17 / 200
一年目
17:なんとなく。
しおりを挟む
決闘が終わるとさっさと帰ろうとしたフォラクスをどうにか捕まえて、アザレアは学芸祭を一緒にまわるところまでこぎつけた。
「実はわたしも、あんまり学芸祭見てまわったことないんだよね」
一般開放されたくさんの人で溢れる校舎内を歩きながら、横に並ぶフォラクスを横目で見てアザレアはぽつりと零した。
「1年生の時からずっと薬売ってたからさ」
「然様ですか」
フォラクスは相変わらず澄ました顔で何を考えているのか分からなかったが、ちゃんと話を聞いてくれるらしい。
「きみは学生の時、学芸祭とかまわったの?」
敢えて、『誰と』まわったのかは聞かないでおいた。なんとなく、その話を聞きたくなかったからだ。
「いいえ。仕事がありましたから」
「仕事? なんの?」
顔を上げると、フォラクスと目が合った。
「学生会の、です」
「あっ、やっぱり会長やってたの?」
「しておりませぬ」
つい、とフォラクスに目を逸らされた。
「えっ、そうなの?」
「確かに、私は優秀でありましたが……」
視線を逸らしたまま、過去を思い出しているのか、少し目を閉じる。
「なんか妙に腹立つ言い方」
「身分、というものには逆らえませんから」
ゆっくりと目を開き、周囲の店達の方を見ながらフォラクスは答えた。
「どゆこと?」
「同じ学年に王弟がいらっしゃいまして」
「あー……」
つまり、王弟が入学した時からずっと、卒業するまで会長をし、その周辺をその親衛隊で固めていた、ということらしい。
「入学の初めから満点を取った私は、その末席に加えて頂き」
「逆にすごくない?」
「大変に多くの書類仕事を任して下さいました」
にっこりと外面の笑みを浮かべ、フォラクスは思い出を語った。
「……つまり、その仕事ばかりやっててあんまり催し物に参加出来なかった感じ? 入学した時から?」
「えぇ」
「へぇ……お疲れ様……」
大丈夫なのかその王弟達、と、あまり興味はないが、少し不安になるアザレアだった。
「今の処、王には成っていらっしゃらないのが救い、でしょうかね」
「へー」
「……興味が無さそうですね」
「王弟のとこはどーでもいいかな」
「然様か」
アザレアはフォラクスを見上げ、その顔を見つめる。
「(………すっごい猫)」
顔がほぼ完全に猫の顔になっている。口元は血塗れで、着替えたらしいぼろぼろのスーツのような服にもべったりと赤い粘性の高い血糊がてらてらと光る。
髪色と同色の、やや紫がかった黒い毛並みにも血糊や埃のようなものが付着し、手の部分は腕の中間辺りまでその獣人のような見た目にしているらしい。(その先は服で隠れていて見えない。)
「(……猫ってお揃いじゃん)」
それに気が付き、アザレアは何だか嬉しくなった。
×
「あ、ちょっと待ってて!」
とある店を見て、アザレアはフォラクスをその場に留めさせる。
「すぐ戻るから」
「……仕方有りませんね」
返事をする前に居なくなったものだから、フォラクスは待たざるを得ない。
「お待たせー!」
アザレアは何かを買ってきたらしく、袋を持って戻った。
「あと、ちょーっと、かがんで!」
「はい」
ぐいぐいと腕を引っ張られながら、フォラクスは屈む……だけだとやや身長差が埋まらなかったので、しゃがんだ。そして、アザレアは袋から出したものをフォラクスの首に付ける。
「……これは……リボン?」
「そう! 蝶ネクタイ!」
「リボンでは」
呆れるフォラクスに構わず、袋の中からもう一つ同じものを取り出し、アザレアはそれを自身の首に付けた。
「ほら、おそろい!」
「…………ただのリボンでは」
「おそろいなんだよ」
「……然様で御座いますか」
フォラクスの態度にうんうんと満足そうに頷いたとき、
「あ、居たいた。おーい」
「急にどこ行くのよ」
と、友人二人が人混みをかき分け、アザレアの近くまでやってきた。アザレアがそちらを見たときにフォラクスも立ち上がった。
「うわでっか」
「誰?」
友人B、友人Aはそれぞれの感想を呟く。
「わたしの婚約者の人」
「……初めまして。婚約者がお世話になっております」
アザレアの紹介に合わせ、フォラクスは丁寧に礼をした。視察の魔術師として何度か会ったことはあるだろうが、婚約者としては初めてであり、やや誤認させる魔術もかけている。
「相性結婚の相手?」
「うん。来てくれた」
「身長差やばいね」
見上げ、友人Bは感心した様子で言う。
「……へぇ。結構嬉しそうね」
「ちょっとわくわくしてるだけだもん」
友人Aの指摘に、アザレアはぷん、と顔を逸らした。
「仮装してるわね」
「全然顔がわからないね。特殊メイク?」
「恥ずかしがりやさんなんだよ」
言いながら、アザレアは背後に立つフォラクスに頬をむぎゅっと挟まれた。
「あ、そうだ一緒にまわろうよ」
「いや、二人で周りな? 折角だし」
アザレアの誘いに、友人Bが慌てて返す。
「だって。どこ行く?」
アザレアはフォラクスを見上げる。
「……貴女の行きたい所に行けば良いでしょう」
「んー、それが困るんだよなぁー」
二人のやり取りを見ながら
「……意外と仲良さそうね」
「聞いてた話となんか違う」
と、友人Aと友人Bは言い合った。
「あの、手紙でやりとりしてないって聞いたんですけど」
友人Bはフォラクスに質問を投げかける。
「なんで手紙を出してあげないんですか」
「別にわたし気にしてないから聞かなくていいよ」
とアザレアが諌めても、
「でも」
と、少し不満そうな様子だ。
「……飽く迄も、私共は制度で導き出された組み合わせですから」
フォラクスは外面のやや優しめな声色で、そう答えた。
「うわ、おんなじこと言ってる」
「ある意味お似合いじゃない?」
「も、もう用は済んだでしょ? 一緒に行かないんならほら、さっさと行きなよ!」
友人Bと友人Aの言葉にやや慌てながら、アザレアは二人の背を押し、フォラクスから引き離そうとする。
「はいはい。あ、あの子、すぐどっか行くんでよく見てやってくださーい」
「どうぞ、学芸祭を楽しんでくださいねー」
振り返り、友人Bと友人Aはフォラクスにそう言った。
「良い御友人を持たれたましたね」
「片方は初等部から一緒なんだ。もう一人は初等部は別だったけど、一緒に遊んでた子。アカデミーでみんな一緒になったんだ」
「然様で。……其れは良かったですね」
×
「……何か、手紙を送った方が宜しかったでしょうか」
「ううん、別に」
学芸祭をまわり、露店のものをいくつか買ったり食べたりした。アザレアは射的などの遊戯の露店も楽しみ、フォラクスはその様子を見ているだけだったが、それで良かったらしい。
「わたしは、きみが興味持てそうな話とか、しおらしい手紙とか書けないし話題も思いつかないから」
今は休憩用の椅子に座り、休みがてら買った食品を食べていた。
「(……学校でも会えるし)」
思いながら、アザレアはフォラクスの方を見る。彼は貴族のようだが、庶民の食べ物に難色を示すことなく周囲と同じように(しかし上品に)食べてくれる。
「それに、忙しいだろうから『今日のお天気は~』みたいな無駄な世間話とかも邪魔だろうし送ってないだけだよ」
「……てっきり、興味が無いものかと」
ある程度食べてから、フォラクスは口を開いた。食べながら話すタイプではないらしい。
「私は……」
「うん」
ゆっくりと口を開いたフォラクスにアザレアは聞くつもりがある意志を示すように、相槌を打つ。
「定型的な手紙等貴女に送っても仕様がない、或いは興味無いでしょうから送らなかっただけですよ」
口元を拭き、アザレアに答えた。
「要らないでしょう」
「うん」
第一印象のおかげで、定型な手紙を送られても違和感を覚えるだけだっただろう。
「宮廷の仕事も忙しく、書く暇も抑無いのですが」
「え、じゃあ視察してて大丈夫?」
「上司命令ですから。……其れに、良い息抜きになります」
「へぇ」
だからといって、互いに手紙を出すようになるわけではないと、なんとなく察した。
学芸祭が終われば、今まで通りに無干渉の日々が続くだけだ。
「実はわたしも、あんまり学芸祭見てまわったことないんだよね」
一般開放されたくさんの人で溢れる校舎内を歩きながら、横に並ぶフォラクスを横目で見てアザレアはぽつりと零した。
「1年生の時からずっと薬売ってたからさ」
「然様ですか」
フォラクスは相変わらず澄ました顔で何を考えているのか分からなかったが、ちゃんと話を聞いてくれるらしい。
「きみは学生の時、学芸祭とかまわったの?」
敢えて、『誰と』まわったのかは聞かないでおいた。なんとなく、その話を聞きたくなかったからだ。
「いいえ。仕事がありましたから」
「仕事? なんの?」
顔を上げると、フォラクスと目が合った。
「学生会の、です」
「あっ、やっぱり会長やってたの?」
「しておりませぬ」
つい、とフォラクスに目を逸らされた。
「えっ、そうなの?」
「確かに、私は優秀でありましたが……」
視線を逸らしたまま、過去を思い出しているのか、少し目を閉じる。
「なんか妙に腹立つ言い方」
「身分、というものには逆らえませんから」
ゆっくりと目を開き、周囲の店達の方を見ながらフォラクスは答えた。
「どゆこと?」
「同じ学年に王弟がいらっしゃいまして」
「あー……」
つまり、王弟が入学した時からずっと、卒業するまで会長をし、その周辺をその親衛隊で固めていた、ということらしい。
「入学の初めから満点を取った私は、その末席に加えて頂き」
「逆にすごくない?」
「大変に多くの書類仕事を任して下さいました」
にっこりと外面の笑みを浮かべ、フォラクスは思い出を語った。
「……つまり、その仕事ばかりやっててあんまり催し物に参加出来なかった感じ? 入学した時から?」
「えぇ」
「へぇ……お疲れ様……」
大丈夫なのかその王弟達、と、あまり興味はないが、少し不安になるアザレアだった。
「今の処、王には成っていらっしゃらないのが救い、でしょうかね」
「へー」
「……興味が無さそうですね」
「王弟のとこはどーでもいいかな」
「然様か」
アザレアはフォラクスを見上げ、その顔を見つめる。
「(………すっごい猫)」
顔がほぼ完全に猫の顔になっている。口元は血塗れで、着替えたらしいぼろぼろのスーツのような服にもべったりと赤い粘性の高い血糊がてらてらと光る。
髪色と同色の、やや紫がかった黒い毛並みにも血糊や埃のようなものが付着し、手の部分は腕の中間辺りまでその獣人のような見た目にしているらしい。(その先は服で隠れていて見えない。)
「(……猫ってお揃いじゃん)」
それに気が付き、アザレアは何だか嬉しくなった。
×
「あ、ちょっと待ってて!」
とある店を見て、アザレアはフォラクスをその場に留めさせる。
「すぐ戻るから」
「……仕方有りませんね」
返事をする前に居なくなったものだから、フォラクスは待たざるを得ない。
「お待たせー!」
アザレアは何かを買ってきたらしく、袋を持って戻った。
「あと、ちょーっと、かがんで!」
「はい」
ぐいぐいと腕を引っ張られながら、フォラクスは屈む……だけだとやや身長差が埋まらなかったので、しゃがんだ。そして、アザレアは袋から出したものをフォラクスの首に付ける。
「……これは……リボン?」
「そう! 蝶ネクタイ!」
「リボンでは」
呆れるフォラクスに構わず、袋の中からもう一つ同じものを取り出し、アザレアはそれを自身の首に付けた。
「ほら、おそろい!」
「…………ただのリボンでは」
「おそろいなんだよ」
「……然様で御座いますか」
フォラクスの態度にうんうんと満足そうに頷いたとき、
「あ、居たいた。おーい」
「急にどこ行くのよ」
と、友人二人が人混みをかき分け、アザレアの近くまでやってきた。アザレアがそちらを見たときにフォラクスも立ち上がった。
「うわでっか」
「誰?」
友人B、友人Aはそれぞれの感想を呟く。
「わたしの婚約者の人」
「……初めまして。婚約者がお世話になっております」
アザレアの紹介に合わせ、フォラクスは丁寧に礼をした。視察の魔術師として何度か会ったことはあるだろうが、婚約者としては初めてであり、やや誤認させる魔術もかけている。
「相性結婚の相手?」
「うん。来てくれた」
「身長差やばいね」
見上げ、友人Bは感心した様子で言う。
「……へぇ。結構嬉しそうね」
「ちょっとわくわくしてるだけだもん」
友人Aの指摘に、アザレアはぷん、と顔を逸らした。
「仮装してるわね」
「全然顔がわからないね。特殊メイク?」
「恥ずかしがりやさんなんだよ」
言いながら、アザレアは背後に立つフォラクスに頬をむぎゅっと挟まれた。
「あ、そうだ一緒にまわろうよ」
「いや、二人で周りな? 折角だし」
アザレアの誘いに、友人Bが慌てて返す。
「だって。どこ行く?」
アザレアはフォラクスを見上げる。
「……貴女の行きたい所に行けば良いでしょう」
「んー、それが困るんだよなぁー」
二人のやり取りを見ながら
「……意外と仲良さそうね」
「聞いてた話となんか違う」
と、友人Aと友人Bは言い合った。
「あの、手紙でやりとりしてないって聞いたんですけど」
友人Bはフォラクスに質問を投げかける。
「なんで手紙を出してあげないんですか」
「別にわたし気にしてないから聞かなくていいよ」
とアザレアが諌めても、
「でも」
と、少し不満そうな様子だ。
「……飽く迄も、私共は制度で導き出された組み合わせですから」
フォラクスは外面のやや優しめな声色で、そう答えた。
「うわ、おんなじこと言ってる」
「ある意味お似合いじゃない?」
「も、もう用は済んだでしょ? 一緒に行かないんならほら、さっさと行きなよ!」
友人Bと友人Aの言葉にやや慌てながら、アザレアは二人の背を押し、フォラクスから引き離そうとする。
「はいはい。あ、あの子、すぐどっか行くんでよく見てやってくださーい」
「どうぞ、学芸祭を楽しんでくださいねー」
振り返り、友人Bと友人Aはフォラクスにそう言った。
「良い御友人を持たれたましたね」
「片方は初等部から一緒なんだ。もう一人は初等部は別だったけど、一緒に遊んでた子。アカデミーでみんな一緒になったんだ」
「然様で。……其れは良かったですね」
×
「……何か、手紙を送った方が宜しかったでしょうか」
「ううん、別に」
学芸祭をまわり、露店のものをいくつか買ったり食べたりした。アザレアは射的などの遊戯の露店も楽しみ、フォラクスはその様子を見ているだけだったが、それで良かったらしい。
「わたしは、きみが興味持てそうな話とか、しおらしい手紙とか書けないし話題も思いつかないから」
今は休憩用の椅子に座り、休みがてら買った食品を食べていた。
「(……学校でも会えるし)」
思いながら、アザレアはフォラクスの方を見る。彼は貴族のようだが、庶民の食べ物に難色を示すことなく周囲と同じように(しかし上品に)食べてくれる。
「それに、忙しいだろうから『今日のお天気は~』みたいな無駄な世間話とかも邪魔だろうし送ってないだけだよ」
「……てっきり、興味が無いものかと」
ある程度食べてから、フォラクスは口を開いた。食べながら話すタイプではないらしい。
「私は……」
「うん」
ゆっくりと口を開いたフォラクスにアザレアは聞くつもりがある意志を示すように、相槌を打つ。
「定型的な手紙等貴女に送っても仕様がない、或いは興味無いでしょうから送らなかっただけですよ」
口元を拭き、アザレアに答えた。
「要らないでしょう」
「うん」
第一印象のおかげで、定型な手紙を送られても違和感を覚えるだけだっただろう。
「宮廷の仕事も忙しく、書く暇も抑無いのですが」
「え、じゃあ視察してて大丈夫?」
「上司命令ですから。……其れに、良い息抜きになります」
「へぇ」
だからといって、互いに手紙を出すようになるわけではないと、なんとなく察した。
学芸祭が終われば、今まで通りに無干渉の日々が続くだけだ。
0
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる