【完結】公爵様を寝取った悪役令息に転生しましたが、子供が産まれるので幸せになるために、この事件解決させていただきます。

亜沙美多郎

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三章〜クレール・ベルクール編〜

9 嫉妬

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 ルベルーノ研究室のヴェルジーさんは、帰国前に「是非、研究室へ見学に来てください」と言ってくれた。イザックと僕は喜びのあまり、幼い子供のように飛び跳ねて喜んだ。

「あぁ、クレール。本当にありがとう。夢を見ているようだよ」
「僕もまだ実感が湧かない。長期休暇に入ったら必ず行こう」
 イザックとハグをすると、すぐさまノランが走り寄ってきた。
「クレールお兄様、今日は私の勉強を見てくれる約束でしたよ?」
「そうでしたっけ?」
「そうです。早く、時間が勿体無いですから!! では、イザック様。お気をつけてお帰りください。馬車を待機させていますので」
「え? 今日はイザックと薬草について調べ……」
「いや、クレール、また今度で大丈夫だよ。申し訳ありません、ノラン様。この度はありがとうございました」
「私は何もしておりませんので、礼など結構です」

 なぜかノランはイザックへの当たりがキツイ。今までも何度も注意してきたが、どうもライバル視しているような感じが見受けられる。
 しかしノランが薬学に興味を持っている訳ではないし、イザックをライバル視する理由が思い当たらない。
 しかもノアは何も言わないが、ノランと共謀しているのは確かなのだ。

「二人とも、イザックは僕の大切な友人なんですよ。だから、もっと親切に接してください」
 諭すように言うと、ノアは視線を逸せて返事をしない。そしてノランは、少し黙ったあとで「……友人と思っているのはクレールお兄様だけかもしれませんよ」と呟いた。

 それはどう言う意味なのかと聞きたいが、深堀はしないほうがいい気もする。
 勉強は本当に見てあげ、その後は僕の方がノランから説教を受けてしまった。

「クレールお兄様は、あと二年しか同じ屋敷で過ごせないと分かっていて、何故私たちとの時間を優先してくださらないのですか?」
「ノラン……寂しかったですか?」
「当たり前です。僕たちが隣にいるにも関わらず、イザック様とずっと話し込んで、私たちはまるでそこに居ないようでした」
「そんなつもりはありません!! それは、僕の方がごめんなさい」
 ノランに頭を下げると、「分かってくれればいいです」と言って許してくれた。

 この饒舌に勝つのは、僕では無理だ。
 エリアスお父様との口論(お父様は口論とは思っていないが)あの一件から、僕はノランを“ちっちゃいエリアス様”と頭の中で呼んでいる。
 ノランはきっと好きな人ができると、ストレートに愛の言葉を伝えるタイプなのだろう。
 それもエリアスお父様とよく似ている。
 ノアは自分の気持ちを伝えられないアシルお母様によく似ている。

 双子なのに正反対の性格が面白い。なんて呑気に考えていると、ノランの顔が真ん前に近づいていてビックリして全身に鳥肌がたった。
「クレールお兄様、私の話を途中から聞いていませんでしたね?」
「……ご、ごめんなさい」
「では、今夜は私たちが眠るまで、沢山お話を聞いてください。後、休日は私たちと過ごすと約束してください。そして、エリアスお父様の説得も手助けしてくださいね!?」
「は、はい……」

 今日もノランの気迫に負けてしまった。
 ここまでノランが必死になっている原因は、絶対にエリアスお父様が煽ったからだ。
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