【完結】公爵様を寝取った悪役令息に転生しましたが、子供が産まれるので幸せになるために、この事件解決させていただきます。

亜沙美多郎

文字の大きさ
12 / 235
一章~伊角光希編~

12 アシルは愛されている ★

しおりを挟む
 エリアス様からの口付けは、徐々に激しさを増していく。
 自分よりも大きな口で貪るように求められると、淫靡な水音がやけに鮮明に聞こえてきた。
 端正な顔からは想像できないほど野生的だ。
 決して嫌なんかじゃない。むしろ、自分だけを求めてくれていると実感できて嬉しい。
 エリアス様から求められる全てに応えたいと思う。
 絡まる舌。飲み込みきれない唾液が頬を伝った。

 今日一日張り詰めていた緊張の糸が、簡単に解けてしまったようだ。エリアス様の体に身を委ね、自分の全てを差し出す。

 エリアス様はキスを続けながら僕を抱き上げ、ベッドに移動した。
 ゆっくりと仰向けに寝かせると、お腹に気を使いながらもブラウスのボタンを外していく。

「エリアス様……」
「もっと触れさせてくれ。体に負担のない程度にするから」
 体の奥から、アシルがエリアス様を求めているのが分かった。
 この体はアシルのものだ。
 ここで僕が拒めるわけもない。
 それに、こんなにもオメガ性の弱い僕の本能さえ疼くほど、エリアス様のαのフェロモンは強かった。

 これはアシルを抱いているんだ、と言い聞かせる。
 こんな時こそ入れ替われるといいのに……なんて思うが、そうも行かないのが現実。
 アシルは僕を通じて、既にエリアス様にしか集中していないように感じた。

 ブラウスを脱がし、上肢が露わになる。
 華奢な白肌がエリアス様に晒された。
 まだお腹はちっとも出ておらず、見た目だけでは妊娠したと判断はつかない。
 それでもエリアス様は、愛おしそうに僕のお腹にソッと手を置く。

「本当に、ここに私とアシルの子がいるんだな。会える日が楽しみで仕方ない」
 臍の下に唇を落とす。
 腹の奥がピクリと疼いた。
 エリアス様が触れたところに意識が集中してしまう。

 ズボンの中で、自分の中心に芯が通り始めた。
 恥ずかしくて手で顔を隠す。
 こんなの、もっとして欲しいみたいじゃないか。
 それでも僕の上肢に両手を這わせ愛撫をする、エリアス様の呼吸も少し荒くなっているように感じた。
 僕の真上から、四つん這いの姿勢で見下ろしているエリアス様の顔が、胸の小さな薄ピンクの突起に触れる。

「ぁんっ」
 チュッと口付けられただけで、鋭敏に反応してしまう。
 エリアス様は再び胸の蕾を、花の蜜を吸うように啄んだ。
 舌で嬲られると、自然に甘えた声が出てしまう。
 腰までくる快感に体を捩るが、彼から逃げることはできない。

「んっ、は、ぁあん……」
 こんなにも声を我慢出来ないなんて……。

 前世でも経験がないわけではなかった。
 夫となった人とも付き合っている期間はあったし、その間に何度も体を重ねた。
 それでも、こんなにも大切に扱ってくれたことはない。
 胸を舐める。こんな少しの愛撫ですら優しく丁寧で、これだけで愛されていると伝わってくる。

 アシルは本当にエリアス様から愛されているんだと、確信した。
 僕は前世では夫から愛されていなかったと、同時に実感してしまう。
 涙が出てきた。
 やるせなくて、羨ましくて、それを丸ごと包み込むほどの快楽だった。

「エリアス様……あっ、ん、もぅ、僕……んんんん~~~っっ!!」
 腰をたわませ、ズボンの中で吐精した。

「アシル、胸だけで達してしまったんだね」
 エリアス様が嬉しそうに唇を奪う。クチュりと舌で舐められただけで、再び軽く絶頂に達した。
 自分が変になってしまったみたいだ。
 性交が、こんなに気持ちいと思ったのも初めてだし、ましてやキスだけで果ててしまうなんて……。

「ごめんなさい。僕だけ気持ちよくなってしまって……」

 エリアス様は疲れているのに、自分だけ奉仕されて果てるなんて情けない。
 自分が、気持ちよくさせてあげないといけないのに。
 達した後から後悔が襲う。
 それでもエリアス様は「何故謝るんだ」と、慰めてくれた。

「アシルが気持ちいいと、私にもそれが伝わって気持ちいいんだよ」
 エリアス様が、膝立ちになり、ズボンをズラす。「ほら、見て」と、屹立した男根が晒した。

「アシルを目の前にすると、欲情を抑えることも不可能なんだ」
 少し照れくさそうに言うエリアス様を可愛いと思ってしまう。
「僕からも、やらせてください」と申し出たが、断られた。

「アシルは病み上がりだ。それはまた元気になった時にお願いしようかな」
 優しく微笑みながら頬を撫でる。
 しかしそれでは僕も納得いかない。
 こんなになっているエリアス様の男根を、なんとか奉仕させて欲しいのだ。

 エリアス様は僕がそこまで言うなら少しだけ付き合ってくれと言い、胡座をかくと、僕の下肢も裸にさせてその上に跨らせた。
しおりを挟む
感想 200

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした

水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」 公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。 婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。 しかし、それは新たな人生の始まりだった。 前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。 そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。 共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。 だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。 彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。 一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。 これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。 痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...