新八正道

まとめ

　雪の結晶がどの様に作られるのか？実験装置の中で観測することは不可能だ。何故なら、最初の結晶の心の星に当たる分子の行動範囲が非常に広い事と、結晶が出来る過程で、結晶が上空と地上付近という電位の異なる場所を旅をする。見かけ上、結晶の電位が変わったように見える。実験装置に静電気をかけると、結晶が実験装置の壁に吸い寄せられてしまい壁に当たる。
　超ミクロの世界では物質は中途半端な長さを嫌って、正二十面体の対角線にあたる場所しか通る事が出来ない。その筋のことを道という。結晶が出来始める初期では、結晶の電位は周りの電位と同じだが水の分子自体が電気を持つため、折り紙の様な凸凹した平面状になる。結晶が旅をして、電位の違う場所に移動すると、結晶が電気を帯びた様に見える。結晶がマイナスの電気を帯びると、結晶の周囲の部分がマイナスになり、まず水酸イオンが中心のプラスの部分に吸い寄せられてから、周囲に向かって移動し先っぽで水の分子が結晶にくっ付き、結晶は、周囲に向かって成長する。反対にプラスの電気を帯びると、結晶は、面の方向に成長して、結晶は、六角柱になる。勿論、途中で結晶の成長の進行方向が逆転することもある。結晶が旅をする時点での場所の、電位、温度、湿度により、様々な形に成長する。結晶のそれぞれの成長点はずっと同じものを感じて育って来たのだから、同じようになるのは当然と言えば当然。各成長点が持つ固有振動により、さらに、同じような形に変化する。

　あれ以来、サーファー先生には会っていない。「君は私が本物の私と偽物の私、二人の私がいると思っているのかい？ピタゴラスの定理というものがあるだろう？3の２乗+4の２乗は5の２乗というあれです。直角三角形の直角な二辺が3と4という自然数のとき、斜辺も自然数になっているというのは不自然だとは思わないかい？二辺が自然数なら、斜辺は無理数になるのが自然でしょ。斜辺の5は無理数という集合の中にたまたまある5。自然数の5と無理数の中に混じっている5、どっちが本物の5か解るかい？どっちも同じ5なんだよ」とサーファー先生に語りかけられている感覚ある様な気がする。