名探偵シュウと秘密の校舎

にゃんころ魔人

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Ep45:星見探偵団の試練

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放課後、星見探偵団は、昨日受けた3年生・田中翔太の上履き汚染事件の解決に挑んでいた。昨日の計画通り、朝早くから下駄箱と校庭を見張っていたが、犯人にたどり着けずにいた。3人は校庭のベンチに集まり、再び話し合っていた。


ケンタがノートを手に、疲れた声で呟いた。

「朝早く見張ったのに…。下駄箱の前で誰も怪しい動きは見えなかった。足跡も曖昧で…。やっぱりシュウがいないとダメなのか…」


カナエが冷静に分析を試みた。

「ケンタ、足跡は校庭から来てるのは確かだ。でも、朝一番に来る佐々木悠斗が怪しいって線、薄いかもしれない。もっと証拠が必要だね…」


リナが周囲を見渡し、小さく言った。

「ケンタ…。下駄箱の泥、量が増えてる…。誰かが昨日もやったみたい…。シュウなら、すぐ分かるのに…」


ケンタが拳を握り、気を取り直した。

「シュウに頼るのはやめる! 僕たちで解決するんだ。今日も見張りを続けて、犯人の行動を捉えるしかない…」



その時、校庭の反対側からシュウとタクミが歩いてくるのが見えた。星見キッズの2人は、新チームの活動を終えて帰る途中だった。

ケンタが驚き、声を上げた。

「シュウ! タクミ! ここで何してるの?」


シュウがタクミの手を握り、穏やかに答えた。

「ケンタ、カナエ、リナ…。ただ帰る途中だよ。星見キッズ、新しいメンバーと初仕事を終えたんだ」


タクミがシュウに寄りかかり、笑顔で言った。

「今日も楽しかったね…。ケンタたち、元気そうだね!」


カナエが冷ややかにシュウを見た。

「星見キッズ、うまくやってるみたいね。私たちは…上履きが汚される事件で苦労してるのよ」


リナが目を伏せ、呟いた。

「シュウ…。私たちなんか事件解決できない…」


シュウとタクミは、翔太の上履き事件を知っていた。

実は、数日前に5年生の教室で噂を聞き、シュウが足跡と泥の特徴から犯人が3年1組の佐々木悠斗だと推理していた。悠斗が翔太に嫉妬し、いたずらで泥を塗っていたのだ。タクミもシュウの推理を聞き、2人でその事実を把握していた。

しかし、星見探偵団が自力で解決しようとしていると知り、口を出さなかった。


シュウが軽く微笑み、曖昧に答えた。

「そうか…。大変だね。僕たちも新しいチームで忙しくて…。頑張ってね」


タクミがシュウの手を握り、気まずそうに言った。

「うん、ケンタ…。僕たち、応援してるよ…。自分で解決できるよね?」


ケンタがシュウをじっと見つめ、苛立ちを隠せなかった。

「シュウ…。君なら、すぐ分かるだろ? でも、教えてくれないんだ…。僕たち、弱いって思ってる?」


カナエがカナエらしく冷静にフォローした。

「ケンタ、シュウに頼るのはやめよう。彼らはもう別世界だよ。私たちで解決するしかない」


リナが小さく頷き、シュウに背を向けた。

「シュウ…。私たち、頑張るから…。見ていて…」


シュウはケンタの言葉に心が痛んだが、タクミの温かさに支えられ、口を閉ざした。

タクミがシュウの耳元で囁いた。

「シュウ…。ケンタたち、頑張ってるね。でも、僕たち、口出ししないでいいよね…」


シュウがタクミの耳に軽くキスをし、頷いた。

「うん、タクミ…。彼らが成長するには、自分で解決するのが大事だ。僕たちは見守ろう」



星見探偵団は、再び下駄箱と校庭の見張りを続けた。

あれから1時間経ち、ケンタが下駄箱の近くで佐々木悠斗が泥を手に持つ姿を目撃した。

カナエが素早く近づき、悠斗を問い詰めた。

「悠斗くん、翔太くんの上履きを汚したの? なぜ?」


悠斗が目を伏せ、観念したように答えた。

「ごめん…。翔太がクラスの人気者で…。僕、嫉妬して…」


リナが翔太を呼び、真相を伝えた。

翔太は涙を浮かべながらも、悠斗を許した。

「悠斗…。もうやめてね。友達でいよう…」


ケンタがノートに記録し、ほっとした。

「やった…。自分で解決できた! シュウに頼らなくても、僕たちでもできる…」


カナエが微笑み、頷いた。

「ケンタ、よくやったよ。次も頑張ろう」


リナが小さく笑った。

「うん…。星見探偵団、強くなった…」



一方、シュウとタクミは帰り道でその様子を遠くから見ていた。シュウがタクミの手を握り、呟いた。

「タクミ…。ケンタたち、成長したね。僕が口出ししなくてよかった…」


タクミがシュウに寄りかかり、微笑んだ。

「うん、シュウ…。僕たち、星見キッズとして、新しい仲間と頑張るよ…」



その夜、シュウは自宅でノートを見直していた。星見探偵団の成功と、星見キッズの未来が頭をよぎった。

「ケンタ、カナエ、リナ…。君たち、立派な探偵団になったね。僕たちは新しい道を進むよ…」

シュウは窓の外を見つめ、新たな冒険に思いを馳せた。桜の花びらが舞う中、2つのチームの成長が続いていた。


(Ep45 完)

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