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第六話 幸せはいつもそばに
第六話 一三
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東青川を流れに沿って下っていると、川の水が湖に流れ出るのがうかがえた。そこは三つ目の目的地である南朱湖だった。
透明な水を湛える湖の前には真っ赤なお社の代わりに数々のお供え物が並べられていた。先の二つのお社よりはやや人が少ないが、それでも人で溢れかえっていることには変わりない。
「今はお社もないし朱咲様もここにはいないのに……」
あかりが呆然と呟くと、昴が穏やかな声音で言った。
「各地への初詣が形骸化してるのもあるだろうけど、それよりも朱咲様や朱咲家が愛されていることのほうが大きな要因だろうね」
あかりはそっと胸を抑えた。胸の奥がぼうっと熱を持った感覚がする。
(朱咲様、見ていますか? 朱咲様も南の地も、こんなに愛されていたのですよ)
誇らしい気持ちで、あかりは胸中の朱咲に伝えた。慈愛に満ちた彼女ならきっと喜んでくれているに違いないと思う。
「あかり、お詣り」
結月に肩をつつかれて、あかりは我に返るとまぶたを閉じて、手を合わせた。
(朱咲様、いつも私たちを見守ってくださり、ありがとうございます。貴女様の慈しみと愛がこの世をあまねく照らしますように)
胸の内から可愛らしい笑い声が聞こえた気がした。あかりは口元に笑みを刷くと、今度は湖の方へと意識を向けた。
(お母様、南の地のみんな。どうか安らかに……)
この時期にしては珍しい柔らかな風があかりの頬を撫でる。あかりはそっと目を開けた。どうやらあかりが最後だったらしく、結月たちは静かに待っていてくれたようだった。
「また来るね」
あかりはそう言い残して踵を返した。
透明な水を湛える湖の前には真っ赤なお社の代わりに数々のお供え物が並べられていた。先の二つのお社よりはやや人が少ないが、それでも人で溢れかえっていることには変わりない。
「今はお社もないし朱咲様もここにはいないのに……」
あかりが呆然と呟くと、昴が穏やかな声音で言った。
「各地への初詣が形骸化してるのもあるだろうけど、それよりも朱咲様や朱咲家が愛されていることのほうが大きな要因だろうね」
あかりはそっと胸を抑えた。胸の奥がぼうっと熱を持った感覚がする。
(朱咲様、見ていますか? 朱咲様も南の地も、こんなに愛されていたのですよ)
誇らしい気持ちで、あかりは胸中の朱咲に伝えた。慈愛に満ちた彼女ならきっと喜んでくれているに違いないと思う。
「あかり、お詣り」
結月に肩をつつかれて、あかりは我に返るとまぶたを閉じて、手を合わせた。
(朱咲様、いつも私たちを見守ってくださり、ありがとうございます。貴女様の慈しみと愛がこの世をあまねく照らしますように)
胸の内から可愛らしい笑い声が聞こえた気がした。あかりは口元に笑みを刷くと、今度は湖の方へと意識を向けた。
(お母様、南の地のみんな。どうか安らかに……)
この時期にしては珍しい柔らかな風があかりの頬を撫でる。あかりはそっと目を開けた。どうやらあかりが最後だったらしく、結月たちは静かに待っていてくれたようだった。
「また来るね」
あかりはそう言い残して踵を返した。
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