17 / 38
最悪のコマンド
しおりを挟む
周りとの温度差など気にも止めず、パロミデルは俺に卑猥な視線を送っている。
自分は無関係とでも思っているのか。
ジャックスさんは、遂にジェネシスさんに従うと腹を括ったように剣を握った。
「こうなったのが俺の責任とでも言いたそうだな」
パロミデルがヘラヘラと笑いながら言う。
そんなパロミデルに、ジェネシスさんは怒りを露に怒鳴った。
「当たり前だ! 会合にも出ず、罪のない人を殺して召喚させる。穢れも浄化できない。森では魔獣が繁殖し続けているじゃないか!! これが騎士団長以外の誰の責任だと言うのか!!」
「やかましいわ!! 知ったことか!! 自分の身くらい、自分で守れってんだ」
「騎士団長……。団員はパロミデル騎士団長の指示なしには動けません。どうか、正確な情報と指示を与えてください」
ジャックスさんが訴えかける。目には涙を溜めていた。この人が国を守る騎士団長なんて、誰が認められるだろうか。
「黙れ!! ジャックス!! お前ごときが俺に命令するな!!」
俺に向けられていた視線をジャックスさんに向け、グレアを放つ。ジャックスさんは全身で受けてしまったが、膝をついて完全に倒れるのをどうにか耐えた。
「自分の部下にまでグレアを放つなんて信じられない……」
掠れた声でサミュエルさんが呟いた。サミュエルさんも立っているのがやっとだ。
パロミデル一人でこんなにも状況が変わってしまうなんて……。悔しいが、この人がトップに立つに十分な理由を理解してしまった気分になる。
この圧倒的な存在感とパワーを持って、街を守ってくれていると、国王は信じているのだろう。
「パロミデル騎士団長! 森の魔獣を討伐するだけでも少しは良くなる! 一先ず手を組んでおかないか!?」
ジェネシスさんが提案したが、聞き入れてもいない。まるで興味すらないようにも伺える。
「断る」
端的に返事をし、ジェネシスさんの提案を切り捨てた。「面倒なのは苦手でね」と、厭味ったらしく付け加え、改善する余地を見せなかった。
それどころか跪いているジャックスさんを蹴り飛ばしたのだ! これには居合わせた人全員が驚愕した。
「邪魔だ!! どけ!!」
悪びれる様子もないパロミデルは明らかに俺を狙っている。
ジャックスさんの元に駆け寄ったのはジェネシスさんだ。背中を撫で、深呼吸を促す。
パロミデルはそんな二人をも無視して俺に話しかけてきた。
「そんなことより、なぁ? リアン。また俺とプレイしたいんだろ? また、しゃぶらせてやろうか?」
しっかりと視線を合わせ、逃げられないよう圧を送る。
体が震え始めた。サミュエルさんも流れ弾に当たったように、息を切らし始めた。
ジェネシスさんはこの一言で完全にキレた。
「黙れ!! そんなことさせるものか!!」
「なんだ? お前もコイツとプレイしているのか?」
「コイツなどと呼ぶな!! お前を許さない。Lienにトラウマを与えた。国を崩壊させた。全責任を取って騎士団長を辞任しろ!!」
「五月蝿い!! 隣国のやつが命令するんじゃねぇ!!」
「逆らうのなら、あなたの命も今日までだ」
ジェネシスさんが剣を抜き、構える。パロミデルは手ぶらだ。斬りかかられれば一瞬で負けることくらいは分かるはずだ。
それでも強気な姿勢を崩さない。
「お前もただの騎士団長だろ! なんの権限があって俺に命令しているんだ!? 全く、どいつもコイツも!! こんなことならさっさと殺しておけばよかったんだ。こんな役立たず!!」
パロミデルが俺に向かって放つ圧を強化させた。
「何をする気だ!?」
「お前が来てから、散々な日々が始まった。もっと早くこうしておけば良かったんだ。責任を取るのはお前だ、リアン。“Death”」
「聞くな! ! Lien!!」
ジェネシスさんが咄嗟に耳を塞いでくれたが、僅かに遅かった。
パロミデルのコマンドが体内に拡散される。
『死ね。死ね。死ね。死ね。死……』
脳みそが潰れるように痛い。
心臓が大きく爆ぜた。
血液が流れるのをやめ、
視界が真っ白になった。
———何も、感じなくなった———
自分は無関係とでも思っているのか。
ジャックスさんは、遂にジェネシスさんに従うと腹を括ったように剣を握った。
「こうなったのが俺の責任とでも言いたそうだな」
パロミデルがヘラヘラと笑いながら言う。
そんなパロミデルに、ジェネシスさんは怒りを露に怒鳴った。
「当たり前だ! 会合にも出ず、罪のない人を殺して召喚させる。穢れも浄化できない。森では魔獣が繁殖し続けているじゃないか!! これが騎士団長以外の誰の責任だと言うのか!!」
「やかましいわ!! 知ったことか!! 自分の身くらい、自分で守れってんだ」
「騎士団長……。団員はパロミデル騎士団長の指示なしには動けません。どうか、正確な情報と指示を与えてください」
ジャックスさんが訴えかける。目には涙を溜めていた。この人が国を守る騎士団長なんて、誰が認められるだろうか。
「黙れ!! ジャックス!! お前ごときが俺に命令するな!!」
俺に向けられていた視線をジャックスさんに向け、グレアを放つ。ジャックスさんは全身で受けてしまったが、膝をついて完全に倒れるのをどうにか耐えた。
「自分の部下にまでグレアを放つなんて信じられない……」
掠れた声でサミュエルさんが呟いた。サミュエルさんも立っているのがやっとだ。
パロミデル一人でこんなにも状況が変わってしまうなんて……。悔しいが、この人がトップに立つに十分な理由を理解してしまった気分になる。
この圧倒的な存在感とパワーを持って、街を守ってくれていると、国王は信じているのだろう。
「パロミデル騎士団長! 森の魔獣を討伐するだけでも少しは良くなる! 一先ず手を組んでおかないか!?」
ジェネシスさんが提案したが、聞き入れてもいない。まるで興味すらないようにも伺える。
「断る」
端的に返事をし、ジェネシスさんの提案を切り捨てた。「面倒なのは苦手でね」と、厭味ったらしく付け加え、改善する余地を見せなかった。
それどころか跪いているジャックスさんを蹴り飛ばしたのだ! これには居合わせた人全員が驚愕した。
「邪魔だ!! どけ!!」
悪びれる様子もないパロミデルは明らかに俺を狙っている。
ジャックスさんの元に駆け寄ったのはジェネシスさんだ。背中を撫で、深呼吸を促す。
パロミデルはそんな二人をも無視して俺に話しかけてきた。
「そんなことより、なぁ? リアン。また俺とプレイしたいんだろ? また、しゃぶらせてやろうか?」
しっかりと視線を合わせ、逃げられないよう圧を送る。
体が震え始めた。サミュエルさんも流れ弾に当たったように、息を切らし始めた。
ジェネシスさんはこの一言で完全にキレた。
「黙れ!! そんなことさせるものか!!」
「なんだ? お前もコイツとプレイしているのか?」
「コイツなどと呼ぶな!! お前を許さない。Lienにトラウマを与えた。国を崩壊させた。全責任を取って騎士団長を辞任しろ!!」
「五月蝿い!! 隣国のやつが命令するんじゃねぇ!!」
「逆らうのなら、あなたの命も今日までだ」
ジェネシスさんが剣を抜き、構える。パロミデルは手ぶらだ。斬りかかられれば一瞬で負けることくらいは分かるはずだ。
それでも強気な姿勢を崩さない。
「お前もただの騎士団長だろ! なんの権限があって俺に命令しているんだ!? 全く、どいつもコイツも!! こんなことならさっさと殺しておけばよかったんだ。こんな役立たず!!」
パロミデルが俺に向かって放つ圧を強化させた。
「何をする気だ!?」
「お前が来てから、散々な日々が始まった。もっと早くこうしておけば良かったんだ。責任を取るのはお前だ、リアン。“Death”」
「聞くな! ! Lien!!」
ジェネシスさんが咄嗟に耳を塞いでくれたが、僅かに遅かった。
パロミデルのコマンドが体内に拡散される。
『死ね。死ね。死ね。死ね。死……』
脳みそが潰れるように痛い。
心臓が大きく爆ぜた。
血液が流れるのをやめ、
視界が真っ白になった。
———何も、感じなくなった———
28
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜
たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる