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第八話 喪失の哀しみに
第八話 一三
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「ねえ、結月!」
「ど、どうしたの、あかり?」
突然身を乗り出したあかりに、結月は驚いたようだった。目を大きくしながら、あかりを見る。
そうすると、結月の青い目があかりにはよく見えた。
(きれいだけど、悲しい色をしてる……)
あかりは真っ直ぐに結月の青い瞳を見つめた。
「私ね、結月には笑っていて欲しいの。……そんな無理して笑うような顔じゃなくて、心から結月らしく笑って欲しい」
「あかり……」
「だから、私にできることを考えたの! 私、もっと強くなって、式神になった妖の魂の邪気を完全に払えるようになるから」
「……」
「式神になってしまった妖を消滅なんてさせない。絶対にもとのところへ還してみせるよ! だから……、ひとりで悲しまないで。どうか、笑って……っ」
「……あかりっ」
言い終わると同時に、あかりは結月に抱きすくめられた。驚きのあまり言葉を失うあかりだったが、背中にまわる手が震えていることに気が付くと、そっと抱き返して結月の背を撫でた。
やはり震える声で、結月が囁く。
「ありがとう……。あかりには、なんでも、お見通しだね……」
幼なじみだからこそ、変化に乏しい結月の表情の変化にも鋭く気が付くことができた。家臣や町民だったら、今の結月は無表情に見えても不思議ではなかっただろう。
顔が見えないことは承知の上で、あかりはふっと柔らかに微笑んだ。
「当たり前だよ。結月の目はわかりやすいんだから」
「目……?」
「そうだよ? ……傷ついてるんだなってすぐにわかったよ。結月は優しいもんね」
次第に結月の震えは収まってきたようだ。あかりは結月から身を離すと、大好きな青い瞳を正面から受け止めた。そこには宿る悲しみは少しだけ薄らいだように見えて、あかりはほっと安堵の息を吐いた。
「消えてしまった魂は戻らない。だけど、これからはそうさせないように頑張るから」
それは結月のため、妖のため、そして自分自身のためでもあった。
あかりが改めて宣言すると、結月は頷いた後、「だけど……」と呟いた。
「あかりひとりに、任せきりは、させない。あかりみたいに邪気は払えない、けど、おれもおれなりに、頑張る、から」
「じゃあ、一緒に頑張ろうね! 秋や昴にも話してみようよ」
あかりが明るい笑顔を見せると、結月はようやく彼らしく笑ってくれた。
たったそれだけのことが無性に嬉しくて、あかりは笑みを深めたのだった。
「ど、どうしたの、あかり?」
突然身を乗り出したあかりに、結月は驚いたようだった。目を大きくしながら、あかりを見る。
そうすると、結月の青い目があかりにはよく見えた。
(きれいだけど、悲しい色をしてる……)
あかりは真っ直ぐに結月の青い瞳を見つめた。
「私ね、結月には笑っていて欲しいの。……そんな無理して笑うような顔じゃなくて、心から結月らしく笑って欲しい」
「あかり……」
「だから、私にできることを考えたの! 私、もっと強くなって、式神になった妖の魂の邪気を完全に払えるようになるから」
「……」
「式神になってしまった妖を消滅なんてさせない。絶対にもとのところへ還してみせるよ! だから……、ひとりで悲しまないで。どうか、笑って……っ」
「……あかりっ」
言い終わると同時に、あかりは結月に抱きすくめられた。驚きのあまり言葉を失うあかりだったが、背中にまわる手が震えていることに気が付くと、そっと抱き返して結月の背を撫でた。
やはり震える声で、結月が囁く。
「ありがとう……。あかりには、なんでも、お見通しだね……」
幼なじみだからこそ、変化に乏しい結月の表情の変化にも鋭く気が付くことができた。家臣や町民だったら、今の結月は無表情に見えても不思議ではなかっただろう。
顔が見えないことは承知の上で、あかりはふっと柔らかに微笑んだ。
「当たり前だよ。結月の目はわかりやすいんだから」
「目……?」
「そうだよ? ……傷ついてるんだなってすぐにわかったよ。結月は優しいもんね」
次第に結月の震えは収まってきたようだ。あかりは結月から身を離すと、大好きな青い瞳を正面から受け止めた。そこには宿る悲しみは少しだけ薄らいだように見えて、あかりはほっと安堵の息を吐いた。
「消えてしまった魂は戻らない。だけど、これからはそうさせないように頑張るから」
それは結月のため、妖のため、そして自分自身のためでもあった。
あかりが改めて宣言すると、結月は頷いた後、「だけど……」と呟いた。
「あかりひとりに、任せきりは、させない。あかりみたいに邪気は払えない、けど、おれもおれなりに、頑張る、から」
「じゃあ、一緒に頑張ろうね! 秋や昴にも話してみようよ」
あかりが明るい笑顔を見せると、結月はようやく彼らしく笑ってくれた。
たったそれだけのことが無性に嬉しくて、あかりは笑みを深めたのだった。
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