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第3章 淫武御前トーナメントの章
20話 VS蛙男 乱入
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20話 VS蛙4 乱入
エリナとオネエが戦うことになって、ナツキは初めて自分の気持ちに気付いた。
オネエのことがずっと好きだった。
自分の気持ちに気付いて間もなく、オネエの過去を知ったのだ。
――よかった。
オネエの気持ちに気付いたのが先で良かった。オネエの過去を知るよりも先に、オネエへの気持ちを知れて良かった。
過去の経緯を聞いて恋するのは絶対いやだった。
淫魔の母親かも知れない、そんな同情で好きになるのはいやだった。
本当かも分からない話で恋に落ちるのはいやだった。
でも大丈夫。先に気持ちに気付いたから。
今のオネエを好きだから。
「起きた? 敗北を宣言してくれるなら逝かせてあげるよ?」
絶頂ギリギリで我慢させられるのが相当堪えるのだろう。
マロッグは、意識が戻るも顔を真っ赤に膨らませて、また意識を飛ばしてしまいそうになっている。
窒息手前の蛙顔と言ったら良いのだろうか、目も見開いたまま膨れていた。
「お、お、おぉ…………、ぉ、おふ…………ぉ……」
しかし、これは思った以上の長期戦になるかも知れない。
勝ち方への強いこだわりは、負け方にも強いこだわりを生むのだろう。
頭を下げてでも服従したい。そう思うくらいにまで堕落させないと負けを認めてくれそうにない。
大太刀で何度も刻むのは避けたいが、そうも言っていられない、か。
ゆっくりとしゃがんで、マロッグの巨体に作らせた影から、ヌツツツッ……。
ゆっくり巨大な光り物を引っ張り上げていく。
「あまり遊んでいる時間がない。最後にもう一度だけ聞くよ」
――負けを認める気は無い?
巨大な大剣を手にした少女。斬ることに躊躇いを感じさせない光りのない目。
魚を捌く料理人以上に獲物に対して感情がない。
そんな機械よりも機械的な少女を見て、絶頂と絶命を前にしたマロッグは気を失うことさえ許してもらえなかった。
「返事がないなら殺すよ。――死ね」
久方ぶりに人に向けて刀を振るった気がする。長い刃渡りが血を吸う――。
その一歩手前のことだった。
『――まって』
場に不釣り合いな幼い子どもの声がした。
肌に触れていた刃をひくんっ、と引いた。
「誰……?」
マロッグはダウンしたまま喋られそうにない。そもそも声が違い過ぎる。
客の歓声をすり抜けて直接頭の中へと聞こえてきたような、そんなはっきりとした声だった。
「武器を下ろしてくれない?」
聞き間違えでは無かった。頭の中に直接話しかけられている。
誰だ。一体どうやって。
「君たちを大会に招待したマモン☆ って言っても分からないよね?」
こいつが樽男を脅している男?
イメージとかけ離れたあまりに幼い声だった。
しかし、このタイミングで何の用だ。
「ナツキさんが戦っているチームって、ぼくがオーナーなんだよねー☆ 因みにマロッグはぼくのチームのメンバーなんだ。察しのいい君だからなにが言いたいか分かるよね?」
「分かるわけ無いでしょ」
「負けてくれない? 降参して? 私達の負けですって、宣言してくれない?」
「なっ!? ふざけるな。まともに戦えないの? 卑怯な事ばかりしてっ……て、――ちょっと、これ、どういうこと……」
少年マモンのため息に混じって、エリナの喘ぎ声が聞こえてきたのだ。
「あっ! あっ、あぁあっ! ま、まもんさまっい、いいっ、まもんさまのおちんぽいいっ! もっとっは、はげしく、激しく突いてっ!!!!」
――どういうこと。
そういえばこの会場に来てから、一度もエリナを見ていない。
エリナが戦うはずの第2試合も棄権扱いになっている。
観客席の最前列でお茶を啜っているオネエ。その隣には小金井が座っている。
が、しかしやっぱりエリナはいない。
(……エリナは攫われたの?)
どうしたら良いんだ。
最前列とは言え、コートと観客席までは距離がある。
陥っている状況をオネエにだけ伝えるのは難しい。
どうしたら良いんだ。
マロッグを倒して一回戦を突破する。この選択が一番利口だった。
エリナ救出以外は確実に達成出来る。これが最善手だろう。
仮にエリナの救出を考えてマロッグにてきとうに犯されて降参、なんて真似したら、下手をすると全てを失う。
この二択なら、前者しかない。
しかし……。果たしてエリナを見捨てられるのだろうか?
エリナとの付き合いは地味に長い。3年近くになる。
だからと言って、エリナに対する情が邪魔をして見捨てられない。なんて感情的な話ではない。
はっきり言って、エリナはトラブルメーカーだった。何度迷惑を掛けられたか分からない。しかし、いつも心を鬼にして傍観すると決め込んでも出来ない。
今回こそは絶対見て見ぬフリをする。そう固く決意しても出来た試しがない。
(……多分今回も、……出来ない。現に目の前の蛙男を殺せないままだ)
「マロッグ起きてるんでしょ?」
「あ、……あはぁはぁ……、な、なんか、…………な、んかすごくおもしろいことにっ、なって、なってきたねぇえええええ♥ すごく興奮することにっ、なって、なってきたねぇえ♥」
くそっ……。大太刀でズタズタにしておけば良かった。内臓から何から何までくりぬいて復元出来ないくらいに切り刻んでやれば良かった。
……くそっ、どうしたら良いんだ。
「いいねぇ。マロッグー、今のナツキさんになら勝てるかもよーやっちゃってー」
「く、くそっ……。どうしたらぁああっ♥」
な、なんでっこれが、う、あ、……あぁ……。まだマロッグには触れられてもいない。直接何かされたわけではない。
快感音波と化したバイブ音が身体を狂わせてきたのだ。
ナツキは慌てて、小金井から手渡されていた波長を変える耳栓を詰め込んだ。
「危なかっ、ん!?♥ これっ、ん♥ あぁんっ♥」
頭の中で直接響いてくるようだった。
まさか……。
そのまさかだった。マモンが自身の声を届けているテレパス同様の方法で、直接脳内でバイブ音が響いたのだ。
「くっ、あはぁ……ぁ……」
「根本治療されてないんだね☆ まだしっかり効くみたいだ☆」
しっかりではすまなかった。
耳さえ介さずにダイレクトに刺激を伝えられている。
そのせいか、肉ヒダに点在する性感帯を、皮膚を介さずに震わされているような快感を覚えてしまう。
膝をもじもじと擦り合わせて、快感を分散させる。
「くあ、はぁ……っ」
気休めにもならなかった。
ビーンッ……ビーンッ……、と鳴っているのは程度の低い振動音。しかしそんな些細な音でさえ、いつ逝かされてもおかしくないくらいに追い詰められていた。
全開に鳴らされようものなら発狂してしまう。と恐怖させられる。
先の見えない不安に苛まれる中、マモンに言われたのだった。
「ナツキさーん、さっきの台詞忘れて良いよ☆」
「ど、どういう、…………意味っ……」
「わざと負ける必要ないよ、って意味。どう頑張ってもマロッグにやられるじゃん。それも翔子さんの見ている前でね」
「どういう……意味」
「そのままの意味☆ 好きな人の前で完堕ちするところノーカットで見てもらえるね!」
「なっ……なんでっ、知ってるっ」
「バレバレだよ? おめでとう! その翔子さんに他の男にやられるところ見せられるね♪ ヤキモチ妬かせられるかもね♪」
「きっ、貴様っ……」
性根が腐っている。腐りきっている。
マモンが言ったように、オネエの座る席からこのコートはよく見える。
犯されている姿が丸見えではあっても、反面コートの上の異変にオネエが気付いてくれる可能性がある。
長引かせれば長引かせるだけ、オネエが異変に気付く可能性が高くなる。
敗北宣言をしなくていいなら、そのうち気付いてくれるだろう。
そうなれば、なんかしらの手を打ってくれるだろう。
逆転不能の窮地に追い込まれていたが、光明が見えた。
問題はこの性悪クソガキのことだ、都合が悪くなると敗北宣言しろと急かしてくるだろう。そう思っていたが、マモンは想像していたよりもよっぽど子どもで、ナツキが予想もしていない方向へと話が進んでいくのであった。
「じゃあ、ゲームをしよう。ボクはこの催淫音波を自由に鳴らせるから、画面を見ながらゲーム感覚でボタンを押す。格闘ゲームみたいな感じだね。――この状況で勝てたらエリナさんを返すよ」
エリナの安全まで保証すると言いだしたのだ。それもゲームと言ってるくらいなのだから、約束を破れないように契約のようなものを結ばせるのだろう。
「――その代わり、ナツキさんが負けた場合はボクの下処理奴隷になってくれない? 精子から小便から大便からなにからなにまでやってよ」
それが本題か。
「拒否権なんてないでしょ」
反抗的な態度を見せるが、ナツキにとっては悪い話ではなく、断るつもりは微塵も無かった。敗北した場合の罰ゲームがどれだけ過酷であったとしても、断るつもりなんて無かったのだ。
この状況で降参するように迫られたら、どちらにしても全てが終わりなのだ。
『負けたら観客に輪姦されても拒否できない』
マロッグからの話が本当ならば、敗者は勝者の命令に逆らうことの出来ない肉人形にされてしまう。
敗北宣言を避けられるならどのような条件でも呑むべきだ。
そしてこの決闘は、マモンにとっては言葉通りのゲームなのだろう。
ゲームにはルールが、ルールには罰則がある。
このルールが絶対のものであるならば、少なくとも理不尽に負けを宣言させられることはない。
それでいて勝てば全てが丸く収まる。
「お互いの為にもここは一つ約束を決めたいと思うんだけど。ズルしないように。いいよねー?」
何かしら契約を結ぶとは思っていたが、これで反故にされるなんて一番避けたいリスクも避けられる。
「わかった」
ルールは簡単だった。
ナツキが負けた場合の奴隷化。
勝利した場合のエリナの返還。
その間マモンによるエリナへの手出しが無効である。
了解して、ナツキとマロッグは最終戦を仕切り直すことになった。
逆転の可能性に賭けて結んだ契約ではあった。だが、この戦いがナツキにとって、これまでに無い悲劇をもたらすことになるとは、このときのナツキには知る由も無かった。
エリナとオネエが戦うことになって、ナツキは初めて自分の気持ちに気付いた。
オネエのことがずっと好きだった。
自分の気持ちに気付いて間もなく、オネエの過去を知ったのだ。
――よかった。
オネエの気持ちに気付いたのが先で良かった。オネエの過去を知るよりも先に、オネエへの気持ちを知れて良かった。
過去の経緯を聞いて恋するのは絶対いやだった。
淫魔の母親かも知れない、そんな同情で好きになるのはいやだった。
本当かも分からない話で恋に落ちるのはいやだった。
でも大丈夫。先に気持ちに気付いたから。
今のオネエを好きだから。
「起きた? 敗北を宣言してくれるなら逝かせてあげるよ?」
絶頂ギリギリで我慢させられるのが相当堪えるのだろう。
マロッグは、意識が戻るも顔を真っ赤に膨らませて、また意識を飛ばしてしまいそうになっている。
窒息手前の蛙顔と言ったら良いのだろうか、目も見開いたまま膨れていた。
「お、お、おぉ…………、ぉ、おふ…………ぉ……」
しかし、これは思った以上の長期戦になるかも知れない。
勝ち方への強いこだわりは、負け方にも強いこだわりを生むのだろう。
頭を下げてでも服従したい。そう思うくらいにまで堕落させないと負けを認めてくれそうにない。
大太刀で何度も刻むのは避けたいが、そうも言っていられない、か。
ゆっくりとしゃがんで、マロッグの巨体に作らせた影から、ヌツツツッ……。
ゆっくり巨大な光り物を引っ張り上げていく。
「あまり遊んでいる時間がない。最後にもう一度だけ聞くよ」
――負けを認める気は無い?
巨大な大剣を手にした少女。斬ることに躊躇いを感じさせない光りのない目。
魚を捌く料理人以上に獲物に対して感情がない。
そんな機械よりも機械的な少女を見て、絶頂と絶命を前にしたマロッグは気を失うことさえ許してもらえなかった。
「返事がないなら殺すよ。――死ね」
久方ぶりに人に向けて刀を振るった気がする。長い刃渡りが血を吸う――。
その一歩手前のことだった。
『――まって』
場に不釣り合いな幼い子どもの声がした。
肌に触れていた刃をひくんっ、と引いた。
「誰……?」
マロッグはダウンしたまま喋られそうにない。そもそも声が違い過ぎる。
客の歓声をすり抜けて直接頭の中へと聞こえてきたような、そんなはっきりとした声だった。
「武器を下ろしてくれない?」
聞き間違えでは無かった。頭の中に直接話しかけられている。
誰だ。一体どうやって。
「君たちを大会に招待したマモン☆ って言っても分からないよね?」
こいつが樽男を脅している男?
イメージとかけ離れたあまりに幼い声だった。
しかし、このタイミングで何の用だ。
「ナツキさんが戦っているチームって、ぼくがオーナーなんだよねー☆ 因みにマロッグはぼくのチームのメンバーなんだ。察しのいい君だからなにが言いたいか分かるよね?」
「分かるわけ無いでしょ」
「負けてくれない? 降参して? 私達の負けですって、宣言してくれない?」
「なっ!? ふざけるな。まともに戦えないの? 卑怯な事ばかりしてっ……て、――ちょっと、これ、どういうこと……」
少年マモンのため息に混じって、エリナの喘ぎ声が聞こえてきたのだ。
「あっ! あっ、あぁあっ! ま、まもんさまっい、いいっ、まもんさまのおちんぽいいっ! もっとっは、はげしく、激しく突いてっ!!!!」
――どういうこと。
そういえばこの会場に来てから、一度もエリナを見ていない。
エリナが戦うはずの第2試合も棄権扱いになっている。
観客席の最前列でお茶を啜っているオネエ。その隣には小金井が座っている。
が、しかしやっぱりエリナはいない。
(……エリナは攫われたの?)
どうしたら良いんだ。
最前列とは言え、コートと観客席までは距離がある。
陥っている状況をオネエにだけ伝えるのは難しい。
どうしたら良いんだ。
マロッグを倒して一回戦を突破する。この選択が一番利口だった。
エリナ救出以外は確実に達成出来る。これが最善手だろう。
仮にエリナの救出を考えてマロッグにてきとうに犯されて降参、なんて真似したら、下手をすると全てを失う。
この二択なら、前者しかない。
しかし……。果たしてエリナを見捨てられるのだろうか?
エリナとの付き合いは地味に長い。3年近くになる。
だからと言って、エリナに対する情が邪魔をして見捨てられない。なんて感情的な話ではない。
はっきり言って、エリナはトラブルメーカーだった。何度迷惑を掛けられたか分からない。しかし、いつも心を鬼にして傍観すると決め込んでも出来ない。
今回こそは絶対見て見ぬフリをする。そう固く決意しても出来た試しがない。
(……多分今回も、……出来ない。現に目の前の蛙男を殺せないままだ)
「マロッグ起きてるんでしょ?」
「あ、……あはぁはぁ……、な、なんか、…………な、んかすごくおもしろいことにっ、なって、なってきたねぇえええええ♥ すごく興奮することにっ、なって、なってきたねぇえ♥」
くそっ……。大太刀でズタズタにしておけば良かった。内臓から何から何までくりぬいて復元出来ないくらいに切り刻んでやれば良かった。
……くそっ、どうしたら良いんだ。
「いいねぇ。マロッグー、今のナツキさんになら勝てるかもよーやっちゃってー」
「く、くそっ……。どうしたらぁああっ♥」
な、なんでっこれが、う、あ、……あぁ……。まだマロッグには触れられてもいない。直接何かされたわけではない。
快感音波と化したバイブ音が身体を狂わせてきたのだ。
ナツキは慌てて、小金井から手渡されていた波長を変える耳栓を詰め込んだ。
「危なかっ、ん!?♥ これっ、ん♥ あぁんっ♥」
頭の中で直接響いてくるようだった。
まさか……。
そのまさかだった。マモンが自身の声を届けているテレパス同様の方法で、直接脳内でバイブ音が響いたのだ。
「くっ、あはぁ……ぁ……」
「根本治療されてないんだね☆ まだしっかり効くみたいだ☆」
しっかりではすまなかった。
耳さえ介さずにダイレクトに刺激を伝えられている。
そのせいか、肉ヒダに点在する性感帯を、皮膚を介さずに震わされているような快感を覚えてしまう。
膝をもじもじと擦り合わせて、快感を分散させる。
「くあ、はぁ……っ」
気休めにもならなかった。
ビーンッ……ビーンッ……、と鳴っているのは程度の低い振動音。しかしそんな些細な音でさえ、いつ逝かされてもおかしくないくらいに追い詰められていた。
全開に鳴らされようものなら発狂してしまう。と恐怖させられる。
先の見えない不安に苛まれる中、マモンに言われたのだった。
「ナツキさーん、さっきの台詞忘れて良いよ☆」
「ど、どういう、…………意味っ……」
「わざと負ける必要ないよ、って意味。どう頑張ってもマロッグにやられるじゃん。それも翔子さんの見ている前でね」
「どういう……意味」
「そのままの意味☆ 好きな人の前で完堕ちするところノーカットで見てもらえるね!」
「なっ……なんでっ、知ってるっ」
「バレバレだよ? おめでとう! その翔子さんに他の男にやられるところ見せられるね♪ ヤキモチ妬かせられるかもね♪」
「きっ、貴様っ……」
性根が腐っている。腐りきっている。
マモンが言ったように、オネエの座る席からこのコートはよく見える。
犯されている姿が丸見えではあっても、反面コートの上の異変にオネエが気付いてくれる可能性がある。
長引かせれば長引かせるだけ、オネエが異変に気付く可能性が高くなる。
敗北宣言をしなくていいなら、そのうち気付いてくれるだろう。
そうなれば、なんかしらの手を打ってくれるだろう。
逆転不能の窮地に追い込まれていたが、光明が見えた。
問題はこの性悪クソガキのことだ、都合が悪くなると敗北宣言しろと急かしてくるだろう。そう思っていたが、マモンは想像していたよりもよっぽど子どもで、ナツキが予想もしていない方向へと話が進んでいくのであった。
「じゃあ、ゲームをしよう。ボクはこの催淫音波を自由に鳴らせるから、画面を見ながらゲーム感覚でボタンを押す。格闘ゲームみたいな感じだね。――この状況で勝てたらエリナさんを返すよ」
エリナの安全まで保証すると言いだしたのだ。それもゲームと言ってるくらいなのだから、約束を破れないように契約のようなものを結ばせるのだろう。
「――その代わり、ナツキさんが負けた場合はボクの下処理奴隷になってくれない? 精子から小便から大便からなにからなにまでやってよ」
それが本題か。
「拒否権なんてないでしょ」
反抗的な態度を見せるが、ナツキにとっては悪い話ではなく、断るつもりは微塵も無かった。敗北した場合の罰ゲームがどれだけ過酷であったとしても、断るつもりなんて無かったのだ。
この状況で降参するように迫られたら、どちらにしても全てが終わりなのだ。
『負けたら観客に輪姦されても拒否できない』
マロッグからの話が本当ならば、敗者は勝者の命令に逆らうことの出来ない肉人形にされてしまう。
敗北宣言を避けられるならどのような条件でも呑むべきだ。
そしてこの決闘は、マモンにとっては言葉通りのゲームなのだろう。
ゲームにはルールが、ルールには罰則がある。
このルールが絶対のものであるならば、少なくとも理不尽に負けを宣言させられることはない。
それでいて勝てば全てが丸く収まる。
「お互いの為にもここは一つ約束を決めたいと思うんだけど。ズルしないように。いいよねー?」
何かしら契約を結ぶとは思っていたが、これで反故にされるなんて一番避けたいリスクも避けられる。
「わかった」
ルールは簡単だった。
ナツキが負けた場合の奴隷化。
勝利した場合のエリナの返還。
その間マモンによるエリナへの手出しが無効である。
了解して、ナツキとマロッグは最終戦を仕切り直すことになった。
逆転の可能性に賭けて結んだ契約ではあった。だが、この戦いがナツキにとって、これまでに無い悲劇をもたらすことになるとは、このときのナツキには知る由も無かった。
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