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一章~伊角光希編~
34 じれったい時間
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窓から庭を眺める。
ここの使用人たちが花壇の手入れをしていた。
その中にロラの姿も見つけ、手を振ると、会釈で返してくれた。
「ロラには悪役の汚名は晴らせたように感じるけど、他の人たちは、まだ悪いやつだと思われているんだろうな……」
こうして手を振っても、ロラ以外の人たちは気付かないふりをして作業に取り組んでいる。
ロラも周りに気まずそうな表情で作業に戻った。
「アシル、ロラには本当のことを打ち明けてみようかと思うんだけど」
『本当のことって?』
「僕は本当な転生して、アシルの体に入ったこと、そして喋れないけどアシル本人もちゃんと生きててこの体の中に存在しているということ」
『それは……やめた方がいいと思うよ。だって今でもロラを困らせているのに、余計に混乱させてしまいそうで』
「……やっぱりそうかなぁ」
『言うにしても、今はダメだよ。もう少し様子を見ないと。これで精神的にも変な人になったって思われれば、今度こそベルクール邸から追い出されちゃう』
「そう、だよね……ごめん。今のは忘れて」
ロラなら、手伝ってくれそうな気がしたんだけど。
アシルがダメって言う間は無理だな。
でも、ロラがいないと部屋から出ることもできない。
ここに籠っているだけじゃ、この屋敷のことがいつまで経っても探れない。
侍女のルシィの姿は庭には確認できない。
アンナ様のところか?
今頃、アンナ様は何をしてるんだろう。
こんな広い屋敷に住んでいても、自室に籠っているかダイニングに行くかくらいの日常。
この前、ロラとガゼボでお茶をしたのは楽しいひと時だった。
その後のキリアン様には完全にやられてしまったけれど、アシルのおかげで未遂に終わったし。
「また、散歩したいな」
この部屋まで花の香りは届かない。
あんなにも色とりどりに咲いているのに。
使用人たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
みんな楽しそうに働いている。
彼女たちにとって、ここは働くにいい環境なのだろう。
いっそ、使用人に転生したかったかも……なんて考えまで浮かんでしまう。
「……あれ?」
ロラの様子が変だと気付いた。
『どうしたの、コーキ』
「いや、今、ロラが上階の方を見てなんだか驚いたような顔をした気がして」
『上階……』
「誰かが悪戯でもしたのかな? でもそんなことをする小さな子供はいないし」
『コーキ、上階にはアンナ様やキリアン様の部屋がある』
「え? じゃあ、もしかして二人が何か企んでるとか?」
『また、何か仕掛けてくる可能性はあるね』
でも、庭から見て驚くようなことって何があるんだろう。
ロラに聞けば話してくれるのだろうか。
『ダメ元で聞いてみようよ』
「そうだね。ここで何もできない日々にもうんざりしてきたよ」
『後二ヶ月くらいは無理じゃない? エリアス様も心配症なところあるし、アンナ様やキリアン様にも睨まれてるし』
「安定期に入ったところで、自由に行動するのを許してもらえるのかな」
『そこはコーキが頑張って説得してね』
「アシルなら黙って我慢してたくせに!!」
『あはは。それは本当にそう。コーキが来てくれてから、自分がどんどん変わってる気がして楽しい』
「まぁ、それは僕も同じだ」
今は悪阻がないだけラッキーと思うしかない。
お昼時にはロラが来てくれるだろう。
その時に、聞いてみよう。
ここの使用人たちが花壇の手入れをしていた。
その中にロラの姿も見つけ、手を振ると、会釈で返してくれた。
「ロラには悪役の汚名は晴らせたように感じるけど、他の人たちは、まだ悪いやつだと思われているんだろうな……」
こうして手を振っても、ロラ以外の人たちは気付かないふりをして作業に取り組んでいる。
ロラも周りに気まずそうな表情で作業に戻った。
「アシル、ロラには本当のことを打ち明けてみようかと思うんだけど」
『本当のことって?』
「僕は本当な転生して、アシルの体に入ったこと、そして喋れないけどアシル本人もちゃんと生きててこの体の中に存在しているということ」
『それは……やめた方がいいと思うよ。だって今でもロラを困らせているのに、余計に混乱させてしまいそうで』
「……やっぱりそうかなぁ」
『言うにしても、今はダメだよ。もう少し様子を見ないと。これで精神的にも変な人になったって思われれば、今度こそベルクール邸から追い出されちゃう』
「そう、だよね……ごめん。今のは忘れて」
ロラなら、手伝ってくれそうな気がしたんだけど。
アシルがダメって言う間は無理だな。
でも、ロラがいないと部屋から出ることもできない。
ここに籠っているだけじゃ、この屋敷のことがいつまで経っても探れない。
侍女のルシィの姿は庭には確認できない。
アンナ様のところか?
今頃、アンナ様は何をしてるんだろう。
こんな広い屋敷に住んでいても、自室に籠っているかダイニングに行くかくらいの日常。
この前、ロラとガゼボでお茶をしたのは楽しいひと時だった。
その後のキリアン様には完全にやられてしまったけれど、アシルのおかげで未遂に終わったし。
「また、散歩したいな」
この部屋まで花の香りは届かない。
あんなにも色とりどりに咲いているのに。
使用人たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
みんな楽しそうに働いている。
彼女たちにとって、ここは働くにいい環境なのだろう。
いっそ、使用人に転生したかったかも……なんて考えまで浮かんでしまう。
「……あれ?」
ロラの様子が変だと気付いた。
『どうしたの、コーキ』
「いや、今、ロラが上階の方を見てなんだか驚いたような顔をした気がして」
『上階……』
「誰かが悪戯でもしたのかな? でもそんなことをする小さな子供はいないし」
『コーキ、上階にはアンナ様やキリアン様の部屋がある』
「え? じゃあ、もしかして二人が何か企んでるとか?」
『また、何か仕掛けてくる可能性はあるね』
でも、庭から見て驚くようなことって何があるんだろう。
ロラに聞けば話してくれるのだろうか。
『ダメ元で聞いてみようよ』
「そうだね。ここで何もできない日々にもうんざりしてきたよ」
『後二ヶ月くらいは無理じゃない? エリアス様も心配症なところあるし、アンナ様やキリアン様にも睨まれてるし』
「安定期に入ったところで、自由に行動するのを許してもらえるのかな」
『そこはコーキが頑張って説得してね』
「アシルなら黙って我慢してたくせに!!」
『あはは。それは本当にそう。コーキが来てくれてから、自分がどんどん変わってる気がして楽しい』
「まぁ、それは僕も同じだ」
今は悪阻がないだけラッキーと思うしかない。
お昼時にはロラが来てくれるだろう。
その時に、聞いてみよう。
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