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一章~伊角光希編~
43 アンナの浮気!?
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湯浴みを終え、部屋に戻るとロラに温かいハーブティーを淹れてもらう。
安眠効果の高いお茶だと説明してくれた。
二人掛けのソファーに座って頂くと、ホゥっと息を吐く。今日も一日が終わるなぁと労うひと時だ。
エリアス様はたかがお茶を飲んでいるだけでも絵になる。ゆったりとくつろいでいても姿勢は良いし、端整な顔立ちは崩れない。
日中はピシッと威厳を感じる服装であるが、夜着はゆったりとしたシルエットで、また印象が変わる。
僕はどっちのエリアス様も好きだ。
仕事が終わって直ぐに湯浴みをするのは、気持ちを切り替えるためもあるのだそう。
ダイニングまで夕食をとりに行く時は、再び着替えるのだが、僕がこの部屋で過ごすようになってからはエリアス様もダイニングへは行かなくなった。
要するに、今日はもう自室から出ないということだ。
エリアス様はロラが退室したのを確認すると、さっきの話の続きを始めた。
「実はね、ルシィにはアンナが気になる動きを見せたら、密告するように言ってあるんだ」
「え? そ、それで?」
「二人は、随分前から体の関係を持っているようだ」
「アンナ様と、キリアン様か!? 随分前っていうのは、いつ頃なんです?」
「ルシィがアンナ専属の侍女になった後、直ぐくらいから、二人の親密な関係を見るようになったと」
「そんなに続いている関係なんですか?」
エリアス様は、薄々は勘付いていたらしいが、僕が階段から落ち記憶を無くした件で、一度は話が流れてしまった。
しかし、階段から突き落とした犯人に疑われていると感じつつも、アンナ様とキリアン様は大人しくなるどころか、アシルへの嫌がらせも酷くなっている。
そこで、エリアス様は一つの問題に突き当たった。
“二人の関係が浮気であるなら、なぜ自分とアシルの結婚を邪魔するのだろう”
と、いうことだ。
「アンナとキリアンが結ばれるなら、むしろアシルと私の結婚は都合が良いはずだ」
と、続けた。
エリアス様の話を聞いて確かに……と思ってしまう。
しかし、どう考えようとアンナ様は完全に僕だけが目障りな様子。
キリアン様とて、同じじゃないか。
兄であり公爵令息の代表だというのに、アンナ様と共謀してそれを阻止しようとしている。
でも、アンナ様とキリアン様が浮気をしていると仮定して、僕を追い出す理由はなんだ?
考えても答えは出ない。
「エリアス様、ますます話が見えません」
「そうだな。実は私も、まだ全てを暴いたわけではない。だからこうして、ルシィの力も借りている」
「それで発覚したのが二人の浮気?」
「浮気かどうかは、まだこれから調べるよ」
エリアス様がお茶を飲み干した。
続けて僕も飲み終わると、そこでエリアス様は話題を変える。
「あと一ヶ月経ったら、私も長期休暇をもらおうと思っている。そうしたらずっと一緒にいられるから、そのつもりでいて欲しい」
「本当ですか!? 嬉しいです」
大きくなってきたお腹を撫でる。赤ちゃんは、たまに足で蹴ったりもするが、アシルに似て引っ込み思案なのか、痛いほどの力ではない。
エリアス様がお腹を蹴るのを見たいと言っているが、妊娠中に遭遇できるかは確率が低そうだ。
安眠効果の高いお茶だと説明してくれた。
二人掛けのソファーに座って頂くと、ホゥっと息を吐く。今日も一日が終わるなぁと労うひと時だ。
エリアス様はたかがお茶を飲んでいるだけでも絵になる。ゆったりとくつろいでいても姿勢は良いし、端整な顔立ちは崩れない。
日中はピシッと威厳を感じる服装であるが、夜着はゆったりとしたシルエットで、また印象が変わる。
僕はどっちのエリアス様も好きだ。
仕事が終わって直ぐに湯浴みをするのは、気持ちを切り替えるためもあるのだそう。
ダイニングまで夕食をとりに行く時は、再び着替えるのだが、僕がこの部屋で過ごすようになってからはエリアス様もダイニングへは行かなくなった。
要するに、今日はもう自室から出ないということだ。
エリアス様はロラが退室したのを確認すると、さっきの話の続きを始めた。
「実はね、ルシィにはアンナが気になる動きを見せたら、密告するように言ってあるんだ」
「え? そ、それで?」
「二人は、随分前から体の関係を持っているようだ」
「アンナ様と、キリアン様か!? 随分前っていうのは、いつ頃なんです?」
「ルシィがアンナ専属の侍女になった後、直ぐくらいから、二人の親密な関係を見るようになったと」
「そんなに続いている関係なんですか?」
エリアス様は、薄々は勘付いていたらしいが、僕が階段から落ち記憶を無くした件で、一度は話が流れてしまった。
しかし、階段から突き落とした犯人に疑われていると感じつつも、アンナ様とキリアン様は大人しくなるどころか、アシルへの嫌がらせも酷くなっている。
そこで、エリアス様は一つの問題に突き当たった。
“二人の関係が浮気であるなら、なぜ自分とアシルの結婚を邪魔するのだろう”
と、いうことだ。
「アンナとキリアンが結ばれるなら、むしろアシルと私の結婚は都合が良いはずだ」
と、続けた。
エリアス様の話を聞いて確かに……と思ってしまう。
しかし、どう考えようとアンナ様は完全に僕だけが目障りな様子。
キリアン様とて、同じじゃないか。
兄であり公爵令息の代表だというのに、アンナ様と共謀してそれを阻止しようとしている。
でも、アンナ様とキリアン様が浮気をしていると仮定して、僕を追い出す理由はなんだ?
考えても答えは出ない。
「エリアス様、ますます話が見えません」
「そうだな。実は私も、まだ全てを暴いたわけではない。だからこうして、ルシィの力も借りている」
「それで発覚したのが二人の浮気?」
「浮気かどうかは、まだこれから調べるよ」
エリアス様がお茶を飲み干した。
続けて僕も飲み終わると、そこでエリアス様は話題を変える。
「あと一ヶ月経ったら、私も長期休暇をもらおうと思っている。そうしたらずっと一緒にいられるから、そのつもりでいて欲しい」
「本当ですか!? 嬉しいです」
大きくなってきたお腹を撫でる。赤ちゃんは、たまに足で蹴ったりもするが、アシルに似て引っ込み思案なのか、痛いほどの力ではない。
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