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二章~アシル・クローシャー編~
64 賑やかなベルクール家
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ノアとノランが産まれてから、クレールはとっても忙しい日々を送っている。
早朝に起きてはぼくの部屋までやってきて、ミルクを飲ませるお手伝い。首が座ってからは、抱っこであやしてくれている。
「あぁ、二人同時に泣いたら、アシルお母様が困ってしまうでしょ? 今は僕で我慢してください」
なんて言いながらも、嬉しそうに世話を焼いている。
朝食も僕とエリアス様の部屋で一緒にとり、ロラが痺れを切らして呼びに来るまでノアとノランと遊ぶ。
「では、学校に行って来ますからね。僕が帰るまで、アシルお母様を困らせてはいけませんよ?」
二人の手を握って言い聞かせてから登校するのが日課だ。
ノアとノランも、クレールが大好きなようで、生後三ヶ月を過ぎた頃には、クレールの顔を見ただけで声を上げて笑うようになっていた。
「ノアもノランも、クレールお兄ちゃんが好きなんだね」
その名前を呼ぶだけで、笑い出す。最近は、本当に認知しているのかもしれないと思い始めた。
お父様は部屋までは来ないものの、リビングに連れてきてくれと毎日催促の嵐だ。クレールの時からおおよそ七年近くが過ぎているのもあり、久しぶりに触れ合う孫が可愛くて可愛くて仕方がない。人の目尻はこんなにも下がるものなのかと思うほど、ノアとノランに惚れ込んでいる。
「今日はお前たちのベッドのオーダーをしてくるからね」
生後十ヶ月を過ぎれば親と子供は別の部屋で寝る。最近、ノアとノラン専用の部屋作りを始めていた。
一番張り切っているのは、勿論お父様だ。エリアス様よりも意見を出しているらしい。
ぼくはクレールの時と同様、出来上がってから見たいと言って、尋ねられた時にだけ意見を述べる程度にしか関わっていない。
というよりも、二人同時の育児は想像以上に大変で、ルシィやロラに助けてもらってようやく手が回っている。何気に、学校からクレールが帰ってくるのをこっそり待ち侘びている。
「そうだ。ノアとノランのベッドなんだが、それぞれに作るのがいいか……それとも二人一緒になられるのがいいか悩んでいるんだ。アシルはどう思う?」
お父様が真剣に頭を悩ませて言う。
今、デザインを五パターン作らせているそうだ。
「小さいうちは、一緒に寝られるのがいいと思います。クレールも、ヴィクトール様と一緒に寝るのが好きでしたし」
「そうか! 良い意見をもらえた。ではそれで作らせよう。後は……」
まるで自分の子供が産まれたようだ。
エリアス様は意見する暇もないのではないだろうか。
想像すると面白い。
「お父様、午後からは商談の予定が入っていますよ?」
突然ドアが開いたと思いきや、エリアス様が息を切らして飛び込んできた。
「あれ? お父様は今からベッドの……」
言いかけて口を閉じた。エリアス様は、ぼくが言いかけた言葉で全てを理解し、お父様をギロリと見た。
「……いや、今日のはエリアスだけでも大丈夫だろうと思ってな」
「そういうわけにはいきません。さぁ、早く支度してください」
お父様は渋々立ち上がる。
エリアス様はやれやれ……と額の汗を拭うと、ノアとノランの顔を覗き込んだ。
「機嫌がいいようだ」
「はい、お父様がたくさん遊んでくださったので」
「そうか、もうすぐクレールが帰って来るから、それから休ませてもらうといい」
「ありがとうございます」
エリアス様は「また夜に」と言って、触れるだけのキスをすると、再び仕事に戻っていった。
想像通りの賑やかな毎日を送っている。
みんなとても楽しそうに、笑いの絶えないベルクール家になっていた。
ノアもノランもすくすくと育っていて、これからが楽しみである。
早朝に起きてはぼくの部屋までやってきて、ミルクを飲ませるお手伝い。首が座ってからは、抱っこであやしてくれている。
「あぁ、二人同時に泣いたら、アシルお母様が困ってしまうでしょ? 今は僕で我慢してください」
なんて言いながらも、嬉しそうに世話を焼いている。
朝食も僕とエリアス様の部屋で一緒にとり、ロラが痺れを切らして呼びに来るまでノアとノランと遊ぶ。
「では、学校に行って来ますからね。僕が帰るまで、アシルお母様を困らせてはいけませんよ?」
二人の手を握って言い聞かせてから登校するのが日課だ。
ノアとノランも、クレールが大好きなようで、生後三ヶ月を過ぎた頃には、クレールの顔を見ただけで声を上げて笑うようになっていた。
「ノアもノランも、クレールお兄ちゃんが好きなんだね」
その名前を呼ぶだけで、笑い出す。最近は、本当に認知しているのかもしれないと思い始めた。
お父様は部屋までは来ないものの、リビングに連れてきてくれと毎日催促の嵐だ。クレールの時からおおよそ七年近くが過ぎているのもあり、久しぶりに触れ合う孫が可愛くて可愛くて仕方がない。人の目尻はこんなにも下がるものなのかと思うほど、ノアとノランに惚れ込んでいる。
「今日はお前たちのベッドのオーダーをしてくるからね」
生後十ヶ月を過ぎれば親と子供は別の部屋で寝る。最近、ノアとノラン専用の部屋作りを始めていた。
一番張り切っているのは、勿論お父様だ。エリアス様よりも意見を出しているらしい。
ぼくはクレールの時と同様、出来上がってから見たいと言って、尋ねられた時にだけ意見を述べる程度にしか関わっていない。
というよりも、二人同時の育児は想像以上に大変で、ルシィやロラに助けてもらってようやく手が回っている。何気に、学校からクレールが帰ってくるのをこっそり待ち侘びている。
「そうだ。ノアとノランのベッドなんだが、それぞれに作るのがいいか……それとも二人一緒になられるのがいいか悩んでいるんだ。アシルはどう思う?」
お父様が真剣に頭を悩ませて言う。
今、デザインを五パターン作らせているそうだ。
「小さいうちは、一緒に寝られるのがいいと思います。クレールも、ヴィクトール様と一緒に寝るのが好きでしたし」
「そうか! 良い意見をもらえた。ではそれで作らせよう。後は……」
まるで自分の子供が産まれたようだ。
エリアス様は意見する暇もないのではないだろうか。
想像すると面白い。
「お父様、午後からは商談の予定が入っていますよ?」
突然ドアが開いたと思いきや、エリアス様が息を切らして飛び込んできた。
「あれ? お父様は今からベッドの……」
言いかけて口を閉じた。エリアス様は、ぼくが言いかけた言葉で全てを理解し、お父様をギロリと見た。
「……いや、今日のはエリアスだけでも大丈夫だろうと思ってな」
「そういうわけにはいきません。さぁ、早く支度してください」
お父様は渋々立ち上がる。
エリアス様はやれやれ……と額の汗を拭うと、ノアとノランの顔を覗き込んだ。
「機嫌がいいようだ」
「はい、お父様がたくさん遊んでくださったので」
「そうか、もうすぐクレールが帰って来るから、それから休ませてもらうといい」
「ありがとうございます」
エリアス様は「また夜に」と言って、触れるだけのキスをすると、再び仕事に戻っていった。
想像通りの賑やかな毎日を送っている。
みんなとても楽しそうに、笑いの絶えないベルクール家になっていた。
ノアもノランもすくすくと育っていて、これからが楽しみである。
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