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久しぶりに紗雪に一緒にホストクラブに行こうと誘われた。俺が紗雪に隠れて零夜くんにお金を使っているうちにいつの間にか別々に行くのが当たり前になってしまった。
零夜くんに紗雪と行くからあまりお金を使えないことと、諸々紗雪には内緒にしてほしい旨を伝えると、「お金なんてそんなに使わなくていいんだよ」とお決まりのような返し方をされた。もっとも、ホストクラブの基準で言えば普段もそれほど使っているわけではないけれど。
紗雪と待ち合わせ、開店時間までファストフード店で腹ごしらえをする。紗雪はカフェに入ろうと言ったが、ファストフードの方が安く上がりそうだと思ったのだ。
「零夜くんとはどう?」
「うん、うまくやってるよ」
何を上手くやっているのかは自分でもわからない。
「歩夢ってさ、零夜くんのことどう思ってるの?」
ポテトが喉に詰まりそうになった。
「どうって、別に......」
「恋してない?」
「......してないよ」
甘ったるいメロンソーダの味が口の中に張り付くようで、飲めば飲むほど喉が渇いた。
「よかった。こういうのは割り切ってほどほどに遊ぶのが一番だからさ。私が連れて行ってもし歩夢が身を滅ぼしたら償いようもない大罪だし」
無駄に大仰な言葉を使ってけらけらと笑う。きっとホストにハマって身を滅ぼす人がいることを知っていても、実感はしていないのだろう。自分で自分を百パーセントコントロールでき、それが当たり前だと思っている紗雪はあまりに眩しい。夜の街には相応しくないほどに。
そこから紗雪は雄飛さんの話、仕事の話、他のホストクラブに通う友人の話などをテンポよくしていく。
妙に居心地が悪かった。紗雪が眩しいのなんて今に始まった話じゃない。もうとっくに慣れたはずだ。
大して内容を理解もしないまま相槌を打つ。
だから、紗雪の視線が俺の背後に向いたことに気が付かなかった。
「ア~ユムっ」
「うわぁ!」
肩を掴まれ、上体を後ろに倒される。強制的に向かされた上には、見慣れた大好きな顔。
「零夜くん......? なんでここに」
「出勤しようと思って歩いてたら、窓からアユムが見えたから」
確かにこの席は通りから見える。
「紗雪とご飯食べてから行くって言ったじゃん」
「まだ行かなくても大丈夫だから、少しここにいてもいい?」
言いながら勝手に荷物をどかして隣に座る。
紗雪が「いいですよ~」と言うと零夜くんは思い出したように紗雪に挨拶した。
「何も頼まないで居座るわけにもいかないし、なんか買ってくるね。アユムなんか食べたいのあったら一口あげるけど」
「大丈夫」
紗雪はまた話の続きを始め、零夜くんが戻ってきたら二人で話し始めた。
「あ、アユムシェイク一口あげる」
「え、あ、ありがと」
零夜くんがぼーっと俺の顔を見ている。
「零夜くん? 大丈夫?」
「え、ああ、うん」
零夜くんは俺が返したシェイクを一気飲みすると立ち上がった。
「そろそろ行くね。また店で」
髪を軽く撫でられる。こういうスキンシップを家と店以外でされるのは初めてで少し戸惑う。
「いっらっしゃい」
「いってきまーす」
零夜くんに紗雪と行くからあまりお金を使えないことと、諸々紗雪には内緒にしてほしい旨を伝えると、「お金なんてそんなに使わなくていいんだよ」とお決まりのような返し方をされた。もっとも、ホストクラブの基準で言えば普段もそれほど使っているわけではないけれど。
紗雪と待ち合わせ、開店時間までファストフード店で腹ごしらえをする。紗雪はカフェに入ろうと言ったが、ファストフードの方が安く上がりそうだと思ったのだ。
「零夜くんとはどう?」
「うん、うまくやってるよ」
何を上手くやっているのかは自分でもわからない。
「歩夢ってさ、零夜くんのことどう思ってるの?」
ポテトが喉に詰まりそうになった。
「どうって、別に......」
「恋してない?」
「......してないよ」
甘ったるいメロンソーダの味が口の中に張り付くようで、飲めば飲むほど喉が渇いた。
「よかった。こういうのは割り切ってほどほどに遊ぶのが一番だからさ。私が連れて行ってもし歩夢が身を滅ぼしたら償いようもない大罪だし」
無駄に大仰な言葉を使ってけらけらと笑う。きっとホストにハマって身を滅ぼす人がいることを知っていても、実感はしていないのだろう。自分で自分を百パーセントコントロールでき、それが当たり前だと思っている紗雪はあまりに眩しい。夜の街には相応しくないほどに。
そこから紗雪は雄飛さんの話、仕事の話、他のホストクラブに通う友人の話などをテンポよくしていく。
妙に居心地が悪かった。紗雪が眩しいのなんて今に始まった話じゃない。もうとっくに慣れたはずだ。
大して内容を理解もしないまま相槌を打つ。
だから、紗雪の視線が俺の背後に向いたことに気が付かなかった。
「ア~ユムっ」
「うわぁ!」
肩を掴まれ、上体を後ろに倒される。強制的に向かされた上には、見慣れた大好きな顔。
「零夜くん......? なんでここに」
「出勤しようと思って歩いてたら、窓からアユムが見えたから」
確かにこの席は通りから見える。
「紗雪とご飯食べてから行くって言ったじゃん」
「まだ行かなくても大丈夫だから、少しここにいてもいい?」
言いながら勝手に荷物をどかして隣に座る。
紗雪が「いいですよ~」と言うと零夜くんは思い出したように紗雪に挨拶した。
「何も頼まないで居座るわけにもいかないし、なんか買ってくるね。アユムなんか食べたいのあったら一口あげるけど」
「大丈夫」
紗雪はまた話の続きを始め、零夜くんが戻ってきたら二人で話し始めた。
「あ、アユムシェイク一口あげる」
「え、あ、ありがと」
零夜くんがぼーっと俺の顔を見ている。
「零夜くん? 大丈夫?」
「え、ああ、うん」
零夜くんは俺が返したシェイクを一気飲みすると立ち上がった。
「そろそろ行くね。また店で」
髪を軽く撫でられる。こういうスキンシップを家と店以外でされるのは初めてで少し戸惑う。
「いっらっしゃい」
「いってきまーす」
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