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第一一話 夏のひととき
第一一話 二
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あかりと小春はすぐに打ち解けて会話を弾ませていた。傍らで結月はその光景を微笑ましく思いながらも周囲をよく観察して、小春から聞いた特徴をもとに彼女の両親を探していた。
あかりと小春はしりとりをしていたらしいが、小春が「よん」と言ったところで言葉遊びは一区切りついた。
あかりがぱっと結月を見上げる。
「どう、結月?」
結月はゆるゆると首を振った。
「それらしい人は、いない」
「そっか……」
二人の間で話を聞いていた小春もしゅんと耳と尾を垂らした。
「おとうさんとおかあさん、どこにいっちゃったのかな……」
顔を俯ける小春を見ると胸が痛んだ。あかりは努めて明るい声で「そうだ!」と声をあげた。
「小春ちゃん、美味しいもの食べない? きっと元気が出ると思うの」
「おいしいもの?」
小春が俯けていた顔を上げた。あかりはにっこりと彼女に笑いかけた。
「好きな屋台に寄っていいよ。お姉ちゃんが買ってあげる」
「……でも……」
小春は迷うように視線を左右に彷徨わせる。偶然目があった結月は一瞬だけ目を丸くしたがすぐに柔らかに目を細めた。
「いいと、思うよ」
「大丈夫だよ。お父さんやお母さんに怒られても私がちゃんと説明するから」
「……うん」
ここで小春はようやく小さく頷いた。あかりは内心でしっかりしている子だと感心していた。あかりが小春くらいの年齢だったころだったら、多分「おいしいもの!」と即座に目の色を変えたと思う。
あかりと小春はしりとりをしていたらしいが、小春が「よん」と言ったところで言葉遊びは一区切りついた。
あかりがぱっと結月を見上げる。
「どう、結月?」
結月はゆるゆると首を振った。
「それらしい人は、いない」
「そっか……」
二人の間で話を聞いていた小春もしゅんと耳と尾を垂らした。
「おとうさんとおかあさん、どこにいっちゃったのかな……」
顔を俯ける小春を見ると胸が痛んだ。あかりは努めて明るい声で「そうだ!」と声をあげた。
「小春ちゃん、美味しいもの食べない? きっと元気が出ると思うの」
「おいしいもの?」
小春が俯けていた顔を上げた。あかりはにっこりと彼女に笑いかけた。
「好きな屋台に寄っていいよ。お姉ちゃんが買ってあげる」
「……でも……」
小春は迷うように視線を左右に彷徨わせる。偶然目があった結月は一瞬だけ目を丸くしたがすぐに柔らかに目を細めた。
「いいと、思うよ」
「大丈夫だよ。お父さんやお母さんに怒られても私がちゃんと説明するから」
「……うん」
ここで小春はようやく小さく頷いた。あかりは内心でしっかりしている子だと感心していた。あかりが小春くらいの年齢だったころだったら、多分「おいしいもの!」と即座に目の色を変えたと思う。
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