復讐者・芥川龍之介

華愁

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番外編の番外編 子どもたち(龍之介ととみ子の子)の恋愛事情

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「龍之介、久しぶりだな」

「譲!?」

松岡譲、僕や恭の一髙時代からの親友の一人だ。

「親児さん!!」

犀さんととみ子さんの娘の明星が親児君に抱き着いた。

「明星ちゃん、お父さんたちの前だよ!?」

最近、会えなくて寂しかったんだもの」

親児君の胸に顔を押し宛てている。

「譲、どういうことだい?」

「見ての通り、うちの次男と犀星さんの末っ子の明星ちゃんが交際しているんだよ。

うちの次男と明星ちゃんは純粋な恋愛だ。

因みに、道花ちゃんは三重吉さんと、葵星ちゃんは青楓さんと、風哉君は能成と彩子ちゃんは哲郎と交際中だぞ?」

譲の言葉に僕は目眩を起こしそうになった。

「譲、情報量が多過ぎる!!

親児君と明星は、複雑な気持ちだが譲の息子だし純情そうだから許せるが……

すまない、もう一度、言ってくれるかい?」

譲は肩をすくめて説明してくれた。

「道花ちゃんは三重吉さんの書斎に入り浸りだ。しかも、道花ちゃんが三重吉さんの原稿を“赤”だらけにしているらしい。

葵星ちゃんは青楓さんと感性が合うようで二人で新しい色を作ると言っている。

風哉君は能成の哲学に惚れ込んだらしい。

彩子ちゃんは哲郎の講義に共感したみたいだ」

僕は思わず、大声で犀さんを玄関に呼んだ。

「龍之介君が大声出すなんて珍しい。

おや、松岡君いらっしゃい。

雰囲気からして、うち明星と松岡君の所の親児君が交際しているのかな?」

「犀星さん、久しぶりです。そうですよ。

親児はすっかり明星ちゃんにベタ惚れでね。

この二人はいいんだけど……

少々、厄介なことになっていてね」

僕は今しがた譲から聞いた四つ子の恋愛事情を犀さんに説明した。

「あの拘りの強い三重吉さんの原稿に道花が“赤”を!?」

「ああ、三重吉さんは道花の“赤”が入らないと不安になるとまで言っていて、自ら道花ちゃんに珈琲を淹れているらしい。

能成と風哉君はお互いに陶酔している。

葵星ちゃんと青楓は既存の色じゃ表現できないと言って、あらゆる色の岩絵の具を混ぜ合わせて二人だけの色を作ると言っていた。

彩子ちゃんは必ず哲郎の講義に足を運んでいるよ」

僕も犀さんも頭を抱えた。

「哲郎と彩子ちゃんは照さん公認だそうだ。

まるで、西園寺家と室生家そのものじゃないか」

 譲の一言に反論できなかった……

「犀星お父様と龍之介お父様もとみ子お母様を二人で愛してるじゃない。

お姉様たちもお兄様も三人の背中を見ていたんだもの、似るのは仕方ないと思うわ」

明星は犀さんととみ子さんの子だけど、
感性は僕に似ている。

「譲、哲郎も能成も青楓も三重吉さんも
週末に連れて来てくれ……」

道花の容赦ない添削に三重吉さんが半泣きで書き直す場面に出くわすとことを僕も犀さんもまだ知らない。
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