが、ここに集まったことは本当に良かったのかもしれない。ハイキング気分で楽しめる。
理亜は桃助くんから袋を貰って、ゴミを集める役目も請け負っていた。理亜が自身から面白いとは無関係なことに走るとは珍しいと思ったけれども。別に理亜だって、面倒なことに関して何もしない人ではない。
「やぁ、集まった集まった十人分のDNA」
いや、今の感情は取り消そう。理亜は全員のウェットティッシュを集めて、何かやらかすつもりだ。ただ今はハイキングの雰囲気を楽しむため、気にしないことにしておこう。
サンドウィッチや会話を楽しんでいた。時にはアヤコさんが夢の話をして、皆が盛り上がっていく。火村さんも期待の眼差しを何度も彼女の方に向けていた。
気付けば、話は誹謗中傷を何とかすることから、夢に向かって頑張る方法に変わっている。
僕には到底興味があるものではない。ただ守りたい、ものではあった。夢は尊いもの。これからも彼等の火をともし続けよう。彼等が笑顔であれば、僕達もこのように楽しめる。色々食事だって美味しくできるし、同級生として鼻が高い。
講演的なものは日が傾くまで続いていく。時間が経つにつれて、解散ムードに変わっていく。まず、桃助くんが「ああ、もう帰らなきゃ!」と素早く走っていった。
そこから、あれ何も解決していないんじゃと僕の心が騒めき始めていた。ようやく危機感が主張し始めた。
しかし、アヤコさんは僕達三人の言葉を肯定してくれた。
「今日は三人共、ありがとね。二人だけじゃなくて、もう一人助っ人も来てくれたことも本当に嬉しかったし。誹謗中傷したのが誰かは分からなくても、こうやって皆で楽しむ時間ができてさ、だいぶリラックスになったな……」
「で、でも……」
悔やむ僕にアヤコさんは無理で作り上げたとびっきりの笑顔を見せてきた。
「大丈夫だって! 明日にはきっと大丈夫になってるから……! あっ、そうだ。連絡先交換しとかないとね。昨日みたいになっちゃうと大変だから! 三人共! スマホ出して!」
スマートフォンで間接的に連絡先の交換をしつつ、ずっと思っていた。何もできなくて、ごめんなさい。ただただ無力な自分が嫌だった。
今さっき夢のために頑張りたいって言っていたのに。何もできなかったのだな、と自分を責めていた。
芦峯さんもいつの間にか姿を消していた。
残ったサークルメンバーと二人は盛り上がる中、僕は淡々と空を見上げている。疲れていることを察してくれたのか、ナノカは慰めてくれた。
「情真くん」
「ナノカ……」
「まぁ、今日は頑張ったわよ。いい話も聞けたんだし。こっちだって何とかできたんだから……どうにかできるわよ。誹謗中傷するのがAIな訳ないんだしさ。後はワタシ達だけでも何とかできるかも」
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