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三章〜クレール・ベルクール編〜
44 欲しいもの ★
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二度も絶頂を味わったと言うのに、ヒートは治るどころか更に症状が加速する。
身体の奥から湧き上がる劣情。触れられたところから熱を帯びていく。
ヴィクトール様に見られながら吐精するのは羞恥でしかないのに、それでももっと、もっとと欲が出る。
やおら孔から指を抜くと、腰を下ろす。
さっきまで差し込まれていたものが、孔からなくなってしまっただけで寂しいと思ってしまう。ヴィクトール様は僕の反応を見る余裕まであるのに、僕には全くそんな暇はなかった。
彼から注がれる快楽を感じるだけだ。
折角二年も我慢してくれていたのに、本番で何も奉仕ができないオメガなど、ガッカリしていないだろうか。
放たれるフェロモンだけは一人前だ。
優しく手が体を滑るほど、ヴィクトール様を離したくないとフェロモンで包み込む。
そんな些細な心情も汲んでくれ、ジャケットもブラウスも脱がせたヴィクトール様は胸元へ頬を寄せる。
「まだ緊張してる?」
「してます……もう、早く自我を失いたい」
ポロリと本音を溢していた。
全くの無意識である。それでも一度口にした言葉は取り消すことは不可能だ。
ヴィクトール様は僕の言葉に少し驚いたような表情を見せたが「私にして欲しいことがあれば、なんでも言ってくれ」と言って、取り急ぎ僕が自我を失うまで責めると言った。
「大丈夫です。あの、ゆっくりで……いきなり激しくされると、どうしていいのか分からなくなります」
「心配しないで、全て私に委ねてくれて構わない。気持ちよくさせるから」
その気持ちよくなるのが怖いと言っても、流されて終わりそうだ。
ヴィクトール様は白濁でベタベタになっている僕の腹に口付けていく。そのたびにお腹が痙攣を起こす。
こんな華奢な体で、欲情してくれているのは嬉しい。それでも見られるのは恥ずかしくなってしまう。
誰に対してもこんな風に思ったりしない。例えば、イザックとなら一緒に湯浴みもできるだろう。
見られて恥ずかしいのは、他の誰でもない、ヴィクトール様だからなのだ。
膝立ちになったヴィクトール様は、僕を見下ろしながら、自分の服を脱ぎ捨てた。
スマートに見える服の上からは一変し、引き締まった筋肉が現れた。
互いに全裸の状態で肌を合わせる。
「ほら、こうしていると暖かくて落ち着くだろう?」
「はい、とても暖かいです」
それから少しの間、ヴィクトール様は僕を抱き寄せ、肌を密着させたまま動かないでいた。
いきなり激しくしてすまなかったと、腕の中で謝られた。
これでも、抑えていたのだと。
「私も、一度止まらなければクレールを思うままにだき潰してしまいそうだ。しかし、二人が気持ちよくなければ意味がない。クレールにだけ負担はかけられない」
なんなら、今はこのままいてもいいと言う。
額にキスをして、まったりと会話を楽しむのもいいと。
「あの、僕は大丈夫です。そりゃ、恥ずかしさは否定できませんが。それでもこの熱を鎮められるのはヴィクトール様だけです。どうか、奪ってください。僕の全てを」
さっきまでは性急に二度も達し、気持ちの余裕を失っていたが、もう少しくらい乱暴にされても構わないと言った。
恥ずかしいとは、口癖のように言ってしまうだろうが、気にしなくていいと。
「それに、ヴィクトール様も気持ちよくないと、それこそ意味がありません。僕は何も知識がありませんが、ヴィクトール様にも満足して欲しいという気持ちだけはあります。それに……」
一番、望んでいることを話してもいいだろうか。
こんなことをいきなり言えば、淫らなオメガだと思われるかもしれない。
でも、やはり僕は、「ヴィクトール様と、一つになりたいです」
これが、何よりも望むことなのだ。
「クレール。本気で言ってる?」
「本気です」
「嬉しいよ。ありがとう。私は遠慮をしてしまっていたようだ。でもクレールの気持ちを聞けたから、もう遠慮などしない。私のこれを触って」
ヴィクトール様が僕の手を自分の男根に当てる。握っただけで自分のものよりも大きいと伝わってくる。
「これを根本まで挿れさせて欲しい」
ヴィクトール様の言葉に息を飲み込んだ。
こんなにも長大なものが自分の中に入れば、どんな感じなのだろう。考えただけでゾクゾクしてしまう。
「欲しい、僕もこれが欲しいです」
「では、全て受け入れて」
抱きしめた腕がするりと降り、指が孔にぷつりと這入った。
身体の奥から湧き上がる劣情。触れられたところから熱を帯びていく。
ヴィクトール様に見られながら吐精するのは羞恥でしかないのに、それでももっと、もっとと欲が出る。
やおら孔から指を抜くと、腰を下ろす。
さっきまで差し込まれていたものが、孔からなくなってしまっただけで寂しいと思ってしまう。ヴィクトール様は僕の反応を見る余裕まであるのに、僕には全くそんな暇はなかった。
彼から注がれる快楽を感じるだけだ。
折角二年も我慢してくれていたのに、本番で何も奉仕ができないオメガなど、ガッカリしていないだろうか。
放たれるフェロモンだけは一人前だ。
優しく手が体を滑るほど、ヴィクトール様を離したくないとフェロモンで包み込む。
そんな些細な心情も汲んでくれ、ジャケットもブラウスも脱がせたヴィクトール様は胸元へ頬を寄せる。
「まだ緊張してる?」
「してます……もう、早く自我を失いたい」
ポロリと本音を溢していた。
全くの無意識である。それでも一度口にした言葉は取り消すことは不可能だ。
ヴィクトール様は僕の言葉に少し驚いたような表情を見せたが「私にして欲しいことがあれば、なんでも言ってくれ」と言って、取り急ぎ僕が自我を失うまで責めると言った。
「大丈夫です。あの、ゆっくりで……いきなり激しくされると、どうしていいのか分からなくなります」
「心配しないで、全て私に委ねてくれて構わない。気持ちよくさせるから」
その気持ちよくなるのが怖いと言っても、流されて終わりそうだ。
ヴィクトール様は白濁でベタベタになっている僕の腹に口付けていく。そのたびにお腹が痙攣を起こす。
こんな華奢な体で、欲情してくれているのは嬉しい。それでも見られるのは恥ずかしくなってしまう。
誰に対してもこんな風に思ったりしない。例えば、イザックとなら一緒に湯浴みもできるだろう。
見られて恥ずかしいのは、他の誰でもない、ヴィクトール様だからなのだ。
膝立ちになったヴィクトール様は、僕を見下ろしながら、自分の服を脱ぎ捨てた。
スマートに見える服の上からは一変し、引き締まった筋肉が現れた。
互いに全裸の状態で肌を合わせる。
「ほら、こうしていると暖かくて落ち着くだろう?」
「はい、とても暖かいです」
それから少しの間、ヴィクトール様は僕を抱き寄せ、肌を密着させたまま動かないでいた。
いきなり激しくしてすまなかったと、腕の中で謝られた。
これでも、抑えていたのだと。
「私も、一度止まらなければクレールを思うままにだき潰してしまいそうだ。しかし、二人が気持ちよくなければ意味がない。クレールにだけ負担はかけられない」
なんなら、今はこのままいてもいいと言う。
額にキスをして、まったりと会話を楽しむのもいいと。
「あの、僕は大丈夫です。そりゃ、恥ずかしさは否定できませんが。それでもこの熱を鎮められるのはヴィクトール様だけです。どうか、奪ってください。僕の全てを」
さっきまでは性急に二度も達し、気持ちの余裕を失っていたが、もう少しくらい乱暴にされても構わないと言った。
恥ずかしいとは、口癖のように言ってしまうだろうが、気にしなくていいと。
「それに、ヴィクトール様も気持ちよくないと、それこそ意味がありません。僕は何も知識がありませんが、ヴィクトール様にも満足して欲しいという気持ちだけはあります。それに……」
一番、望んでいることを話してもいいだろうか。
こんなことをいきなり言えば、淫らなオメガだと思われるかもしれない。
でも、やはり僕は、「ヴィクトール様と、一つになりたいです」
これが、何よりも望むことなのだ。
「クレール。本気で言ってる?」
「本気です」
「嬉しいよ。ありがとう。私は遠慮をしてしまっていたようだ。でもクレールの気持ちを聞けたから、もう遠慮などしない。私のこれを触って」
ヴィクトール様が僕の手を自分の男根に当てる。握っただけで自分のものよりも大きいと伝わってくる。
「これを根本まで挿れさせて欲しい」
ヴィクトール様の言葉に息を飲み込んだ。
こんなにも長大なものが自分の中に入れば、どんな感じなのだろう。考えただけでゾクゾクしてしまう。
「欲しい、僕もこれが欲しいです」
「では、全て受け入れて」
抱きしめた腕がするりと降り、指が孔にぷつりと這入った。
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