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第八話 喪失の哀しみに
第八話 一二
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秋之介と昴は各々の屋敷へと帰っていった。あかりは結月と青柳家に戻ることにした。
青柳家の屋敷に戻り、縁側に腰かけて茶が用意されるのを待っている間、あかりは隣に座る結月に顔を向けた。
「さっきはありがとね、結月」
あかりがお礼を言うと、結月はぱちくちと目を瞬かせた。
「……あかりがお礼言うこと、何か、あった?」
「さっきの、秋と昴のけんかを止めてくれたでしょ」
「……ああ」
あかりに言われてやっと気づいたらしい。結月は頷いたものの、その顔は晴れなかった。
「どうしたの?」
僅かの変化も見逃さずあかりが結月に尋ねると、結月は「……思い、出してた」と話し始めた。
「秋の言ったこと、それから、消滅した妖のこと」
「……」
あかりは目の前で光の粒になり果てた獅子の妖を思い浮かべた。
「人と妖を区別するわけじゃないけど……それでも、同族が傷つくのは、やっぱり、悲しい……」
「……うん」
「無力な自分が、恨めしい。……どうして、救って、あげられなかったんだろう……」
「……結月……」
秋之介が昴に突っかかったとき、結月は自分の意見を何も言わなかったが、秋之介や昴と思いは同じだったのだ。もちろんあかりだってそうだ。
どうして妖ばかりが犠牲になるのか。わかっているのに、どうして救うことができないのか。力が足りないことが悔しかった。
だが、結月はあかり以上にその現実に打ちのめされていたのだ。思い返せば今日の戦いに呼ばれたとき、結月が息をのんでいる瞬間があった。あれはあかりの気のせいなどではなく、式神が妖であるという報告に胸を痛めていたのではないのか。それを悲痛な覚悟で受け止めていたのではないのか。
結月は誰よりも繊細で優しい心の持ち主だから、あかりはたまらず心配になった。
それが顔に出ていたのだろう。あかりの顔を見た結月が微かに微笑んだ。
「……そんな顔、しないで」
「だ、だって……」
逆に気を遣われてしまい、いたたまれない。本当はあかりが結月を元気づけたかった。
(どうしたら、いいの?)
どうしたら、そんな痛々しい微笑みではなく、心からの優しい笑顔を見せてくれるだろう。
考えに考えて、ついにあかりは閃いた。
青柳家の屋敷に戻り、縁側に腰かけて茶が用意されるのを待っている間、あかりは隣に座る結月に顔を向けた。
「さっきはありがとね、結月」
あかりがお礼を言うと、結月はぱちくちと目を瞬かせた。
「……あかりがお礼言うこと、何か、あった?」
「さっきの、秋と昴のけんかを止めてくれたでしょ」
「……ああ」
あかりに言われてやっと気づいたらしい。結月は頷いたものの、その顔は晴れなかった。
「どうしたの?」
僅かの変化も見逃さずあかりが結月に尋ねると、結月は「……思い、出してた」と話し始めた。
「秋の言ったこと、それから、消滅した妖のこと」
「……」
あかりは目の前で光の粒になり果てた獅子の妖を思い浮かべた。
「人と妖を区別するわけじゃないけど……それでも、同族が傷つくのは、やっぱり、悲しい……」
「……うん」
「無力な自分が、恨めしい。……どうして、救って、あげられなかったんだろう……」
「……結月……」
秋之介が昴に突っかかったとき、結月は自分の意見を何も言わなかったが、秋之介や昴と思いは同じだったのだ。もちろんあかりだってそうだ。
どうして妖ばかりが犠牲になるのか。わかっているのに、どうして救うことができないのか。力が足りないことが悔しかった。
だが、結月はあかり以上にその現実に打ちのめされていたのだ。思い返せば今日の戦いに呼ばれたとき、結月が息をのんでいる瞬間があった。あれはあかりの気のせいなどではなく、式神が妖であるという報告に胸を痛めていたのではないのか。それを悲痛な覚悟で受け止めていたのではないのか。
結月は誰よりも繊細で優しい心の持ち主だから、あかりはたまらず心配になった。
それが顔に出ていたのだろう。あかりの顔を見た結月が微かに微笑んだ。
「……そんな顔、しないで」
「だ、だって……」
逆に気を遣われてしまい、いたたまれない。本当はあかりが結月を元気づけたかった。
(どうしたら、いいの?)
どうしたら、そんな痛々しい微笑みではなく、心からの優しい笑顔を見せてくれるだろう。
考えに考えて、ついにあかりは閃いた。
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