【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎

亜沙美多郎

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〜夏休み編〜

突然のライバル宣言⁉︎ ーside 都華咲ー

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やっと撮影がひと段落し、1ヶ月振りに帰ってきた。

「オッス!久しぶりだな」

「久しぶり……じゃねぇだろ!1ヶ月も音信不通で何やってんだよ!」

「あれ?言ってなかった?俺、京都で撮影……」

「それは知ってる!!」

とりあえず、俺らのお兄ちゃん的存在。で、親友の来夢を呼び出した……まぁ、勝手に俺が親友って思ってるだけだけど。

そしたらいきなり怒られた……。



「あはは!突っ込み鋭いな。
………椿、元気?」

「は?こっち帰ってきたのに、まだ会ってねぇの?」

「や、まぁ今日中には行くんだけどな。その前に学園行かなきゃいけねぇんだわ。だから……夕方くらいになるかな?」

「朝イチで俺呼び出すより、行ってやれよ」

「だって、椿に会うと離れたくなくなるじゃん!!」

ファーストフード店のカウンターに並んで座り、モーニングセットを食べた。



「あのさ……お前、エキストラの撮影に1ヶ月も掛かるわけ?本当は……違うんじゃね?」

「……………」


「……何か言えよ。無言ってことはもう嘘を認めたってことだろ!」


「流石、来夢君は鋭いねぇ…。
……実は、初めから役が付いてたんだよ」

「何でそんなスゲーこと隠してんの?」

「そりゃ!!オンエア見た時、俺が喋ったらビックリするだろう?」



「……お前なぁ!サプライズ好きなのは良いが……相手を不安にさせるようなものならやめろ!!椿がこの1ヶ月、どんな気持ちで過ごしてたか分かるか?」


「……泣いてた?」


「……泣かねえんだよ。あの泣き虫の椿が……ずっと感情押し殺して笑ってんだ。正直、見てられなかった」

「………ゴメン」
椿がそんなことになってなんて、想像もしてなかった。


「椿に凄いところ見せたい気持ちは分かる。でも、もっと椿の気持ちも考えてやれ!」

「そうだな……サンキュな。俺が居ない間、椿の事守ってくれて」


「都華咲、信用してくれてるのは嬉しいが……あんまり気を抜いてっと、取り返しのつかない事になるぞ」

「は?どういう事?」

「……あんまり椿の事、放っておくようなら…………なんでもない」


「何だよ⁉︎ハッキリ言えよ」



すると来夢がグッと顔を寄せて言い放った。

「俺が椿奪うぞ?」


え……だっては来夢……ノンケだろ……酷ぇジョーダンかましてんじゃねぇよ。


「……なんてな」

色男がニヤリと笑った。


「はっ………ジョーダンきついわ」
一気に冷や汗が流れた。

「はは!ちょっとは焦ったか?」

「………反省してます」
両手を上げて降参した……のは良いが……。

これだけは確認したくなった。
「お前、本当にノンケだよな?」

「……さぁな。人の気持ちなんて分からないぞ。理性なんて物程、不確かなもんはねぇだろ。反省したなら、とっとと会いに行ってやれ!」

来夢は先に席を立ち、店を後にした。


急いで残りのハンバーガーを平げ、追いかけた。


「来夢ー!!目ぇ覚めたわ!!サンキュなぁ!また誘うから!!」


「おぅ!」
と軽く手を上げ帰っていく来夢の後ろ姿をしばらく眺めていた。


男でも惚れる男、円城寺来夢。

1番ライバルにしたくねぇな……。








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