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第四話 過去との決別
第四話 五
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「……!」
「どうしたの、紫苑。急に立ち止まって」
仕事の一環で町はずれの巡回をしていた紫苑と楓だったが、紫苑が急に足を止めたことで、楓はきょとんとした顔で紫苑を振り返る。一方の紫苑は楓に構う余裕を失っていた。
「……お守り……。まさか、美桜に何かあったんじゃ……」
普段から紫苑は無表情に思われがちだが、付き合いの長い楓はその些細な変化に敏く気がつく。紫苑の小さな呟き声も聞き逃さず、楓は真剣な表情に変わると紫苑に確認するように尋ねた。
「お守りってこの間材料を渡して紫苑が作ったっていう美桜ちゃんに持たせたお守りのことだよね? 何か反応があったの?」
紫苑はちらりと横目で楓を見て、小さく頷いた。
「あのお守りは悪意から美桜を守るためのもの。それが反応したってことは、美桜が今何か、あるいは誰かに襲われてるってこと。おそらくは戸塚かその式神か……」
紫苑の牽制はあまり効果がなかったようだ。本当は美桜をこれ以上巻き込まずに事を済ませたかったが、紫苑の思い通りにはいかないのが現実だ。
とにもかくにもここでぼさっとしているわけにはいかない。
「楓。悪いけど僕は美桜のところに……」
楓は紫苑に皆まで言わせず、苦笑交じりに遮った。
「紫苑ならそう言うと思ってた。だけど紫苑ひとりには行かせないよ?」
「……どういうこと?」
紫苑が訝しむように呟くと、楓は器用に片目を瞑って答えた。
「俺もついてくってこと。一人より二人で行った方が確実でしょ? それに管轄地で妖関連の事件が起きてるなら職務としても行かなきゃだしね」
「……そう、だね」
口には出さなかったものの楓の申し出は正直ありがたく、心強い。
感覚を研ぎ澄まし、お守りの気を辿るように意識を集中させる。それは予想外にも自宅の側にあった。家には結界を張っていたのに一体どういうことかという疑問が湧き出るが、今はそんなことより現場に向かい、美桜を助けることが先決だ。
「こっち。急ごう」と紫苑が駆け出すすぐ後を楓は「了解」とだけ言って追った。
町はずれから町中を抜け、あぜ道をひた走り、竹林を目指す。
その途中で紫苑は苦々しげに顔をしかめた。
(気配が移動してる)
速度から予測するに、美桜が逃げているというわけではなさそうだ。そうだとするなら考えられる可能性はひとつだけである。
(捕まった)
守りたい、奪われたくない、失いたくない。
目の前で美桜を失ったときのことが思い出される。不安と焦りを滲ませて、紫苑は両手を強く握りしめた。
「美桜……っ」
紫苑の痛切な呟きを拾った楓はそのたった一言で状況を察したようだった。らしくなく落ち着き払った声で楓は「紫苑」と呼びかけた。
「まだ、大丈夫だよ。間に合う」
その言葉に紫苑ははっと目を見開く。
「当時のことはわからないけど。紫苑がたったひとりの好きな子のためにものすごい頑張ってきたこと、俺は知ってるよ。今の紫苑なら絶対に美桜ちゃんを助けられるって俺は信じられる」
楓の励ましがじわじわと胸に沁みてくる。次第に胸に巣食う靄が払われるような気がした。
(ここで弱気になってたらいけない。何のために研鑽を積んできたのか、思い出せ)
全ては美桜との慎ましやかで幸福な日常を再び紡ぐため。
ささやかな願いが叶わないと嘆く暇があるのなら、叶えるための努力をするべきだ。やるべきことは単純なのだから。
(美桜を、救う。ただそれだけだ)
紫苑の面持ちがすっきりしたものに変わると、楓は小さく笑みの吐息をこぼした。
間もなく竹林に差しかかる。そこを抜け、自宅の前に飛び出るも予想通り美桜の姿はなかった。残っていたのは激しい戦いの跡だけで、美桜が必死に抵抗していたのだと窺い知るには十分だった。
「……美桜」
「美桜ちゃんも諦めなかったんだね。だったらなおさら紫苑が迎えに行ってあげないと。気配はどうなってる?」
「向こう」
息つく暇もなく、紫苑たちは再び駆け出した。向かうのは美桜に持たせたお守りの気配が導く林道の中だ。
(どうか、美桜が今も諦めていませんように)
家の裏に林立する木々の一部に拓けている個所がある。その林道へと入る唯一の道へと紫苑と楓は飛びこんだ。
今にも雨が降り出しそうな曇天から陽が射すことはなく、木々の葉は鬱蒼と生い茂っている。林の中は薄暗く、じとりと肌にまとわりつくような湿った空気はややひんやりと感じられた。
紫苑は一度立ち止まって周囲を見回した。お守りの気配は近づいているものの、視認できるところに美桜の姿はない。
「いないね……」
楓の呟きに紫苑は浅く頷いた。
「もしかしたらもう林を抜けかけてるのかも。戸塚は街を通らずに駅に向かうつもりなんだと思う」
汽車の停まる駅には街を抜ける道が最短だが、そちらには陰陽省の支部がある。西派閥に属している戸塚からしてみれば東の支部には近寄りたくないだろう。
そうなるともう一つの駅へと向かう道はこちらになる。森とも林ともつかない中を歩くことにはなるが、人はほとんど通らないので目立つこともない。紫苑を撒きながら西にある戸塚の拠点に戻るのには都合が良いといえた。
彼らが西に戻る前に片をつけなければならない。
紫苑はさらに感覚を研ぎ澄ませ、お守りの気配を感じ取る。林の中のどこかという大雑把な位置情報から、より正確な美桜の所在を割りだそうとする。案の定、その気配は林の終わりの方にあった。
「美桜……っ」
辛うじて走れる荒れた道を紫苑は駆け出した。
長くも短くも感じられる林道だったが、徐々に視界が明るくなってくる。出口は近い。
(この急なうねり路を曲がって、あとは真っ直ぐ走れば……)
そう思い、紫苑が次の一歩を踏み出した瞬間。
残像も音もなく、まるで突如として地面から生えてきたかのように紫苑の足元に一本の短刀が突き立っていた。
あと半歩先に進んでいたら過たず紫苑の右足の甲を刺し貫いていただろうが、紫苑も伊達に戦場を経験していない。反射的に後退ったおかげで免れた。紫苑の背後では楓が息をのんでいた。
状況からして短刀を放ったのは風雅かと一瞬彼の顔が脳裏を過る。
(いや、違う)
しかし紫苑はその考えをすぐに否定した。太刀筋があまりにも違い過ぎたからだ。
何度か風雅と戦う中で彼の太刀筋はなんとなくわかっていた。躊躇いや容赦がなく勢い任せなところがある風雅の攻撃は強いが雑でもあった。
対して今しがた放たれた短刀は繊細で研ぎ澄まされていて無駄が一切なかった。刃を交えていなくても相当な手練れであることは容易に察せられた。
しかし、そんな式神を戸塚は有していただろうか。
(一体、誰が……)
そして地面から顔を上げた紫苑は目を疑った。
長い髪、頭部からは狐の耳を、臀部からは豊かな尾を生やしており、微風にそよぐ白銀の毛が鈍く輝いている。逆光で表情は読めないが、虚ろな赤い瞳が妖しく光り、こちらを静かに見つめていた。
そこには……。
「美、桜……?」
「どうしたの、紫苑。急に立ち止まって」
仕事の一環で町はずれの巡回をしていた紫苑と楓だったが、紫苑が急に足を止めたことで、楓はきょとんとした顔で紫苑を振り返る。一方の紫苑は楓に構う余裕を失っていた。
「……お守り……。まさか、美桜に何かあったんじゃ……」
普段から紫苑は無表情に思われがちだが、付き合いの長い楓はその些細な変化に敏く気がつく。紫苑の小さな呟き声も聞き逃さず、楓は真剣な表情に変わると紫苑に確認するように尋ねた。
「お守りってこの間材料を渡して紫苑が作ったっていう美桜ちゃんに持たせたお守りのことだよね? 何か反応があったの?」
紫苑はちらりと横目で楓を見て、小さく頷いた。
「あのお守りは悪意から美桜を守るためのもの。それが反応したってことは、美桜が今何か、あるいは誰かに襲われてるってこと。おそらくは戸塚かその式神か……」
紫苑の牽制はあまり効果がなかったようだ。本当は美桜をこれ以上巻き込まずに事を済ませたかったが、紫苑の思い通りにはいかないのが現実だ。
とにもかくにもここでぼさっとしているわけにはいかない。
「楓。悪いけど僕は美桜のところに……」
楓は紫苑に皆まで言わせず、苦笑交じりに遮った。
「紫苑ならそう言うと思ってた。だけど紫苑ひとりには行かせないよ?」
「……どういうこと?」
紫苑が訝しむように呟くと、楓は器用に片目を瞑って答えた。
「俺もついてくってこと。一人より二人で行った方が確実でしょ? それに管轄地で妖関連の事件が起きてるなら職務としても行かなきゃだしね」
「……そう、だね」
口には出さなかったものの楓の申し出は正直ありがたく、心強い。
感覚を研ぎ澄まし、お守りの気を辿るように意識を集中させる。それは予想外にも自宅の側にあった。家には結界を張っていたのに一体どういうことかという疑問が湧き出るが、今はそんなことより現場に向かい、美桜を助けることが先決だ。
「こっち。急ごう」と紫苑が駆け出すすぐ後を楓は「了解」とだけ言って追った。
町はずれから町中を抜け、あぜ道をひた走り、竹林を目指す。
その途中で紫苑は苦々しげに顔をしかめた。
(気配が移動してる)
速度から予測するに、美桜が逃げているというわけではなさそうだ。そうだとするなら考えられる可能性はひとつだけである。
(捕まった)
守りたい、奪われたくない、失いたくない。
目の前で美桜を失ったときのことが思い出される。不安と焦りを滲ませて、紫苑は両手を強く握りしめた。
「美桜……っ」
紫苑の痛切な呟きを拾った楓はそのたった一言で状況を察したようだった。らしくなく落ち着き払った声で楓は「紫苑」と呼びかけた。
「まだ、大丈夫だよ。間に合う」
その言葉に紫苑ははっと目を見開く。
「当時のことはわからないけど。紫苑がたったひとりの好きな子のためにものすごい頑張ってきたこと、俺は知ってるよ。今の紫苑なら絶対に美桜ちゃんを助けられるって俺は信じられる」
楓の励ましがじわじわと胸に沁みてくる。次第に胸に巣食う靄が払われるような気がした。
(ここで弱気になってたらいけない。何のために研鑽を積んできたのか、思い出せ)
全ては美桜との慎ましやかで幸福な日常を再び紡ぐため。
ささやかな願いが叶わないと嘆く暇があるのなら、叶えるための努力をするべきだ。やるべきことは単純なのだから。
(美桜を、救う。ただそれだけだ)
紫苑の面持ちがすっきりしたものに変わると、楓は小さく笑みの吐息をこぼした。
間もなく竹林に差しかかる。そこを抜け、自宅の前に飛び出るも予想通り美桜の姿はなかった。残っていたのは激しい戦いの跡だけで、美桜が必死に抵抗していたのだと窺い知るには十分だった。
「……美桜」
「美桜ちゃんも諦めなかったんだね。だったらなおさら紫苑が迎えに行ってあげないと。気配はどうなってる?」
「向こう」
息つく暇もなく、紫苑たちは再び駆け出した。向かうのは美桜に持たせたお守りの気配が導く林道の中だ。
(どうか、美桜が今も諦めていませんように)
家の裏に林立する木々の一部に拓けている個所がある。その林道へと入る唯一の道へと紫苑と楓は飛びこんだ。
今にも雨が降り出しそうな曇天から陽が射すことはなく、木々の葉は鬱蒼と生い茂っている。林の中は薄暗く、じとりと肌にまとわりつくような湿った空気はややひんやりと感じられた。
紫苑は一度立ち止まって周囲を見回した。お守りの気配は近づいているものの、視認できるところに美桜の姿はない。
「いないね……」
楓の呟きに紫苑は浅く頷いた。
「もしかしたらもう林を抜けかけてるのかも。戸塚は街を通らずに駅に向かうつもりなんだと思う」
汽車の停まる駅には街を抜ける道が最短だが、そちらには陰陽省の支部がある。西派閥に属している戸塚からしてみれば東の支部には近寄りたくないだろう。
そうなるともう一つの駅へと向かう道はこちらになる。森とも林ともつかない中を歩くことにはなるが、人はほとんど通らないので目立つこともない。紫苑を撒きながら西にある戸塚の拠点に戻るのには都合が良いといえた。
彼らが西に戻る前に片をつけなければならない。
紫苑はさらに感覚を研ぎ澄ませ、お守りの気配を感じ取る。林の中のどこかという大雑把な位置情報から、より正確な美桜の所在を割りだそうとする。案の定、その気配は林の終わりの方にあった。
「美桜……っ」
辛うじて走れる荒れた道を紫苑は駆け出した。
長くも短くも感じられる林道だったが、徐々に視界が明るくなってくる。出口は近い。
(この急なうねり路を曲がって、あとは真っ直ぐ走れば……)
そう思い、紫苑が次の一歩を踏み出した瞬間。
残像も音もなく、まるで突如として地面から生えてきたかのように紫苑の足元に一本の短刀が突き立っていた。
あと半歩先に進んでいたら過たず紫苑の右足の甲を刺し貫いていただろうが、紫苑も伊達に戦場を経験していない。反射的に後退ったおかげで免れた。紫苑の背後では楓が息をのんでいた。
状況からして短刀を放ったのは風雅かと一瞬彼の顔が脳裏を過る。
(いや、違う)
しかし紫苑はその考えをすぐに否定した。太刀筋があまりにも違い過ぎたからだ。
何度か風雅と戦う中で彼の太刀筋はなんとなくわかっていた。躊躇いや容赦がなく勢い任せなところがある風雅の攻撃は強いが雑でもあった。
対して今しがた放たれた短刀は繊細で研ぎ澄まされていて無駄が一切なかった。刃を交えていなくても相当な手練れであることは容易に察せられた。
しかし、そんな式神を戸塚は有していただろうか。
(一体、誰が……)
そして地面から顔を上げた紫苑は目を疑った。
長い髪、頭部からは狐の耳を、臀部からは豊かな尾を生やしており、微風にそよぐ白銀の毛が鈍く輝いている。逆光で表情は読めないが、虚ろな赤い瞳が妖しく光り、こちらを静かに見つめていた。
そこには……。
「美、桜……?」
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