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〜2学期編〜
完全キャパオーバー
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放課後、直ぐに梅慈先生が寮まで迎えに来てくれました。巽さんの到着まではまだ時間があるそうなので、課題をやりながら待つことに。
時間が経つ程に緊張感が増します。以前はそんな凄い人だとは知らなかったですし……。しかも今回は、改めて僕と磨理王を撮りたいと言って頂けている事に、更なるプレッシャーを感じています。
……磨理王は平気なのかな?チラッと横目で見てみましたが、紫音君と楽しそうにお喋りをしながら課題に取り組んでいますね。何故そんな平然といられるのでしょう。
(緊張してるの、僕だけですか??)
「椿、今日はやけに大人しいけど……大丈夫?」
「だ……!大丈夫じゃありません!!さっきから緊張感がどんどん増してますよ。磨理王は何でそんな普通に居られるんですか?」
「うーん……確かに、俺が撮られる側になるなんて想像もしてなかったけどさ。巽さんの仕事が見られるって思ったら、なんかワクワクしてきちゃって!もし本当に俺らを撮ってくれるなら、今度はもっと真剣に巽さんの仕事を見たいって思ってる!」
磨理王は本当にカメラが好きですもんね。こんな有名なカメラマンさんの仕事風景なんて、なかなか見られるものじゃありません。
いいなぁ。僕もそんな風に違う視点に変えられれば良いのに……。
「……俺、巽さんの技術をほんの少しでも盗みたい!そしたら、また椿を撮らせてくれる?」
「勿論です!!ふふ……磨理王のように、夢中になれるものがあるって良いですね」
「2人の写真、文化祭で凄く好評だったんだよ」と、紫音君が微笑みました。
僕達の写真と生花。本当に素晴らしかったです。自分じゃ恥ずかしくてまともに写真を見たり出来ませんが(あんな大きなパネルになるなんて思ってもみませんでしたし)紫音君の生けた花が余りにも見事で、一瞬で心を奪われたのを覚えています。
『こんにちはー!巽です!』
わっ!!気を抜いた瞬間、巽さんの声が屋敷に響きました。
梅慈先生と話しながら歩いてくるのが分かります。
力が抜けたのも束の間、また直ぐに体が硬直してしまいました。
「こんにちは!突然ゴメンね!!今日はありがとう!」
「「こんにちは!!宜しくお願いします!!」」
「あっはっは!君、そんな怖がらなくても良いから!
あっ、隣失礼するよ。何なに?勉強してたんだ⁉︎真面目だねぇ!!俺なら漫画読むかゲームして待ってるけどな!あはは!」
巽さんが!!巽さんが僕の隣に座っていますよ!!どんな風に喋ればいいのか分かりません!こんな時、都華咲だったら直ぐに打ち解けていたでしょうに……。
「大丈夫、大丈夫!リラックスして?はい、深呼吸~」
スーーハーー。
巽さんの指示に従って呼吸を整えます。
「じゃあ、時間ないからさっそく話進めても良いかな?」
「「はい!」」
「ぷぷぷ……初々しくて良いなぁ!
今回来てもらったのは、俺のオンラインサロンで配る来年用のカレンダーのモデルをして欲しいんだ。毎月サロンメンバーへメッセージに添付してプレゼントしてるやつでね。だから、大々的に広まる訳じゃないし、気軽に引き受けてくれると嬉しいんだけど……どう?」
オンラインサロン……どのくらいの人が登録してるんでしょう……。でもSNSよりは広まらなさそうですし、特に目立った活動でもなさそうで安心しました。
「磨理王、勿論OKですよね?」
「うん!恐れてたより規模が小さそうで良かったね」
ヒソヒソと意見を確認し、宜しくお願いします。と返事をしました。
「良かった!!ありがとう!!楽しくなりそうだ!!あっ1つ言い忘れてた!来年、写真展を開催する予定なんだけど、そこにも飾るんだった!」
えっ⁉︎
話がいきなり大きくなった気がしましたが……。
「オンラインと同時開催するんだ!久しぶりに大きな規模なんだよ。会場は東京、名古屋、大阪、福岡、それプラスオンラインでの配信!その中の作品の1つとしても使わせてもらうからね!」
会場とオンラインを一気に開催するんですか??
いや、でも他のモデルさんの方が目立つに決まってます。いくら巽さんに声を掛けて頂いたとはいえ、僕らは所詮、一般人ですから。
でも巽さんは言います。
「キレイな人やカッコいい人なら、いくらでも居るんだけどね。君たちは何か新しい印象を与えてくれる。2人っていうのも良いんだろうね。どちらか1人じゃ目立たなくても、2人だと急にお互いが引き立つ。面白い!実に面白いよ!」
面白いですか?とても美化して見られてる気がして仕方ないですが……。磨理王の為にもがんばるしかありませんね!
巽さんのスケジュールに合わせての撮影となる為、時には学校を休む日もあるとの事で、スケジュールを秀麗の事務所に管理していただくそうです。(事務所を通さないと、欠席扱いされてしまいますので……)
そう……ついに……僕と磨理王が秀麗の事務所に籍を置くこととなったのです!!!
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
大切なお時間を頂き、ありがとうございます。
お気に入り登録、しおり等、投稿の励みになっています!
次回もどうぞ宜しくお願いします。
時間が経つ程に緊張感が増します。以前はそんな凄い人だとは知らなかったですし……。しかも今回は、改めて僕と磨理王を撮りたいと言って頂けている事に、更なるプレッシャーを感じています。
……磨理王は平気なのかな?チラッと横目で見てみましたが、紫音君と楽しそうにお喋りをしながら課題に取り組んでいますね。何故そんな平然といられるのでしょう。
(緊張してるの、僕だけですか??)
「椿、今日はやけに大人しいけど……大丈夫?」
「だ……!大丈夫じゃありません!!さっきから緊張感がどんどん増してますよ。磨理王は何でそんな普通に居られるんですか?」
「うーん……確かに、俺が撮られる側になるなんて想像もしてなかったけどさ。巽さんの仕事が見られるって思ったら、なんかワクワクしてきちゃって!もし本当に俺らを撮ってくれるなら、今度はもっと真剣に巽さんの仕事を見たいって思ってる!」
磨理王は本当にカメラが好きですもんね。こんな有名なカメラマンさんの仕事風景なんて、なかなか見られるものじゃありません。
いいなぁ。僕もそんな風に違う視点に変えられれば良いのに……。
「……俺、巽さんの技術をほんの少しでも盗みたい!そしたら、また椿を撮らせてくれる?」
「勿論です!!ふふ……磨理王のように、夢中になれるものがあるって良いですね」
「2人の写真、文化祭で凄く好評だったんだよ」と、紫音君が微笑みました。
僕達の写真と生花。本当に素晴らしかったです。自分じゃ恥ずかしくてまともに写真を見たり出来ませんが(あんな大きなパネルになるなんて思ってもみませんでしたし)紫音君の生けた花が余りにも見事で、一瞬で心を奪われたのを覚えています。
『こんにちはー!巽です!』
わっ!!気を抜いた瞬間、巽さんの声が屋敷に響きました。
梅慈先生と話しながら歩いてくるのが分かります。
力が抜けたのも束の間、また直ぐに体が硬直してしまいました。
「こんにちは!突然ゴメンね!!今日はありがとう!」
「「こんにちは!!宜しくお願いします!!」」
「あっはっは!君、そんな怖がらなくても良いから!
あっ、隣失礼するよ。何なに?勉強してたんだ⁉︎真面目だねぇ!!俺なら漫画読むかゲームして待ってるけどな!あはは!」
巽さんが!!巽さんが僕の隣に座っていますよ!!どんな風に喋ればいいのか分かりません!こんな時、都華咲だったら直ぐに打ち解けていたでしょうに……。
「大丈夫、大丈夫!リラックスして?はい、深呼吸~」
スーーハーー。
巽さんの指示に従って呼吸を整えます。
「じゃあ、時間ないからさっそく話進めても良いかな?」
「「はい!」」
「ぷぷぷ……初々しくて良いなぁ!
今回来てもらったのは、俺のオンラインサロンで配る来年用のカレンダーのモデルをして欲しいんだ。毎月サロンメンバーへメッセージに添付してプレゼントしてるやつでね。だから、大々的に広まる訳じゃないし、気軽に引き受けてくれると嬉しいんだけど……どう?」
オンラインサロン……どのくらいの人が登録してるんでしょう……。でもSNSよりは広まらなさそうですし、特に目立った活動でもなさそうで安心しました。
「磨理王、勿論OKですよね?」
「うん!恐れてたより規模が小さそうで良かったね」
ヒソヒソと意見を確認し、宜しくお願いします。と返事をしました。
「良かった!!ありがとう!!楽しくなりそうだ!!あっ1つ言い忘れてた!来年、写真展を開催する予定なんだけど、そこにも飾るんだった!」
えっ⁉︎
話がいきなり大きくなった気がしましたが……。
「オンラインと同時開催するんだ!久しぶりに大きな規模なんだよ。会場は東京、名古屋、大阪、福岡、それプラスオンラインでの配信!その中の作品の1つとしても使わせてもらうからね!」
会場とオンラインを一気に開催するんですか??
いや、でも他のモデルさんの方が目立つに決まってます。いくら巽さんに声を掛けて頂いたとはいえ、僕らは所詮、一般人ですから。
でも巽さんは言います。
「キレイな人やカッコいい人なら、いくらでも居るんだけどね。君たちは何か新しい印象を与えてくれる。2人っていうのも良いんだろうね。どちらか1人じゃ目立たなくても、2人だと急にお互いが引き立つ。面白い!実に面白いよ!」
面白いですか?とても美化して見られてる気がして仕方ないですが……。磨理王の為にもがんばるしかありませんね!
巽さんのスケジュールに合わせての撮影となる為、時には学校を休む日もあるとの事で、スケジュールを秀麗の事務所に管理していただくそうです。(事務所を通さないと、欠席扱いされてしまいますので……)
そう……ついに……僕と磨理王が秀麗の事務所に籍を置くこととなったのです!!!
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