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第十二話 大人たちの介入
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噂は止まらなかった。
匿名の書き込みはさらに増え、まとめサイトや週刊誌の記者までもが、
校門の外に姿を見せるようになった。
「アイドル科の学生と不良が婚約――」
「業界的にスキャンダルになる」
そんな見出しが飛び交い、ついには学校の教師や学園長までが「事実確認が必要だ」と動き始めた。
(……もう、私たちだけの問題じゃなくなってる)
胸がざわつく。
どうすればいいのかわからず、私は真人君の手を
強く握ることしかできなかった。
その数日後。
――糯田ホールディングス本社。
重厚な会議室に、学校関係者と芸能事務所の人間が呼び出されていた。
その場の空気を支配していたのは、真人君の父糯田嶽だった。
「……我が息子へのくだらぬ中傷。
それを放置していた貴殿らの責任は重い」
低く響く声に、全員が息をのむ。
一流企業のトップとして数々の修羅場を潜ってきた人間の迫力。
さらに、母の瑠美が穏やかな笑顔のまま、静かに言葉を重ねた。
「あなたたち、忘れているようね。
璃羅さんは“私たちの未来の娘”でもあるの。
彼女を傷つけることは、糯田家を敵に回すことだと理解して?」
にこやかな口調なのに、場にいた誰もが背筋を凍らせた。
嶽はさらに畳みかける。
「学校への寄付金は即時停止。
さらに、糯田ホールディングスがスポンサーを降りれば……
君たちの業界はどうなるか、想像できるな?」
その一言で、沈黙が落ちた。
『流石、父さんと母さんだな』
真人君と私は会議室の隅で大人たちの話を聞いていた。
「璃羅・真人、転校する気はあるか?」
あ、この前、真人が言ってた!!
『俺は璃羅がいればどこでも構わねよ』
『私も真人君がいるなら……』
私たちの回答に頷いた二人は直ぐに退学手続きを素早く済ませた。
匿名の書き込みはさらに増え、まとめサイトや週刊誌の記者までもが、
校門の外に姿を見せるようになった。
「アイドル科の学生と不良が婚約――」
「業界的にスキャンダルになる」
そんな見出しが飛び交い、ついには学校の教師や学園長までが「事実確認が必要だ」と動き始めた。
(……もう、私たちだけの問題じゃなくなってる)
胸がざわつく。
どうすればいいのかわからず、私は真人君の手を
強く握ることしかできなかった。
その数日後。
――糯田ホールディングス本社。
重厚な会議室に、学校関係者と芸能事務所の人間が呼び出されていた。
その場の空気を支配していたのは、真人君の父糯田嶽だった。
「……我が息子へのくだらぬ中傷。
それを放置していた貴殿らの責任は重い」
低く響く声に、全員が息をのむ。
一流企業のトップとして数々の修羅場を潜ってきた人間の迫力。
さらに、母の瑠美が穏やかな笑顔のまま、静かに言葉を重ねた。
「あなたたち、忘れているようね。
璃羅さんは“私たちの未来の娘”でもあるの。
彼女を傷つけることは、糯田家を敵に回すことだと理解して?」
にこやかな口調なのに、場にいた誰もが背筋を凍らせた。
嶽はさらに畳みかける。
「学校への寄付金は即時停止。
さらに、糯田ホールディングスがスポンサーを降りれば……
君たちの業界はどうなるか、想像できるな?」
その一言で、沈黙が落ちた。
『流石、父さんと母さんだな』
真人君と私は会議室の隅で大人たちの話を聞いていた。
「璃羅・真人、転校する気はあるか?」
あ、この前、真人が言ってた!!
『俺は璃羅がいればどこでも構わねよ』
『私も真人君がいるなら……』
私たちの回答に頷いた二人は直ぐに退学手続きを素早く済ませた。
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