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1stプロジェクト ヤンデレ懺滅作戦
4.謎だらけの絆とストーカー対策会議
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「それにしても、ストーカーとは……困るわよね」
「そうねえ。知ってる? 犯罪までしてその人にデレデレする人の事ことを萌え要素を入れて、病んでるデレでヤンデレっていうのよね。知ってる? まあ、今回は男のヤンデレだけど……」
「し、知ってるわけないでしょ? そういうゲームみたいなキャラクター、アタシとは無縁だから」
「陽介君。覚えといて。そう言っているユニちゃんがツンデレだから」
「ええ! 絵里利! ちょっと表に出なさい!」
「表は職員室前よ? 戦うの!?」
「勿論よ!」
両手に花の状態だったはずが、いつの間にか修羅場になっていた。……ちなみにぼくは一言も口を挟まなかったからな!
依頼のことに頭を抱えていたはずだが、また別の要素の不安も呼んでもないのにじゃじゃじゃーんだ。もう帰りたい。
何やら廊下から物が崩れたり、壊れたりする音が飛び交っているのは幻聴か。
「ふうふう。また決着はまた今度にしようかしら?」
「そうね。きっと次なら……やれる」
数分後、彼女達が再び部室に戻ってきた。二人がニコニコしてさらに仲良くなったことについては、すぐに分かった。
ご苦労様です。後は背後にいる生徒指導の野木沢に怒鳴られてください。
「お前ら! 廊下で何やってたんだあ!」
「あっ。これはですねえ。これはですねえ」
「えっと、執事……こういう時、近くにいないのよ!」
「二人とも、職員室に来い!」
おいおい……と声をかける前に二人は彼に連れていかれた。
本当にこの二人が完全犯罪計画部の活動を順調に進めていけるとは思えない。
「だめだ。こりゃあ……ぶつぶつぶつぶつ……」
ぼくは誰かが飲み干したお茶のペットボトルと依頼書を握りしめながら、ずっと愚痴を呟いていた。
――――――――――――――――――――
「で、気を取り直して計画会議を始めましょ。ヤンデレをやっつける計画!」
「はい!」
ぼくたちは机に座って、計画を立てていた。書記を務めるのは、東堂さん。彼女は出た案を素早くノートに書いていた。
ぼくは一番最初に気になる点を尋ねるため、左腕を上げる。
「陽介君? なんですか?」
「幾ら相手がヤンデレだからと言って夜襲をして傷つけるなんて、ちょっと酷すぎるんじゃあ」
そこで古月さんも同じことを言う。
「確かにそんなことをしてバレなきゃいいとは思うけど、罪悪感でこっちの精神が持ちません」
「ああ。それね。別に今回の仕事は夜襲。意味としては夜に襲えば……夜に相手を危害を与えられれば、いいと思うのよ。別に鈍器で殴る必要はないわ。依頼と目的を達成させて、完全犯罪を成立させればいいんだから」
危害を与える。その言葉を広くとれば、驚かせることも当てはまるのだ。余計な心配をしたことに嘆息を漏らし、さらにもう一息ついた。まあ、これなら仕事を達成できるかもしれない。まだ残っている軽い罪悪感さえ捨てれば……
「そうね。もう一つ、いい?」
「何?」
古月さんの質問は的を射たものであり、ぼくが同意できる意見でもあった。
「警察に通報できないの? ストーカーなんだから、警察に突き出すのが最善策なんじゃない?」
警察に頼ればストーカー問題など早急に解決すると思うのだが。現に下着が盗まれているのであれば、不法侵入の上に窃盗、間違えなく拘留される犯罪だ。それを相談できない状況に陥っているのか。それとも、忘れているのか。 何を考えてるんだろう?さすがに、そんな馬鹿なことはないと頭の中にある空想を振り飛ばした。
そこに東堂さんからの情報が入ってくる。
「それも考えてるみたいだけど、彼女が怖いのは復讐みたい。捕まった後、釈放されてまた事件を起こすケースは……」
「何度もあるわけね。そうそう、じゃあ相談できる人はいるの?」
相談者か。そんな人物がいれば、ストーカーも無暗に手を出すことができないはずだ。つまり……
「いない。彼女、アパートの一階で一人暮らしみたい。本当に信頼できる友人もいないって言ってたわ」
「分かった。それを考慮して計画を立てれば、いいんだね」
そうか……
古月さんも怖い顔をして問題に取り組んでいた。ぼくも負けじと想像する。どんな場合ならば、ストーカ―に夜襲をかけて町から追い出すことができるのか。
脳内でやるべきことが右往左往している。分からないのだ。この襲撃が浜野先輩が差し向けたものだと知られてはいけないのだ。
「……襲うときの言葉、ストーカーしてたから襲ったってことが分かると困るから、違う言葉で相手を勘違いさせないといけないんだよなあ」
ぼくがボソッと呟いた。しかし何も起こらない。
……夕闇が部屋を覆った。活動終了時刻の17時が迫っている。東堂さんは何度も時計を見て、ぼくたちをせかしていた。
「はやく! 意見ないの!?」
それは、あの時の依頼人と同じ……!
「ねえ。古月さん、東堂さん。あの人が早くあの時間に帰りたがっていたってことは、ストーカーと遭遇しない時間を狙ってたんだよね」
「ええ。そうよね」
東堂さんが頷く。古月さんは「それがどうかしたのよ」とぼくに聞き返した。決まっている。少し道が開けたのだ。
「彼は大学の帰りに彼女をストークしてる! そこを襲うんだよ! そこなら、大学での恨みという感じで……」
「大学かあ。いいんじゃないかしら。ねえ。ユニちゃん」
「確かにそれしかないわね」
二人は、ぼくの話を興味津々に聞いてくれた。後は情報が欲しいのだが……そう口に出すと、古月さんが鞄を持ってぼくたちに呼びかけた。
「校門の外に出て! アタシの力をあんたらは全然知らないようだから思い知らせてやるわ!」
廊下を駆けて、ギリギリ野木沢に下校時刻のことで文句を言われずに済んだ。胸を押さえながら、彼女たちの方を向く。
その時の二人はより困惑した表情で、そわそわと顔を見合わせていた。何かあったのか……!?
「野木沢への反省文どうしようかあ?」
「あんなのお嬢様の書くものじゃないよ!」
「いきなり、何言ってんの? 知らないよ!? それよりも古月さん! 何をやるつもりだったの!?」
「そうねえ。知ってる? 犯罪までしてその人にデレデレする人の事ことを萌え要素を入れて、病んでるデレでヤンデレっていうのよね。知ってる? まあ、今回は男のヤンデレだけど……」
「し、知ってるわけないでしょ? そういうゲームみたいなキャラクター、アタシとは無縁だから」
「陽介君。覚えといて。そう言っているユニちゃんがツンデレだから」
「ええ! 絵里利! ちょっと表に出なさい!」
「表は職員室前よ? 戦うの!?」
「勿論よ!」
両手に花の状態だったはずが、いつの間にか修羅場になっていた。……ちなみにぼくは一言も口を挟まなかったからな!
依頼のことに頭を抱えていたはずだが、また別の要素の不安も呼んでもないのにじゃじゃじゃーんだ。もう帰りたい。
何やら廊下から物が崩れたり、壊れたりする音が飛び交っているのは幻聴か。
「ふうふう。また決着はまた今度にしようかしら?」
「そうね。きっと次なら……やれる」
数分後、彼女達が再び部室に戻ってきた。二人がニコニコしてさらに仲良くなったことについては、すぐに分かった。
ご苦労様です。後は背後にいる生徒指導の野木沢に怒鳴られてください。
「お前ら! 廊下で何やってたんだあ!」
「あっ。これはですねえ。これはですねえ」
「えっと、執事……こういう時、近くにいないのよ!」
「二人とも、職員室に来い!」
おいおい……と声をかける前に二人は彼に連れていかれた。
本当にこの二人が完全犯罪計画部の活動を順調に進めていけるとは思えない。
「だめだ。こりゃあ……ぶつぶつぶつぶつ……」
ぼくは誰かが飲み干したお茶のペットボトルと依頼書を握りしめながら、ずっと愚痴を呟いていた。
――――――――――――――――――――
「で、気を取り直して計画会議を始めましょ。ヤンデレをやっつける計画!」
「はい!」
ぼくたちは机に座って、計画を立てていた。書記を務めるのは、東堂さん。彼女は出た案を素早くノートに書いていた。
ぼくは一番最初に気になる点を尋ねるため、左腕を上げる。
「陽介君? なんですか?」
「幾ら相手がヤンデレだからと言って夜襲をして傷つけるなんて、ちょっと酷すぎるんじゃあ」
そこで古月さんも同じことを言う。
「確かにそんなことをしてバレなきゃいいとは思うけど、罪悪感でこっちの精神が持ちません」
「ああ。それね。別に今回の仕事は夜襲。意味としては夜に襲えば……夜に相手を危害を与えられれば、いいと思うのよ。別に鈍器で殴る必要はないわ。依頼と目的を達成させて、完全犯罪を成立させればいいんだから」
危害を与える。その言葉を広くとれば、驚かせることも当てはまるのだ。余計な心配をしたことに嘆息を漏らし、さらにもう一息ついた。まあ、これなら仕事を達成できるかもしれない。まだ残っている軽い罪悪感さえ捨てれば……
「そうね。もう一つ、いい?」
「何?」
古月さんの質問は的を射たものであり、ぼくが同意できる意見でもあった。
「警察に通報できないの? ストーカーなんだから、警察に突き出すのが最善策なんじゃない?」
警察に頼ればストーカー問題など早急に解決すると思うのだが。現に下着が盗まれているのであれば、不法侵入の上に窃盗、間違えなく拘留される犯罪だ。それを相談できない状況に陥っているのか。それとも、忘れているのか。 何を考えてるんだろう?さすがに、そんな馬鹿なことはないと頭の中にある空想を振り飛ばした。
そこに東堂さんからの情報が入ってくる。
「それも考えてるみたいだけど、彼女が怖いのは復讐みたい。捕まった後、釈放されてまた事件を起こすケースは……」
「何度もあるわけね。そうそう、じゃあ相談できる人はいるの?」
相談者か。そんな人物がいれば、ストーカーも無暗に手を出すことができないはずだ。つまり……
「いない。彼女、アパートの一階で一人暮らしみたい。本当に信頼できる友人もいないって言ってたわ」
「分かった。それを考慮して計画を立てれば、いいんだね」
そうか……
古月さんも怖い顔をして問題に取り組んでいた。ぼくも負けじと想像する。どんな場合ならば、ストーカ―に夜襲をかけて町から追い出すことができるのか。
脳内でやるべきことが右往左往している。分からないのだ。この襲撃が浜野先輩が差し向けたものだと知られてはいけないのだ。
「……襲うときの言葉、ストーカーしてたから襲ったってことが分かると困るから、違う言葉で相手を勘違いさせないといけないんだよなあ」
ぼくがボソッと呟いた。しかし何も起こらない。
……夕闇が部屋を覆った。活動終了時刻の17時が迫っている。東堂さんは何度も時計を見て、ぼくたちをせかしていた。
「はやく! 意見ないの!?」
それは、あの時の依頼人と同じ……!
「ねえ。古月さん、東堂さん。あの人が早くあの時間に帰りたがっていたってことは、ストーカーと遭遇しない時間を狙ってたんだよね」
「ええ。そうよね」
東堂さんが頷く。古月さんは「それがどうかしたのよ」とぼくに聞き返した。決まっている。少し道が開けたのだ。
「彼は大学の帰りに彼女をストークしてる! そこを襲うんだよ! そこなら、大学での恨みという感じで……」
「大学かあ。いいんじゃないかしら。ねえ。ユニちゃん」
「確かにそれしかないわね」
二人は、ぼくの話を興味津々に聞いてくれた。後は情報が欲しいのだが……そう口に出すと、古月さんが鞄を持ってぼくたちに呼びかけた。
「校門の外に出て! アタシの力をあんたらは全然知らないようだから思い知らせてやるわ!」
廊下を駆けて、ギリギリ野木沢に下校時刻のことで文句を言われずに済んだ。胸を押さえながら、彼女たちの方を向く。
その時の二人はより困惑した表情で、そわそわと顔を見合わせていた。何かあったのか……!?
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