【完結】公爵様を寝取った悪役令息に転生しましたが、子供が産まれるので幸せになるために、この事件解決させていただきます。

亜沙美多郎

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二章~アシル・クローシャー編~

1 ぼくの子供は転生者 ①

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「アシルお母様、お話があるのですが」
 そう話しかけてきたのは、もうじき六歳を迎える息子のクレールだ。
 今年は初等部への入学も決まっていて、そのお祝いのパーティーを開催する予定を立てている。
 クレールからぼくに改まって何かを言うなんて、珍しいと思ったが、パーティーの件で何か話したいことがあるのかと思った。
 クレールはなんでも直ぐにエリアス様に相談する。どんな分野においても秀逸なエリアス様をとても尊敬しているクレール。そしてクレールのどんな質問にも真剣に答えに導くエリアス様の姿は、とっても微笑ましい光景だ。

 なのに今回はぼく?
 何を切り出されるのかは、想像もできなかった。
 もしかすると、パーティーでエリアス様にサプライズをしたいと考えているのかもしれない。
 それならば、ぼくも一緒に協力しようと意気込んだ。

「どうしたの? そんなに改まって。一緒にお茶を飲みながら話そうか?」
 ガゼボに誘ったが、クレールは出来る限り二人きりで話がしたいと言った。
 ならばクレールの部屋が良いだろうと、移動する。

「ずっと、アシルお母様に伝えたいことがあったのです。実は、僕はあなたに転生していた伊角洸希なんです」

 クレールは単刀直入に言った。
 もっと柔和に、オブラートに包み、こちらの様子を伺いながら伝えてくれても良かったような気もする。  
 ぼくは我が子を目の前に、完全にフリーズしてしまった。
 そんなぼくの反応は想定内だったかのように、息子は真っ直ぐな視線でぼくを捕らえている。
 芯の通ったその瞳は、あの頃想像していたコーキ像に似ていると、なんとなく思い出す。

「本当に、あのコーキ?」
「産まれた時から、前世の記憶がありました。アシルお母様だった時の記憶が。それで、いつか何かのタイミングで打ち明けようと決めていたのです」
「産まれた時からって……赤ちゃんの時から……?」
「はい」とクレールが言う。
 そこから説明された内容は、クレールの前では話題にも出したことがない。コーキとぼくにしか知り得ない内容であった。
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