【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎

亜沙美多郎

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〜2学期編〜

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「椿、来夢、ちょっといいか?」

生徒会寮の自室に戻ると直ぐにエイト先輩から声を掛けられました。

揃って談話室へ移動してみると、全員揃っています。何でしょう?緊急会議でしょうか?

僕達もソファーに座ると、ミツ先輩が口を開きました。

「最近、急に寒くなったでしょ?だからこの前の週末に、エイトと冬物の服買いに行ってたんだけど、登校用のアウターを皆んなで揃えるのはどうかな?って話になって……」


えっ?もしかして……


「皆んなの分のアウター、勝手に買ってきたよ!」


「ヤッターー!!」
ハルさん、誰よりも早く反応しましたよ。

僕はビックリして固まってしまいました。全員分って……凄すぎません⁉︎

「ただ、俺と来夢のサイズはやっぱなくてな、早急に作ってもらってるから、来夢はもうちょい待って?」

エイト先輩と来夢君は一際大きいから、そりゃ直ぐには見つからないでしょうね。

「皆んなの分揃ってから渡したかったんだけどね、もういい加減寒いから渡しちゃおうか?ってなんたんだよね」

ミツ先輩、嬉しそう……。本当に、行事がない時は優しい先輩なんですよねぇ……。
文化祭の練習の日々が懐かしいです。



「ほら!椿もボーっとしてないで着てみて?」

「は……はい!ありがとうございます!」


袋から取り出し試着してみました。

「わぁ!暖かくて、軽い……」

真っ黒の大きなカラー付きのコート。僕とハルさんはショート丈、アキさん、カイト先輩、ミツ先輩はミドル丈と、同じデザインで丈が違います。

今オーダーしている来夢君のアウターはショート丈、エイト先輩はミドル丈だそうですよ。

早速、明日から使わせてもらいます。
学校だけじゃなくて普段にも使っちゃいますね、コレは。

「早く皆んなお揃いで着たいねぇ!!」
ファッション大好きなハルさんは上機嫌です。

でもエイト先輩曰く、早くても半月程かかるみたいで……僕も待ち遠しいです。



次の日さっそく都華咲や磨理王に見せると、凄く褒めてくれました。

「椿だけズリー!俺も椿とオソロにしてぇ!!」

都華咲、僕だけ買ってもらったんじゃないんですよ?生徒会メンバー全員です。

「じゃあ、プライベート用は俺とお揃いにする?」

「それ良いですね!磨理王とならサイズも同じですし、色違いとか良さそうです」

「はぁ?ダメダメ!!磨理王、急に彼氏感出してくんなよな⁉︎」

ありゃりゃ。都華咲に反対されちゃいました。


校舎に向かっていると、後ろから紫音が駆け寄りました。
「椿姫、磨理王君!おはよう!ちょっと良い?」

「紫音君、おはようございます。どうかしましたか?」

「うん、昨日言ってた巽さんね、突然なんだけど今日の放課後会いたいって!予定とか大丈夫?」

え⁉︎早速今日ですか?

「特に、外せない予定はありませんが……」
「もしかして紫音君の家に行くの?」

「うん、僕の家に行っても良いし、秀麗の事務所でも良いし……」

事務所!!どんな所何でしょう!行ってみたいです……けど……仕事でもないのに使っちゃいけませんよね?それに紫音君の家、行きたいですし……。


そして磨理王とハモって言いました。

「「紫音君の家が良い!!」」

「あはは!分かった。じゃあ、連絡しておくね。そういえば、文化祭の時に使った写真、エイト君に渡したけど寮に飾ってあるの?」

「え?本当に渡したんですか?生徒会寮では見かけていませんけど……実家に持って帰ったとか?ですかねぇ?」

「そうなんだ。エイト君、3枚くらい選んでたからてっきり寮に飾るのかと思ってた」

3枚もですか⁉︎結構大きなサイズのもありましたけど……。

エイト先輩、貰ったなら教えて欲しかったですよぅ。

「え?アレ貰えんの?俺も欲しい!!」

都華咲!!聞かれちゃいました!!これはマズイです。全部くれ!とか言い兼ねません。

「わっ!ゴメン。もう巽さんに返しちゃった」

僕と都華咲がホッとして愕然としたのがほぼ同時でした。

「なーんか今日は朝から空振りばっか!!」
都華咲が少し拗ねちゃいました。すみません。僕も知らなかったので……。



とはいえ、紫音君の家に行けるなんて!!楽しみ過ぎます!巽さんとの話はドキドキしますが(圧倒されて、ちゃんと喋れるか不安です)1人じゃないのが救いです!磨理王と一緒なら、何とか乗り切れそうですよね。


夕食も紫音君の家で準備してくれると言ってましたし……。隣の都華咲とは対照的に、顔がニヤニヤして治りません。





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