【完結】公爵様を寝取った悪役令息に転生しましたが、子供が産まれるので幸せになるために、この事件解決させていただきます。

亜沙美多郎

文字の大きさ
195 / 235
三章〜クレール・ベルクール編〜

44 欲しいもの ★

しおりを挟む
 二度も絶頂を味わったと言うのに、ヒートは治るどころか更に症状が加速する。
 身体の奥から湧き上がる劣情。触れられたところから熱を帯びていく。
 ヴィクトール様に見られながら吐精するのは羞恥でしかないのに、それでももっと、もっとと欲が出る。

 やおら孔から指を抜くと、腰を下ろす。
 さっきまで差し込まれていたものが、孔からなくなってしまっただけで寂しいと思ってしまう。ヴィクトール様は僕の反応を見る余裕まであるのに、僕には全くそんな暇はなかった。
 彼から注がれる快楽を感じるだけだ。

 折角二年も我慢してくれていたのに、本番で何も奉仕ができないオメガなど、ガッカリしていないだろうか。
 放たれるフェロモンだけは一人前だ。
 
 優しく手が体を滑るほど、ヴィクトール様を離したくないとフェロモンで包み込む。
 そんな些細な心情も汲んでくれ、ジャケットもブラウスも脱がせたヴィクトール様は胸元へ頬を寄せる。

「まだ緊張してる?」
「してます……もう、早く自我を失いたい」
 ポロリと本音を溢していた。
 全くの無意識である。それでも一度口にした言葉は取り消すことは不可能だ。
 ヴィクトール様は僕の言葉に少し驚いたような表情を見せたが「私にして欲しいことがあれば、なんでも言ってくれ」と言って、取り急ぎ僕が自我を失うまで責めると言った。

「大丈夫です。あの、ゆっくりで……いきなり激しくされると、どうしていいのか分からなくなります」
「心配しないで、全て私に委ねてくれて構わない。気持ちよくさせるから」

 その気持ちよくなるのが怖いと言っても、流されて終わりそうだ。
 ヴィクトール様は白濁でベタベタになっている僕の腹に口付けていく。そのたびにお腹が痙攣を起こす。
 こんな華奢な体で、欲情してくれているのは嬉しい。それでも見られるのは恥ずかしくなってしまう。
 誰に対してもこんな風に思ったりしない。例えば、イザックとなら一緒に湯浴みもできるだろう。
 見られて恥ずかしいのは、他の誰でもない、ヴィクトール様だからなのだ。

 膝立ちになったヴィクトール様は、僕を見下ろしながら、自分の服を脱ぎ捨てた。
 スマートに見える服の上からは一変し、引き締まった筋肉が現れた。
 互いに全裸の状態で肌を合わせる。

「ほら、こうしていると暖かくて落ち着くだろう?」
「はい、とても暖かいです」
 それから少しの間、ヴィクトール様は僕を抱き寄せ、肌を密着させたまま動かないでいた。
 いきなり激しくしてすまなかったと、腕の中で謝られた。
 これでも、抑えていたのだと。
「私も、一度止まらなければクレールを思うままにだき潰してしまいそうだ。しかし、二人が気持ちよくなければ意味がない。クレールにだけ負担はかけられない」
 なんなら、今はこのままいてもいいと言う。
 額にキスをして、まったりと会話を楽しむのもいいと。

「あの、僕は大丈夫です。そりゃ、恥ずかしさは否定できませんが。それでもこの熱を鎮められるのはヴィクトール様だけです。どうか、奪ってください。僕の全てを」

 さっきまでは性急に二度も達し、気持ちの余裕を失っていたが、もう少しくらい乱暴にされても構わないと言った。
 恥ずかしいとは、口癖のように言ってしまうだろうが、気にしなくていいと。
「それに、ヴィクトール様も気持ちよくないと、それこそ意味がありません。僕は何も知識がありませんが、ヴィクトール様にも満足して欲しいという気持ちだけはあります。それに……」
 一番、望んでいることを話してもいいだろうか。
 こんなことをいきなり言えば、淫らなオメガだと思われるかもしれない。
 でも、やはり僕は、「ヴィクトール様と、一つになりたいです」
 これが、何よりも望むことなのだ。

「クレール。本気で言ってる?」
「本気です」
「嬉しいよ。ありがとう。私は遠慮をしてしまっていたようだ。でもクレールの気持ちを聞けたから、もう遠慮などしない。私のこれを触って」
 ヴィクトール様が僕の手を自分の男根に当てる。握っただけで自分のものよりも大きいと伝わってくる。
「これを根本まで挿れさせて欲しい」
 ヴィクトール様の言葉に息を飲み込んだ。
 こんなにも長大なものが自分の中に入れば、どんな感じなのだろう。考えただけでゾクゾクしてしまう。

「欲しい、僕もこれが欲しいです」
「では、全て受け入れて」
 抱きしめた腕がするりと降り、指が孔にぷつりと這入った。
しおりを挟む
感想 200

あなたにおすすめの小説

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした

水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」 公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。 婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。 しかし、それは新たな人生の始まりだった。 前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。 そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。 共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。 だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。 彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。 一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。 これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。 痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!

水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。 それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。 家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。 そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。 ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。 誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。 「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。 これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

処理中です...