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〜2学期編〜
裏社会
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エイト先輩が躊躇う事なく衝撃の事実を述べました。
「天翔の事務所の社長は、裏で反社会的勢力と繋がっていた」
「「えっ!!!!」」
あまりの衝撃に、全員がフリーズしてしまいました。
反社会的勢力……って……
僕達の反応には構わず海崎さんが続けます。
「こんなにも早く分かったのは、私の信頼している人に今回の件を相談したのがきっかけ。社長に関しても色々と聞きたかったし……そうしたら、その人から裏で反社と繋がってるって噂があると聞いて…」
その海崎さんの知り合いの方曰く、今までそれが表沙汰にならなかったのは、天翔君程売れてるタレントが居なかったからだそうで……。
過去にも反社会的勢力への営業をさせられたと、被害にあったタレントさんが訴えネットニュースになったことが有るのだとか。
でも駆け出しのタレントで知名度がなかった為、それほど大きく取り扱ってもらえず泣き寝入り。
その時のインタビューに社長は、
「事務所に内緒で営業に行かれた。所属タレントに裏切られ憔悴している」
と述べたそうです。
それから業界内では密かに警戒すべき人物と囁かれているのだとか……。
「その社長にとって、天翔はとんでもなく大きな獲物だった……」
エイト先輩が呟きました。
「天翔なら、メディアだけでも多額の金になる。それを反社に横流しする事で何かしらの甘い蜜を吸ってたんだろう。
例え、反社との繋がりが公になったとしても、スポンサーや出演してるCM会社への違約金なんかは天翔に押し付けるつもりだっただろうし……
あわよくば自分へも慰謝料を払えとか何とか言って金を巻き上げりゃ、会社が潰れたところで自分だけは生きていけるからな」
エイト先輩の言葉に、天翔君がガタガタと震えています。両脇から都華咲と徠駕さんが支えていますが、徠駕さんも震えていますし、流石の都華咲も顔色を失っています。
「でも、元々怪しかったから情報を仕入れるのも早かった。急いで佐伯君に資料を作ってもらったわ。息子さんも、父親に似てとても優秀だから助かった!」
遼ちゃん……休んでまで事務所に行っていたのはこの為だったのですね……。
「資料を作るのは大変だったけど、そのおかげで話し合いはスムーズに進んだのよ。この資料と引き換えに、望月君とマネージャーを解約させなさいって脅したら、直ぐに了承したわ」
「契約満了まで、あと数ヶ月あるがそれも問題ない。そのまま解約の手続きも完了した。この後、天翔は残って秀麗の事務所に入る手続きをすれば万事解決だ。
良かったな。都華咲君との出会いが、運命を変えたんだ」
エイト先輩が優しい顔になりました。
「天翔君、ゴメン!!俺、社長が反社と繋がってるなんて知らなくて……」
犬飼さんは謝りながら泣き崩れましたが、犬飼さんだって被害者です。
「海崎さん、その事務所は今後どうなるんですか?」
来夢君が尋ねると
「私の目的はこの2人を守る事だから、これ以上は介入しないけど……相談した知り合いが動いてくれるって言ってたわ。他の所属タレントや社員も、面倒見てくれるって。あの事務所が潰れるのは時間の問題よ」
と、答えました。
想像を遥かに超える事態に一同困惑しましたが、
僕達の言葉を信じ、迅速に動いてくれた先輩や沢山の大人の方には感謝しかありません。
都華咲と来夢君がほぼ同時に立ち上がると、僕と磨理王、徠駕さんも立ち上がりました。
「「ありがとうございました!!」」
全員、目に涙を浮かべていました。
友達を救えた喜び……でも、今震えているのはそれ以上に恐怖の方が勝っているから……それはきっと僕だけではないと思います。
その後、天翔君は生徒会室へ残り秀麗の事務所との契約を交わすようです。
都華咲が付き添いを買って出ましたが、犬飼さんが寮まで送り届けてくれるとの事で、一足先に5人で寮へ帰りました。
皆んなが1125号室へ入ると、
「壮絶な1週間だった……」
ようやく脱力した都華咲が言いました。
土曜授業の後、生徒会室へ出向き、寮に帰ったのは17時を過ぎていました。
皆んな完全に思考停止しています。いつでも寝られそうなほどの疲労感です。
「終わったな……」
来夢君がため息混じりに言うと、都華咲が神妙な面持ちで頷きました。
そこから天翔君が寮へ帰ってきたの約1時間後。
天翔君は憔悴しきっていたので都華咲のベッドに寝かせました。
天翔君はこれから、学校をメインに過ごし、仕事はほどほどにする意向だそうです。
中学生の途中から芸能界でいきなり活躍し、丸2年、学生らしい思い出は作れませんでした。なので、秀麗で思う存分学生を満喫したい……という様な事を簡潔に呟いたと、犬飼さんから聞きました。
「俺らでしっかりサポートします!」
都華咲が力強く答えると、犬飼さんは無邪気な子供のような笑顔を見せてくれました。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
大切なお時間を頂き、ありがとうございます。
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次回もどうぞ宜しくお願いします。
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「「えっ!!!!」」
あまりの衝撃に、全員がフリーズしてしまいました。
反社会的勢力……って……
僕達の反応には構わず海崎さんが続けます。
「こんなにも早く分かったのは、私の信頼している人に今回の件を相談したのがきっかけ。社長に関しても色々と聞きたかったし……そうしたら、その人から裏で反社と繋がってるって噂があると聞いて…」
その海崎さんの知り合いの方曰く、今までそれが表沙汰にならなかったのは、天翔君程売れてるタレントが居なかったからだそうで……。
過去にも反社会的勢力への営業をさせられたと、被害にあったタレントさんが訴えネットニュースになったことが有るのだとか。
でも駆け出しのタレントで知名度がなかった為、それほど大きく取り扱ってもらえず泣き寝入り。
その時のインタビューに社長は、
「事務所に内緒で営業に行かれた。所属タレントに裏切られ憔悴している」
と述べたそうです。
それから業界内では密かに警戒すべき人物と囁かれているのだとか……。
「その社長にとって、天翔はとんでもなく大きな獲物だった……」
エイト先輩が呟きました。
「天翔なら、メディアだけでも多額の金になる。それを反社に横流しする事で何かしらの甘い蜜を吸ってたんだろう。
例え、反社との繋がりが公になったとしても、スポンサーや出演してるCM会社への違約金なんかは天翔に押し付けるつもりだっただろうし……
あわよくば自分へも慰謝料を払えとか何とか言って金を巻き上げりゃ、会社が潰れたところで自分だけは生きていけるからな」
エイト先輩の言葉に、天翔君がガタガタと震えています。両脇から都華咲と徠駕さんが支えていますが、徠駕さんも震えていますし、流石の都華咲も顔色を失っています。
「でも、元々怪しかったから情報を仕入れるのも早かった。急いで佐伯君に資料を作ってもらったわ。息子さんも、父親に似てとても優秀だから助かった!」
遼ちゃん……休んでまで事務所に行っていたのはこの為だったのですね……。
「資料を作るのは大変だったけど、そのおかげで話し合いはスムーズに進んだのよ。この資料と引き換えに、望月君とマネージャーを解約させなさいって脅したら、直ぐに了承したわ」
「契約満了まで、あと数ヶ月あるがそれも問題ない。そのまま解約の手続きも完了した。この後、天翔は残って秀麗の事務所に入る手続きをすれば万事解決だ。
良かったな。都華咲君との出会いが、運命を変えたんだ」
エイト先輩が優しい顔になりました。
「天翔君、ゴメン!!俺、社長が反社と繋がってるなんて知らなくて……」
犬飼さんは謝りながら泣き崩れましたが、犬飼さんだって被害者です。
「海崎さん、その事務所は今後どうなるんですか?」
来夢君が尋ねると
「私の目的はこの2人を守る事だから、これ以上は介入しないけど……相談した知り合いが動いてくれるって言ってたわ。他の所属タレントや社員も、面倒見てくれるって。あの事務所が潰れるのは時間の問題よ」
と、答えました。
想像を遥かに超える事態に一同困惑しましたが、
僕達の言葉を信じ、迅速に動いてくれた先輩や沢山の大人の方には感謝しかありません。
都華咲と来夢君がほぼ同時に立ち上がると、僕と磨理王、徠駕さんも立ち上がりました。
「「ありがとうございました!!」」
全員、目に涙を浮かべていました。
友達を救えた喜び……でも、今震えているのはそれ以上に恐怖の方が勝っているから……それはきっと僕だけではないと思います。
その後、天翔君は生徒会室へ残り秀麗の事務所との契約を交わすようです。
都華咲が付き添いを買って出ましたが、犬飼さんが寮まで送り届けてくれるとの事で、一足先に5人で寮へ帰りました。
皆んなが1125号室へ入ると、
「壮絶な1週間だった……」
ようやく脱力した都華咲が言いました。
土曜授業の後、生徒会室へ出向き、寮に帰ったのは17時を過ぎていました。
皆んな完全に思考停止しています。いつでも寝られそうなほどの疲労感です。
「終わったな……」
来夢君がため息混じりに言うと、都華咲が神妙な面持ちで頷きました。
そこから天翔君が寮へ帰ってきたの約1時間後。
天翔君は憔悴しきっていたので都華咲のベッドに寝かせました。
天翔君はこれから、学校をメインに過ごし、仕事はほどほどにする意向だそうです。
中学生の途中から芸能界でいきなり活躍し、丸2年、学生らしい思い出は作れませんでした。なので、秀麗で思う存分学生を満喫したい……という様な事を簡潔に呟いたと、犬飼さんから聞きました。
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