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エピローグ②―終‹‹室生犀星視点››
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龍之介君が暴行されてから二年が経った。
心身共に少しずつ回復してきて、外出もできるようになったけど
身体は繋げないままで、
それでも僕が龍之介君へ愛は増すばかりだった。
そんなある日の夜、いつものように、
別々に布団を敷こうとした時、二年ぶりに
後ろから抱き着かれた。
「龍之介君!?」
この二年、僕が抱き締めることはあっても
龍之介君から抱き着いてくることはなかった。
「犀星君……抱いてほしい……
二年も待たせてしまったから、
もう、僕に欲情してくれないかもしれないけど……」
「そんなわけないだろう……
むしろ、龍之介君が寝た後で
自慰をしていたくらいだ……」
僕の自白に龍之介君の抱き着いている腕に力が入った。
「え……」
「龍之介君を怖がらせたくなかったけど
僕も男だからね……」
龍之介君を守りたいと思う一方で、僕も男だから
溜まるものは溜まるから、
龍之介君に気付かれないように自慰をしていた。
「だけど、僕は急がないよ。
龍之介君のペースで構わない。
今日は、裸で抱き締め合うだけにしよう」
久しぶりなのだから“最後”までは無理だろう。
「裸で抱き締め合うだけ?」
龍之介君は首を傾げて訊いてきた。
「そう、それ以上はしない」
「犀星君はそれでいいの……?
それとも、やっぱり、汚されて、
他の人のものを“挿れられた”僕を
“最後”まで抱きたくない?」
龍之介君の言葉に胸の奥が締め付けられた。
「そんなわけない!!
龍之介君は汚されなんかないし
身も心も綺麗なままだよ。
だけど、龍之介君を怖がらせたくないんだ……
“最後”まですることで龍之介君が
二年前のことを思い出してしまうんじゃないかと思ったんだ」
「僕は“最後”までしてほしい。
記憶にあるのが他の人なんて嫌なんだ。
“上書き”してほしい」
龍之介君は僕から離れると、着物の帯を解いた。
「犀星君、僕の肌に触れて」
龍之介君は僕の手を素肌の肩に触れさせた。
「僕に触れて、“最後”まで抱いて。
犀星君を感じたい……
刻みつけてほしい……」
「なんてとこを言い出すんだい!?
そんな、“刻みつけてほしい”なんて言われたら
優しくできなくなってしまうよ……」
そんなことを言われたら、優しくしたいのに
理性より本能が勝ってしまうのが目に見えてしまう。
「いいよ、犀星君になら、乱暴にされても嬉しいから」
「だから、滅多なことを言うものじゃないよ。
僕を信頼してくれているのは嬉しいけど
二年かけて、やっと、落ち着いてきたのに
僕がそれを壊したくないんだ……」
龍之介君の気持ちは嬉しいけど……
「本当に大丈夫だから、ね?
もう一人、犀星君の子を産みたいんだ。
結依人も奏美も手がかからなくなったけど
また、この手に犀星君との子供を抱きたいんだ」
その言葉に僕は泣きそうになった。
「そう言ってくれるのは嬉しいしけど……」
いまだに躊躇っている僕の着物の帯を
龍之介君が解いて抱き着いてきた。
「犀星君の素肌、久しぶり……
ねぇ、ここ、触って」
龍之介君は自ら僕の指を秘部に挿入た。
「んっ、犀星君、指、動かして……」
恐る恐る、指を動かしてみた。
「はぅ、ぁっ、もっと、強く……
前立腺、擦って……」
理性を保ちつつ、龍之介君の要望を叶えた。
「ここかい?」
龍之介君は僕の指で感じてくれているようでよかった。
「そこ、ぁっ、もっと、強く、擦って……
犀星君の指、気持ちいい……
二年前のあの日、僕は、青年二人に同時に挿入られたんだ……
その後で主犯の男にも……」
二年前の全容を知って、僕は息を飲んだ。
「ずっと、そんなことを一人で抱え込んでいたのかい?」
あまりの衝撃事実に、指も止まってしまった。
「うん……だけど、犀星君に触れられると
全て忘れられるから……
指、止めちゃ嫌だ……」
龍之介君の甘い声に
僕の理性と本能が揺さぶられる。
「わかった……」
中を擦るのを再開するとまた、甘い喘ぎ声が僕の耳を擽った。
「気持ちいい……指、もう一本、入れて?」
僕は恐る恐る、指を一本増やし、前立腺をぎゅっと挟んだ。
「ひぁっ、気持ちいい!!」
龍之介君は身体をのけ反らせながら甘い声で喘いだ。
「ふふ、指、気持ちよかった。
犀星君のちょうだい……」
指を抜き、僕は戸惑いながも
ゆっくりと龍之介君の秘部に自分のモノを当てがった。
「痛かったり、怖いと思ったら
すぐに言うんだよ」
「うん……わかった」
僕のモノを少しずつ入れていく。
「やっぱり、痛いかい!?」
そう訊くと龍之介君は首を横に振った。
「大丈夫、だから、奥までちょうだい」
はち切れそうな理性をぎりぎりで保ちながら
ゆっくりと、理龍之介君の奥へと
腰を進めた。
「入ったよ。痛かったり、苦しかったりしないかい?」
「うん、大丈夫だよ。
やっぱり、犀星君だから怖くなかったし
痛くもないよ。
僕のこと、もう一度、犀星君のものにして……」
「いつ、龍之介君が僕のものじゃなくなったんだい?
君が“生き返った”時から、龍之介君は
ずっと、僕のものだと思っていたんだけど、
僕の独りよがりだったかな?」
恐らく、二年前の時のことを言っているんだろうけど、
僕は敢えて、いじわるな言い方をした。
「違うなんて思ってないけど……
僕は一度、どんなかたちであれ、
犀星君以外の人に抱かれてしまったのは事実で
汚されてしまったから」
僕はゆっくりと腰を動かして
龍之介君の不安を快楽に転換させる。
「犀星君……ぁっ、ぁっ……」
「龍之介君、いつから、物覚えが悪くなったんだい?
何度も言うが、龍之介君は汚れてなんかいないし
一生、僕のものだよ。
わかったかい?
ほら、返事は?」
「うん……僕は犀星君のもの……」
僕に抱き着きながら震える声で
返事をした龍之介君の額に口づけをした。
「よくできました」
今日は、二年前のあの日で止まっていた
“夫夫”の時間が再び動き出した日だ。
「犀星君、僕は犀星君の“伴侶”でいいんだよね?」
今にも泣き出しそうな声色で確認してくる龍之介君に
今度は額ではなく唇に口づけた。
「何を言っているんだい。
龍之介君が僕の“伴侶”じゃなかった日は
一日たりともないよ」
「本当に……?
だって、僕は……他の人に……」
まだ、納得しきれていない龍之介君に
身体で教え込む。
「あれは、“抱かれた”んじゃなくて
“暴力を振るわれた”んだよ。
龍之介君を“抱ける”のは僕だけだ、わかったかい?」
少しだけ強めに腰を打ち込む。
「はぁん……犀星君……」
涙を流す龍之介君。
「ごめん、ちょっと、いじわるが過ぎたね……」
僕は急いで龍之介君から離れようとした。
「嫌!! 犀星君、離れないで!!
また、子供ができるくらい、犀星君で満たして」
「龍之介君……
わかった。
少し、激しくなってしまうけど、
大丈夫かい?」
「うん、犀星君なら怖くないから
……刻んでほしい」
本当に龍之介君は昔から
僕を煽るのが上手い。
――
事後、久しぶりの行為に疲れたんだろう、
後処理の途中で眠ってしまった。
しかし、煽り煽られて、かなり、激しくしてしまった……
僕は隣で眠っている龍之介君の寝顔を
見ながら反省した。
僕も隣に寝転がり眠った。
龍之介君が三人目を妊娠していると知るのは五ヶ月後の話。
心身共に少しずつ回復してきて、外出もできるようになったけど
身体は繋げないままで、
それでも僕が龍之介君へ愛は増すばかりだった。
そんなある日の夜、いつものように、
別々に布団を敷こうとした時、二年ぶりに
後ろから抱き着かれた。
「龍之介君!?」
この二年、僕が抱き締めることはあっても
龍之介君から抱き着いてくることはなかった。
「犀星君……抱いてほしい……
二年も待たせてしまったから、
もう、僕に欲情してくれないかもしれないけど……」
「そんなわけないだろう……
むしろ、龍之介君が寝た後で
自慰をしていたくらいだ……」
僕の自白に龍之介君の抱き着いている腕に力が入った。
「え……」
「龍之介君を怖がらせたくなかったけど
僕も男だからね……」
龍之介君を守りたいと思う一方で、僕も男だから
溜まるものは溜まるから、
龍之介君に気付かれないように自慰をしていた。
「だけど、僕は急がないよ。
龍之介君のペースで構わない。
今日は、裸で抱き締め合うだけにしよう」
久しぶりなのだから“最後”までは無理だろう。
「裸で抱き締め合うだけ?」
龍之介君は首を傾げて訊いてきた。
「そう、それ以上はしない」
「犀星君はそれでいいの……?
それとも、やっぱり、汚されて、
他の人のものを“挿れられた”僕を
“最後”まで抱きたくない?」
龍之介君の言葉に胸の奥が締め付けられた。
「そんなわけない!!
龍之介君は汚されなんかないし
身も心も綺麗なままだよ。
だけど、龍之介君を怖がらせたくないんだ……
“最後”まですることで龍之介君が
二年前のことを思い出してしまうんじゃないかと思ったんだ」
「僕は“最後”までしてほしい。
記憶にあるのが他の人なんて嫌なんだ。
“上書き”してほしい」
龍之介君は僕から離れると、着物の帯を解いた。
「犀星君、僕の肌に触れて」
龍之介君は僕の手を素肌の肩に触れさせた。
「僕に触れて、“最後”まで抱いて。
犀星君を感じたい……
刻みつけてほしい……」
「なんてとこを言い出すんだい!?
そんな、“刻みつけてほしい”なんて言われたら
優しくできなくなってしまうよ……」
そんなことを言われたら、優しくしたいのに
理性より本能が勝ってしまうのが目に見えてしまう。
「いいよ、犀星君になら、乱暴にされても嬉しいから」
「だから、滅多なことを言うものじゃないよ。
僕を信頼してくれているのは嬉しいけど
二年かけて、やっと、落ち着いてきたのに
僕がそれを壊したくないんだ……」
龍之介君の気持ちは嬉しいけど……
「本当に大丈夫だから、ね?
もう一人、犀星君の子を産みたいんだ。
結依人も奏美も手がかからなくなったけど
また、この手に犀星君との子供を抱きたいんだ」
その言葉に僕は泣きそうになった。
「そう言ってくれるのは嬉しいしけど……」
いまだに躊躇っている僕の着物の帯を
龍之介君が解いて抱き着いてきた。
「犀星君の素肌、久しぶり……
ねぇ、ここ、触って」
龍之介君は自ら僕の指を秘部に挿入た。
「んっ、犀星君、指、動かして……」
恐る恐る、指を動かしてみた。
「はぅ、ぁっ、もっと、強く……
前立腺、擦って……」
理性を保ちつつ、龍之介君の要望を叶えた。
「ここかい?」
龍之介君は僕の指で感じてくれているようでよかった。
「そこ、ぁっ、もっと、強く、擦って……
犀星君の指、気持ちいい……
二年前のあの日、僕は、青年二人に同時に挿入られたんだ……
その後で主犯の男にも……」
二年前の全容を知って、僕は息を飲んだ。
「ずっと、そんなことを一人で抱え込んでいたのかい?」
あまりの衝撃事実に、指も止まってしまった。
「うん……だけど、犀星君に触れられると
全て忘れられるから……
指、止めちゃ嫌だ……」
龍之介君の甘い声に
僕の理性と本能が揺さぶられる。
「わかった……」
中を擦るのを再開するとまた、甘い喘ぎ声が僕の耳を擽った。
「気持ちいい……指、もう一本、入れて?」
僕は恐る恐る、指を一本増やし、前立腺をぎゅっと挟んだ。
「ひぁっ、気持ちいい!!」
龍之介君は身体をのけ反らせながら甘い声で喘いだ。
「ふふ、指、気持ちよかった。
犀星君のちょうだい……」
指を抜き、僕は戸惑いながも
ゆっくりと龍之介君の秘部に自分のモノを当てがった。
「痛かったり、怖いと思ったら
すぐに言うんだよ」
「うん……わかった」
僕のモノを少しずつ入れていく。
「やっぱり、痛いかい!?」
そう訊くと龍之介君は首を横に振った。
「大丈夫、だから、奥までちょうだい」
はち切れそうな理性をぎりぎりで保ちながら
ゆっくりと、理龍之介君の奥へと
腰を進めた。
「入ったよ。痛かったり、苦しかったりしないかい?」
「うん、大丈夫だよ。
やっぱり、犀星君だから怖くなかったし
痛くもないよ。
僕のこと、もう一度、犀星君のものにして……」
「いつ、龍之介君が僕のものじゃなくなったんだい?
君が“生き返った”時から、龍之介君は
ずっと、僕のものだと思っていたんだけど、
僕の独りよがりだったかな?」
恐らく、二年前の時のことを言っているんだろうけど、
僕は敢えて、いじわるな言い方をした。
「違うなんて思ってないけど……
僕は一度、どんなかたちであれ、
犀星君以外の人に抱かれてしまったのは事実で
汚されてしまったから」
僕はゆっくりと腰を動かして
龍之介君の不安を快楽に転換させる。
「犀星君……ぁっ、ぁっ……」
「龍之介君、いつから、物覚えが悪くなったんだい?
何度も言うが、龍之介君は汚れてなんかいないし
一生、僕のものだよ。
わかったかい?
ほら、返事は?」
「うん……僕は犀星君のもの……」
僕に抱き着きながら震える声で
返事をした龍之介君の額に口づけをした。
「よくできました」
今日は、二年前のあの日で止まっていた
“夫夫”の時間が再び動き出した日だ。
「犀星君、僕は犀星君の“伴侶”でいいんだよね?」
今にも泣き出しそうな声色で確認してくる龍之介君に
今度は額ではなく唇に口づけた。
「何を言っているんだい。
龍之介君が僕の“伴侶”じゃなかった日は
一日たりともないよ」
「本当に……?
だって、僕は……他の人に……」
まだ、納得しきれていない龍之介君に
身体で教え込む。
「あれは、“抱かれた”んじゃなくて
“暴力を振るわれた”んだよ。
龍之介君を“抱ける”のは僕だけだ、わかったかい?」
少しだけ強めに腰を打ち込む。
「はぁん……犀星君……」
涙を流す龍之介君。
「ごめん、ちょっと、いじわるが過ぎたね……」
僕は急いで龍之介君から離れようとした。
「嫌!! 犀星君、離れないで!!
また、子供ができるくらい、犀星君で満たして」
「龍之介君……
わかった。
少し、激しくなってしまうけど、
大丈夫かい?」
「うん、犀星君なら怖くないから
……刻んでほしい」
本当に龍之介君は昔から
僕を煽るのが上手い。
――
事後、久しぶりの行為に疲れたんだろう、
後処理の途中で眠ってしまった。
しかし、煽り煽られて、かなり、激しくしてしまった……
僕は隣で眠っている龍之介君の寝顔を
見ながら反省した。
僕も隣に寝転がり眠った。
龍之介君が三人目を妊娠していると知るのは五ヶ月後の話。
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