恋人を寝取られた俺の親もまた寝取られから始まったと知らされた時

華愁

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恋人を寝取られた俺の親もまた寝取られから始まったと知らされた時

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俺、油原真琴は忙しさにかまけて四年間付き合って来た
星野みゆきと二年間セックレスだった。

それでも、上手く行ったいると思っていた。

しかし、久しぶりに外で打ち合わせがあった帰り、
みゆきが知らない男性と歩いているところに遭遇する。

ショックを受けて実家に寄ると
両親からとんでもない言葉を聞かされた。

父は母を当時の母の恋人から“寝取った”と。

『母さんは、何で父さんを選んだの?』
 
今現在、みゆきの浮気現場を見てしまった今、 母さんの話を聞きたい。

「そうね、当時の恋人より私を見てくれたからかしら。
 
当時の恋人とははっきり言ってしまえば関係が冷めてたのよ。
 
私のことを抱いてくれなくなってたしね」
 
俺は母さんの言葉にドキッとした。

『母さん、みゆきのこと、何か知って……!?』
 
「えぇ、あなたたちが二年間セックレスなこともね。
 
みゆきちゃんに“彼”を紹介したのは私だもの」

は!?どういうことだ!?

『父さんは知ってたのか……?』
 
仮にみゆきが母さんに俺とのことを相談したとして……
 
「知っていたさ。今のみゆきちゃんの相手は俺の知り合いだからな」

父の淡々とした口調が逆に恐ろしかった。

怒鳴り散らすでもなく、ただ“知っていた”とだけ告げる。

『……なんでそんなこと、平然と……!』

俺は声を荒げていた。胸の奥が焼けるように熱い。

「真琴、落ち着いて聞きなさい」

母はゆったりと椅子に腰を下ろし、紅茶を口に含む。

その落ち着きが、俺をますます追い詰めていく。

「みゆきちゃんね、あなたと同じ状況に陥ってたのよ。

好きで付き合ってるのに、女として見てもらえない。抱いてもらえない。

…昔の私と同じ」

『……っ!』

母の言葉が鋭く突き刺さる。まるで鏡を見せつけられているようだった。

「だから私、みゆきちゃんを父さんの知り合いに紹介したの。

優しくて、女をきちんと女として扱ってくれる人にね」

『な……何を勝手に……!』

父がそこで低い声を重ねた。

「お前は知らなかっただろうが、俺だって昔はそうだったんだ。

母さんの元恋人は、彼女を女として見なくなった。

だから俺が“奪った”。寝取ったんだ」

沈黙が落ちる。

――俺の恋人は寝取られた。

――だがその始まりは、自分の両親の過去にも重なっていた。

『……じゃあ、父さんも母さんも、俺に同じ道を歩ませようと……?』

母がふっと笑った。

「歩ませようとなんてしてないわよ。ただ――あなたは、
どうするのかしら? みゆきちゃんを取り返す? 

それとも、私たちのように“別の幸せ”を選ぶ?」

父は静かに目を閉じて言った。

「答えはお前が決めろ。だが知っておけ――

寝取られは裏切りであると同時に、始まりでもあるんだ」

俺は息が詰まった。

胸の奥に渦巻くのは怒りなのか、哀しみなのか、それとも――。

――その夜、俺は自室でベッドに倒れ込み、天井を見上げていた。

みゆきの顔が、あの知らない男と笑い合う姿が、脳裏から離れない。

怒りと焦燥、そしてなぜか胸の奥のざわめき――それは、
自分でも説明できない感情だった。

母の言葉が反芻される。

「好きで付き合ってるのに、女として見てもらえない。
抱いてもらえない…昔の私と同じ」

――俺の心臓が、痛くなるほど早鐘を打つ。

それはただの嫉妬や怒りではない、どこか官能的な感覚を伴う苦しみだった。

母の時と同じく、
愛されずに渇望する女の気持ちを、みゆきは今、味わっている――。

――電話を手に取る。

いや、掛けてはいけない。声を聞けば、理性が崩れそうだ。

それでも指先は画面の上で迷う。

「――どうする、真琴?」

母の問いが、耳元で囁くように響いていた――
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